耐震改修工事

耐震改修工事

耐震偽装のニュースがみられなくなったからといって、問題が解決したわけではありません。

今でも私たちの身近な建物で耐震改修工事が行われているのです。

ここでは耐震改修の方法について詳しく解説します。

目次

現場打ち鉄筋コンクリート壁増設工事

新設耐震壁
既存耐震壁増打ち
開口部閉壁
新設袖壁

 

新設耐震壁

あと施工アンカー方式

新設耐震壁取付け

既存部分の処理

既存施工面にほこり、油性分等がないように十分清掃をする。
既存構造体コンクリート部分の打継ぎ面となる範囲を、目荒し状態とする。
既存構造体コンクリート部分に鉄筋の穿孔穴を設ける。
鉄筋を穿孔穴に取り付け、組立てる。
既存部との取合い部分には、割裂補強筋を設ける。
型枠はセメントペースト、モルタル等を既存部取合いから、漏出させないように組立てる。

既存構造体と増設壁との取合いの処理方法

既存構造体と増設壁との隙間には、グラウト材を注人する。
グラウト材は、注入直前に必要量だけ練り、練りおき時間を長くとらない。
水温10℃以上の水を用いてグラウト材を練る。
練り上がりの温度が10~35℃の範囲のものを注人する。
コンクリート打設前に、予め注入孔及び空気抜き孔を設ける。
注入孔は、グラウト材が十分浸透するように適切な間隔とする。
注入前には、コンクリート部分及び注人孔を水洗、清掃し、不純物を除去する。
注入作業は、徐々にグラウト材を浸透させ、注入圧力と注入量により管理する。
注入作業中にグラウト材が漏出する場合は、急結材でシールし圧力低下を防止する。
グラウト材の強度発現を確認後、型枠を取外す。
既存構造体とグラウト材との間に隙間のないことを、目視により確認する。
注入されたグラウト材の温度を5℃以上に保ち、養生期間は、5~7日程度を標準とする。
コンクリートの打込みには、流込み工法と圧入工法がある。

流込み工法

型枠の上部に流し込み用開口を設ける。
その階からの打込みが困難な場合は、上階スラブに流し込み用開口を設ける。
コンクリート投入口は、打込みに支障のないような間隔で設ける。
また、打込み高さが、高い場合は、2段以上に分けて設ける。
打込み範囲は、1壁ごととし、打継ぎはしない。
壁上部の打込みは、コンクリートの沈降を待って2段打ちとする。
打設するコンクリートは、膨張性混和剤を添加した無収縮コンクリートとする。

圧入工法

鉄筋等が圧入の障害とならない位置に圧入孔管を取付ける。
型枠上部には、空気抜き孔やオーバーフロー管を設ける。
圧入孔管やオーバーフロー管等の器具は、型枠と隙間のないように密着させて固定する。
圧入孔管には、コンクリートの逆流を防止する装置を設ける。
圧入孔管はコンクリートの打込みに支障のないように適切な間隔で配置する。
また、打込み高さが高い場合は、2段以上に分けて設ける。
打込み範囲は、1壁ごととし、打継ぎはしない。

 

既存鉄筋コンクリート造建物の耐震補強

枠付き鉄骨ブレース設置

新設耐震壁取付け

既存部分の処理

既存構造体コンクリート部分の打継ぎ面となる範囲を、目荒し状態とする。
既存施工面にほこり、油性分等がないように十分清掃をする。

鉄骨ブレースの設置

分割搬入された部材は、地組を行う。
地組された部材及び1部材として搬入された部材を取付ける。
取付けには、仮締めボルト、キヤンバー、ジャッキ等を使用して取付ける。
取付け位置の確認をする。

鉄骨枠付きブレースの分割、取付け図

既存構造体との取合い

・既存部との取合い部分には、割裂補強筋を設ける。
・割裂補強筋の種類、材料及び径等は、特記仕様書及び設計図書による。
一般にスパイラル筋の場合は、直径6㎜以上の鉄筋を用いる。
ピッチは40~60㎜の範囲で、スタッドやアンカーのピッチの1/3~1/6程度としている。
・割裂補強筋は、鉄骨ブレース設置完了後、既存躯体と鉄骨ブレース枠の間にアンカー筋とスタッドを交互に縫うように整然と配筋する。
既存躯体と鉄骨ブレース枠の間を全周にわたって配筋する。
・既存構造体と鉄骨枠の間隙は型枠でふさぎ、モルタルの漏れを防止するため周囲に専用のシール材等を充填する。
・型枠面上部に空気抜き孔を設ける。
・グラウト材を型枠下部に設けた圧入孔よりモルタルポンプを使用して圧入する。
・グラウト材の強度発現を確認後、型枠を取り外す。
・既存構造体とグラウト材との間に隙間のないことを目視により確認する。

 

柱補強工程

柱のじん性を高めるための溶接金網巻き工法、溶接閉鎖フープ巻き工法、鋼板巻き工法、帯板巻き工法及び連続繊維補強工法の柱の補強工事に適用される。

 

RC巻き立て補強 (溶接金網巻き工法、溶接閉鎖フープ巻き工法)

RC巻き立て補強は、既存柱の外周部を60~150㎜程度の厚さの鉄筋コンクリート又は鉄筋補強モルタルで巻き立てて補強する方法である。

型枠の組立て及び取外し

・型枠は、セメントペースト、モルタル等を既存部取合いから、漏出させないように組立てる。
・型枠は、できるだけ型枠振動機が使用しやすいように組立てる。
・打ち込むコンクリート又はグラウト材の厚さは特記による。
特記がない場合は60㎜以上とする。

コンクリート及び構造体用モルタルの打込み

・流込み工法1回の打込み高さは1m程度とし、1回ごとに締固めを行う。
締固めは振動機を用いるほか、突締め、たたき締めも有効に用いる。
コンクリート又は構造体用モルタルを密実に締固める。

 

鋼板系の巻き立て補強

鋼板系の巻き立て補強には、鋼板巻き工法と帯板巻き工法がある。

鋼板巻き工法

厚さ4.5~9㎜の薄鋼板を角形や円形に巻いて隙間に高流動モルタルを充てんする方法。
・鋼板の組立ては、構造体の梁に仮設のあと施工アンカーを設置し、金物を固定しチェーンブロック等で吊上げ、所定の位置にセットする。
・鋼板の肌合わせは、裏あて材等を仮止めし、割矢を打ち込み行う。
・溶接接合により鋼板を固定する。
・既存構造体と鋼板の隙問は型枠等でふさぎ、周囲にシール材等を充てんする。
・型枠上部に空気抜き孔を設ける。
・グラウト材を型枠下部に設けた圧入口よりモルタルポンプを使用して圧入する。
下階への漏出防止については、適切に処理する。
・グラウト材の強度発現を確認後、型枠等を取外す。

帯板巻き工法

柱の四隅にアングル材を建込み、平板を溶接して裏側にモルタルを充てんする方法。
・既存柱の四隅にアングルをあて、アングル間に帯板を溶接接合により固定する。
・既存構造体と帯板の間にモルタルを詰め込む。

 

連続繊維補強工法

連続繊維補強工法とは、高強度、高弾性率の連続繊維シートを既存鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の柱部材の周方向に巻き付けて、その柱の耐震安全性を確保する工法をいう。

下地調整

・コンクリート表面の凹凸は削取り、断面修復材及び下地調整材等で平滑にする。
・柱の隅角部は面取りする。
・建具や新設壁用等のアンカー筋は、事前に埋め込んでおくか、捨てボルトを差し込んでおく。
・柱表面に付着しているほこり類を除去する。
また、水分がある場合は、十分な乾燥さす。

プライマーの塗布

・プライマーは連続繊維シート製造所の指定する製品とする。
・プライマーはコンクリート表面が十分に乾燥していることを確認してから塗布する。
乾燥していない場合は、監督職員と協議する。
・プライマーはローラー刷毛を使いコンクリート表面につやが出る状態まで十分に塗布する。
・プライマー塗布後は、プライマーが乾くまで、水分、ほこり、砂が付着しないように養生する。

連続繊維シートの貼付け

・連続繊維シートを貼り付ける範囲に、ローラー又は刷毛で含浸接着樹脂を下塗りする。
・連続繊維シートは少し引張り気味に貼り付ける。
しわや気泡が残らないように、ローラーやゴムベらでよく押さえ、コンクリートとの密着を図る。
しわ、気泡、液溜りなどが生じた場合は、監督職員と協議する。
・貼り付けた炭素繊維シートの上面に、下塗り含浸接着樹脂がにじみ出るのを確認した後、上塗りの含浸接着樹脂を塗布する。
・多層巻きする場合、直前層の上塗りの後に、次層の下塗り含浸接着樹脂を塗付した後、連続繊維シートを貼り付ける。

 

耐震スリット新設工事

耐震スリットは、耐震設計を考慮していなかった非構造の鉄筋コンクリート壁が、柱や架構に悪影響を及ぼし耐震性能を低下させることを防止するために設ける構造目地である。
耐震改修工事には、完全スリットと部分スリットが用いられる。

完全スリット

既存の鉄筋コンクリート壁に30~40㎜の隙間を設け、完全に壁と柱の縁を切る方法。

部分スリット

壁断面の一部分を切り欠き大地震時にスリット部を損傷させることにより、柱への影響を断つために、既存コンクリートを60mm程度残して隙間を設ける方法。

既存の壁の切断

・切断中に水を使用する機器をスリット施工に用いる場合は、コンクリートののろを含めて漏出に対する措置を行う。

リット材の取付け

・リット材の仕様は特記による。
・特記がない場合、外壁に配置されスリット材には耐火性能、止水機能を併せ持った材料を複合させ用いる。
・スリット施工の際に、あと施工アンカーを用いて機器を固定する場合は、柱、梁への打込みを避け、垂れ壁、腰壁を利用する。
また、タル張り仕上げの場合は、タイルの目地部とする。
・スリット施工後、清掃を行いコンクリート片の残材や切断面に付着たコンクリートののろ等を除去する。
・切断面に露出した鉄筋は錆止めを行う。

シーリング

・外壁に配置された耐震スリットには、外壁面及び内壁面の2箇所をシールして止水処理する

 

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