05_32タイル工事

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タイル工事

タイル工事とは、セメントペースト、モルタル、接着剤などの張付け材料を用いて、壁や床にタイルを張り付ける工事のことです。

目次

壁タイル張りの工法

改良圧着張り

・張り付けモルタルを下地面側に3~6mmむらなく平坦に施します(オープンタイムは1時間以内)。

・タイル裏面全体にも、張り付けモルタルを3~4mmの厚さで平らにのせ、直ちに下地面に押え付け、木づちの類でタイル周辺からモルタルかはみ出すまで入念にたたき押えを行います。

・あらかじめ設けた水糸に合わせて通りよく平らに張り付けます。

・張り付け後、張り付けモルタルの締まり具合を見計らって、目地部分の掃除を行います。


改良積上げ張り

・タイル裏側に張り付けモルタルを塗厚7~10mm塗り付け、下地面との間に隙間が生じないよう水糸に合わせ注意して張ります。

・1日の張り付け高さを1.5m(四丁掛以上では、1.0m)以内とします。

・張り付け後、張り付けモルタルの締まり具合を見計らって、目地部分を掃除します。

・四丁掛以上では、下地面または躯体となましステンレス鋼線で結びつけなから張り付けることを原則とします。


密着張り

・張り付けモルタルの下地面に対する塗り付けは二度塗りとし、塗厚は5~8mm、一度に塗り付ける面積は2m2以内とします。

・振動工具での加振は、貼付けモルタルがタイルの周りから目地部分に盛り上がるまで行います。

・タイルの張り付けは上部より下部へと行い、一段置きに数段張り付けたのち、間のタイルを張ります。

・接着状況を確認するため、適時タイルをはがして充填度を確認します。


モザイクタイル張り

・張り付けモルタルの1回の塗り付け面積3 m2以内、張付用モルタルの塗厚は3mm程度を標準とします。

・平坦にならし、モザイクタイルを圧着し、モルタルが裏面にゆきわたり十分な接着強度がえられるよう、ユニットタイルのたたき押えを十分に行います。

・張り付け後、時期を見計らって、表紙に水湿しをして剥し、速やかにタイルの配列を修正します。

・張り付けモルタルの締まりを見計らって目地部分を掃除します。


マスク張り

タイルの裏面に張り付けモルタルを塗り付ける際に用いるマスクは、タイルをたたき込んだときに、モルタルが十分まわり込むような形状に設計し、その厚みは4mm程度とします。

・ユニットタイルの裏面にマスク板をあて、張り付けモルタルを所定の厚さに塗り付けたのち、壁面にユニットタイルを圧着します。

・他は、前記モザイクタイル張りに準じます。


接着剤張り

・接席剤の1回の塗り付け面積は3 m2以内とします。

・指定のクシ目ゴテを用い、塗厚3mm程度、1.0~1.5kg/ m2程度で、下地面に押さえ付けるように入念に塗り付けます。

・接着剤は、乾燥硬化型を用いる場合はオープンタイムに、反応硬化型を用いる場合は可使時間に留意して圧着します。

・200mm角以上の大きさのタイルを張る場合は、タイルのずれが生じないような接着剤を選定して張り付けます。


・下地調整では、接着剤張りでは十分乾燥せる。他はすべて、必要に応じてタイル張りの前日または当日に水湿しを行います。

 

床タイル張りの工法

一般床タイル張り

・下地を清掃し、設計図書と照合し、基準墨から仕上げ墨出しをします。

・水勾配などの確認をし、目地割りを行って、下地コンクリート面に水打したのち、敷ききモルタルを30~50mmの厚さに木ごてなどで平坦に敷きならし、十分転圧します。

・さらに、金ごてを用いて表面を軽く押えておき、目地割に応じて、縦・横3~4m間隔に基準タイル張りを行います。

・敷きモルタルが未硬化の場合は、張り付け用セメントペーストを敷きモルタルの表面に流し、柄やたたき板などを用いて圧着します。

・敷きモルタルが硬化したのちに張り付ける場合は、タイルの形状に応じ、張り付けモルタルを塗り付け、タイルをハンマーの柄やたたき板を用いて圧着します。

・目地に盛り上ったモルタルは、硬化状態を見計らって取り除きます。


大形床タイル張り

・下地の調整、タイルの割付け、基準タイル張りなどは、上記と同様、目地割に応じて、縦・横3~4m間隔に行います。

・敷きモルタルは、タイル幅の2倍程度とし、モルタル厚さは、仕上げで20~50mmを標準とします。上記に準じて張ります。

・一般部のタイル張りも上記に準じます。


接着剤張り

・下地の調整、基準タイル張りなどは、一般床タイル張りに準じます。

・タイル張りは、壁タイル張りおよび前記に準じます。

 

タイル目地の工法

目地の配置、形状、寸法、割付幅は設計図書によります。

突付け目地としてはなりません。

目地の深さはタイル厚の1/2以内を標準とします。

 

壁タイル張り工法と適用タイル

改良圧着張り

・改良圧着張りは外装タイルに用います。

・使用タイルは小口、二丁掛タイルとします。

・下地とタイル裏面に接着剤をぬります。

改良積上げ張り

・改良積上げ張りは外装タイル、内装タイルに用います。

・外装タイルは小口、二丁掛、三丁掛、四丁掛タイルとします。

・内装タイルは100角~200角タイルとします。

・タイル面に接着剤をぬります。

密着張り

・密着張りは外装タイルに用います。

・使用タイルは小口、二丁掛、100角タイルとします。

・下地面に接着剤をぬります。

モザイクタイル張り

・モザイクタイル張りはモザイクユニットタイルに用います。

・モザイクユニットタイルは25角以下とします。

・下地面に接着剤をぬります。

マスク張り

・マスク張りは内装ユニットタイルとモザイクユニットタイルに用います。

・内装ユニットタイルは100角、108角タイルとします。

・モザイクユニットタイルは50角、50二丁(60×100)タイルとします。

・タイル面に接着剤をぬります。

壁タイル接着剤張

・壁タイル接着剤張は内装タイルと内装ユニットタイルおよびモザイクユニットタイルに用います。

・内装タイルと内装ユニットタイルは100角~150角タイルとします。

・モザイクユニットタイルは各種大きさとします。

・下地面に接着剤をぬります。



四丁掛タイル以上の大きさのタイルを外壁に施工する場合は、引き金物をタイルに設け、
下地と緊結することを原則とします。

 

床タイル張り工法と適応タイルJASS 6

大形床タイル張り

・大形床タイル張りは、200角以上の大形床タイルに用います。

・下地面に接着剤をぬります。

一般床タイル張り

・一般床タイル張りは、100角~200角未満の床タイルと各種の大きさのモザイクユニットタイルに用います。

・下地面に接着剤をぬります。

床タイル接着剤張り

・床タイル接着剤張りは、100角~150角の床タイルと各種の大きさのモザイクユニットに用います。

・下地面に接着剤をぬります。

 

タイルの材質と用途

・外装用タイル

磁器質・せっ器質で、耐凍害性に優れたものを用います。

・内装用タイル

陶器質・磁器質・せっ器質のものを用いる。寒凍地および外部には使用できません。

・床用タイル

磁器質・せっ器質で、原則として無釉薬のものを使用します。釉薬タイルは滑りやすいため。

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張り付け用材料と目地材料

左官材料に準じます。

・接着剤

タイル張り付け用接着剤は、JIS規格適合の陶磁器質タイル用接着剤とします。

・現場調合目地材の細骨材粒子

床タイル・二丁掛タイル・小口平タイルでは、1.2mm以下

モザイクタイルでは、0.6mm以下

内装タイルでは、0.3mm以下

・シーリング材

壁目地用シーリング材は建築用シーリング材とします。

床目地用シーリング材は建築用シーリング材・石油アスファルトとします。

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工事計画

・工事計画にあたり、タイルの種類、品質、下地の種類、伸縮調整目地・亀裂誘発目地の配置、タイル張りの工法、設備機器との取り合いなど設計図書の点検を行います。

・施工者は、必要に応じ、施工計画書を作成します。

・施工業者は、必要に応じ、施工要領書を作成し、また、設計図書に基づいて施工図を作成します。

・適正に工事を行うため管理組織を作る。品質管理は自主管理を原則とします。品質を確保するため、必要に応じ、作業標準や検査標準を作成します。

 

施工順序

見本品・見本焼提示―タイル検査―見本張り―試験張り―材料搬入・保管―準備―仮設―下地検査―下地調整―タイル張り付け―基準タイル張り―タイル張り―目地詰め―清掃・後片付け―検査

下地モルタル

・下地モルタルは、左官工事に準じ、下地面の仕上げは接着剤張りの場合を除き、木ごて押さえとします。

表面精度は、仕上げ厚8mm未満で、±2mm、8mm以上で±3mmとします。

・モルタル下地の伸縮調整目地は、タイル面やコンクリート躯体の亀裂誘発目地と一致するように設けます。

その位置は、各階の打継ぎ箇所や、柱形・開口部寸法に応じた構造上の要所とします。

目地間隔は、縦・横とも3~4mごとに設けます。

伸縮目地に囲まれた面積は10m2以内を標準とします。

・モルタル下地の検査は、浮き・亀裂・硬化・乾燥の程度・汚れの付着・面の精度などについて行います。

・タイル張り壁面および床面の伸縮調整目地・亀裂誘発目地は、下地モルタル面の伸縮調整地・亀裂誘発目地と一致させます。


施工

・壁面へのタイル張りに用いる現場調合モルタルの標準調合は、以下の通りです。

容積比で1:2程度

改良積上げ張りの内装で1:4

モザイクタイル張りで1:0.5~1

マスク張りで1:0.5~1

敷きモルタルで1:3~4

張り付けモルタルはセメントペーストが用いられます。


目地詰め

・目地詰め用目地材を現場調合する場合、添加する防水剤・顔料などは、目地モルタルの硬化を妨げず、変色などの生じないものを用います。

練混ぜした目地モルタルは1時間以内に使用します。

・タイル目地詰めは、張り付け後、少なくとも1日以上経過したのち行います。

必要に応じて、目地部分の水湿し、ゴムごてを用いた塗り目地、または目地ごてを用いた一本目地を行います。

目地材の締まりを見計らって目地ごてを所定の深さにこば切りし、こて押えを行います。

目地幅5mm未満では、こて押えは省略できます。


作業終了時

・毎日の作業終了時には、水洗いにより清掃します。

・モルタルによる汚れが著しい時は、事前に水洗いしてから工業用塩酸30倍溶液を用い酸洗いします。

・酸洗いののちに目地やタイル部分に塩酸が残らないように、ただちに十分な水洗いをします。また、排水は、条令を満たすようにします。


施工後

施工後は以下の検査を行います。

・外観検査

不陸・割れ・かけ・目地引通しなど。

・接着度検査

硬化を見計らって、全面にわたりテストハンマーによる打診検査を行います。

・接着力試験

接着力試験機による引張接着強度の測定を行ないます。

試験体数は3個以上かつ200m2につき1個以上とし、結果の判定は、引張接着強度が4kgf/cm以上の場合を合格とします。

 

用語

・検品

タイル製造工場で、関係者立会いの上、製造したタイルが注文条件などを満たしているか否か判断します。

・荷口見本

製造業者が製品納入に先立って、係員に提出する見本。係員はこれによって納入の可否を判断します。

・既製調合モルタル

セメント・骨材・混和材料を工場で計算・混合して封袋に入れた製品。タイル張り付け用モルタルと目地用モルタルがあります。

・改良圧着張り

張り付け用モルタルを下地面に塗り、モルタルが軟らかいうちにタイル裏面に同じモルタルを塗ってタイルを張り付ける工法。

・改良積上張り

張り付け用モルタルをタイル裏面に所定の厚さに塗り、タイルを張り付ける工法。

・密着張り

張り付け用モルタルを下地面に塗り、モルタルが軟らかいうちにタイル張り用振動工具を用いてタイルに振動を与え、埋め込むように張り付ける工法。

・モザイクタイル張り

下地面に張り付け用モルタルを塗り、直ちに表紙張りのモザイクユニットタイルをたたき押えして張り付ける工法。

・マスク張り

50mm角以上のユニットタイル裏面にモルタル塗布用のマスクを乗せて張り付け用モルタルを塗り付け、マスクを外してからユニットタイルをたたき押えて張り付ける工法。

・壁タイル接着剤張り

有機質接着剤を下地面に塗り、これにタイルまたはユニットタイルをもみ込み、たたき押えして張る工法。

・一般床タイル張り

下地面に硬練りモルタルを敷き、木ごてなどで締め固めたのち定規ずりを行い、この上にセメントペーストあるいはモルタルを塗って床タイルをたたき押えて張り付ける工法。

・大型床タイル張り

下地面に空練りモルタルまたは硬練りを敷き、水またはセメントペーストを散布しながらタイルをたたき押えて張り付ける工法。

・床タイル接着剤張り

有機質接着剤を下地面に塗り、これにタイルまたはユニットタイルをもみ込み、たたき押えして張る工法。

・目地割り

目地(タイルなどの継ぎ目)の位置・形状を図面に書き込んだり、下地面にしるしを付けること。すなわち、タイルの張り付け位置をしるすこと。

・伸縮調整目地

温度変化や水分変化あるいは外力などによって、建物や建物各部に生ずる変形の影響を少なくするために設ける目地。

・引き金物

タイルが剥離した場合、落下を防止するためにタイル張りではなましステンレス線を用います。

・突付け目地

タイルとタイルが接した形で形成される目地。

・打診検査

タイル表面を硬質のハンマーを用いてたたいたときの音質から浮き剥離を検知する検査法。

 

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