05_31石工事

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石工事

石材を使用して施工する工事全般を総称して石工事といいます。

石材を積み上げて壁や構造物を構築する組積工事と、他の構造体の壁や床に緊結金物などを使って石材を張ったり敷き込んだりする張り石工事・敷石工事があります。

石材の代りにテラゾー、擬石などもよく用いられます。

目次

組積工事

石材

・石材の種類は、図面によります。

・材料試験には、圧縮試験と吸水試験があります。

圧縮試験は100×100×200mmの試験片を用いて行います。

吸水試験は50×50×50mmの試験片を用いて、JIS規定の空洞コンクリートブロックの試験法に準じて行います。

・構造体には圧縮強度50kg/cm2以上、吸水率30%以上の石材を使用します。

金物

・石工事には石材の形状に応じて十分強固な金物を使用します。

石材1個につき2個以上の金物を使用します。

金物の種類(引金物、だぼ、かすがい)

・引金物は丸鋼6φの両端曲げ込みとします。

・だぼは丸鋼9φまたはD10とし、長さは100mmとします。

・かすがいは丸鋼9φ又はD10とし、働きは150mmとします。

モルタル

・セメント、砂は鉄筋コンクリート工事、左官工事に準じます。

・モルタルの調合は、石の種類やモルタルの使用箇所によって以下のように調節します。

・堅石

堅石の組積用モルタルは、セメント1:砂3とします。

堅石の化粧目地用モルタルは、セメント1:砂0.5とします。

堅石の充填用モルタルはセメント1:砂3とします。

・軟石

軟石の組積用モルタルは、セメント1:砂3とします。

軟石の化粧目地用モルタルは、セメント1:砂1とします。

軟石の充填用モルタルは、セメント1:砂3とします。

・目地幅は堅石、軟石いずれについても6~13mmとし1mm程度の沈み目地とします。

仕上げの種類

・形状、寸法は石割図、取付工作図に従って加工します。

・仕上げの種類には、こぶ出し、のみ切り、びしゃんたたき、小たたき、みがきがあります。

軟石については上記の仕上げに加え、げんのうこずき、削り、つっつき、のこひき目などがあります。

・石材の合端・のみ込みについて、幅20mm以上地中に入り込む部分は、50mm程度を見えがかりと同じ仕上げとします。積込用埋込金物の穴と道切りは、すえ付け前に加工しておきます。

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石積施工

清掃

下地面を清掃し、合端を湿らせ、水糸を引通し、基準となる位置から積み始めます。

仮すえ

墨出しに合わせて水平、鉛直を確かめながら、石の下に木くさびを飼い、仮すえします。

さらに、所定の留め金物を取付けて、全体の引通しをみて仮すえします。

本すえ

・下端の石に全面、敷モルタルをした後、隣接石との間に目地厚のくさび(鉛製)を飼い、目地引通しよくすえ付けます。

硬石で木くさびを用いる場合は、モルタル硬化後に木くさびを除去し、モルタルを詰めておきます。

・だぼ・かすがいなどの金物は、かぶり厚さは2cm以上とし、モルタルで完全に覆うようにします。

・1日あたりの標準的な組積高さは1m以内です。

上段の石は下段の石の目地モルタルが硬化した後に積んでいきます。また、上段のすえ付けの際に、下段の石に衝撃を与えないように気をつけます。

・つぎとろを行う場合は、合端を十分湿らせ、目地に着色の恐れのない布片を詰め、つぎとろに隙間が生じないようにします。

・1日の積み終り筒所は段逃げとします。

目地

目地は、空洞ができないようにモルタルを十分押し込みます。

化粧目地は水洗いした後で、化粧目地用モルタルで平滑に仕上げます。

養生

各段の石すえ終了ごとに濃いふのりに溶かしたご粉を塗布するか、ハトロン紙をふのりで貼付けて養生する。あるいは、板類で養生します。

水洗い

・清水でモルタルなどを除去します。

・塩酸の類は使用しません。

 

張り石工事

用語

・湿式工法

取付け金物で固定し、石と躯体の間に裏込めモルタルを完全に充填する工法。

・乾式工法

取付け金物とだぼを用いて石と躯体を連結し、石と躯体の間には裏込めモルタルを充填しない工法。

・帯とろ工法

水平方向に帯状に石と躯体の間に裏込めモルタルを充填する工法。

・裏込めモルタル

張り石と躯体との間に充填するセメントモルタル。

・取付け用ペースト

取付け金物を固定するために用いる超速硬セメントペースト。

・張付け用ペースト

敷石を張付けるために用いるセメントペースト。

・道切り

かすがいや引き金物を納めるために、合端に掘る溝。

・切りはだ

切断機(ダイヤモンドカッタなど)で切断したままのこばの状態。

・ひきはだ

切断機(大のこなど)でひいたままの状態。

・すりはだ

こばすり機ですり落としたままの状態。

・打ちはだ

テラゾーブロックまたは擬石において脱型したままのこばの状態。

・メカニカルアンカーボルト

既存コンクリートにせん孔してアンカーボルト定着部を打ち込み、その先端部を押し広げることによって定着部と孔壁とを機械的に圧着させ、引抜き力およびせん断力に抵抗させる方式のアンカーボルト。


石材の種類

花こう岩、大理石、テラゾー、擬石などがあります。

 

花こう岩の石張り

石材の品質と仕上げ方法

・品質はJIS規格の1等品とします。

・石の合端の見えがくれ部はひきはだにします。

のみ込部は、15mm以上は見えがかり部と同程度の仕上げとします。

金物用の穴あけ、道切りはすえ付け前に加工しておきます。

金物

・湿式工法の引金物、だぼ、かすがいはステンレス製または黄銅製とする。ただし、外部、水がかり部には黄銅製の金物を使用しません。

・ステンレス製金物の寸法

石厚40mm未満は径3.2mm長さ40mm

石厚40mm以上は径4mm長さ50mm

・黄銅製金物の寸法

石厚40mm未満は径3.5mm長さ40mm

石厚40mm以上は径4.2mm長さ50mm

セメントモルタルの調合

・裏込めモルタル

セメント1:砂3

・敷モルタル

セメント1:砂4

・張付け用ペースト

セメント1:砂0

・目地モルタル

セメント1:砂0.5

(ただし、混和材料を使用する場合は、製造業者の仕様によります。)

セメントモルタルの目地幅

屋外の壁、床は6~12mmとします。

屋内の壁、床は0~6mmとします。

花こう岩の取付け工法

・外壁下地面と石裏の裏込めモルタルしろは4cmとします。

・石材取付けの際には、引金物等の位置、数、コンクリート面の処置、支持枠の状態を確認し、適宜補修をしておきます。

・下地清掃後、最下部の石にくさびを飼って、水平、垂直を正確にします。そのうえで、硬練りセメントモルタルを充填し、かすがい、引き金物で留め付け、裏込めモルタルを充填します。

・上段の石を取付けるときに、下段の石に衝撃を与えないように、上段の石と下段の石の間に板状の鉛などをはさみ込みます。また、目地合端には引き金物やだぼを、出すみ部にはかすがいを用いて固定し、裏込めモルタルを充填しておきます。

・裏込めモルタルは石裏全面および目地裏までよく行きわたるように、石上端より3~4cm程度下がった位置まで、数回に分けて充填します。

・裏込めモルタルの硬化程度を見計って、目地の発泡プラスチック材の除去、目地さらえ、化粧面の清掃を行います。

・伸縮目地の部位には、石材、裏込めモルタル等と絶縁できるよう、発泡プラスチック材をあらかじめ充填しておきます。

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大理石

・形状、寸法は図面によります。

仕上げの種類、加工

床は水みがき、壁面その他は本みがきとします。

大理石のみがき仕上げの種類

・粗磨き、荒ずり仕上げ

#100~#300のカーボランダムと石で磨いた状態

同程度の仕上げのダイヤモンドと石で磨いた状態

・水磨き

#400~#800のカーボランダムと石で磨いた状態

同程度の仕上げのダイヤモンドと石で磨いた状態

・本磨き

#800~#1500のカーボランダムと石で磨き、さらにつや出し粉を用い、パフで仕上げた状態

同程度の仕上げのダイヤモンドと石で磨き、さらにつや出し粉を用い、パフで仕上げた状態

・目地合端は、原則として糸面をつけます。

・加工は機械加工によります。

大理石の取付け工法

・蛇腹、アーチ型、まぐさ、床上2m以上の壁面で、はげ落ちる恐れのある部分の下地ごしらえの場合、まず径6mmの鉄線を2条壁面に直角に工作図にしたがって埋込み、さらにこれに径9mmの丸鋼を縦目地または横目地に合わせ結びつけます。

・下地面と石裏とのあきは、3cmを標準とします。

・幅木は下端にくさびを飼って、上部荷重に耐えるよう強固に金物で下地に緊結します。

また、裏側には石高まで、つぎとろをし、堅固に取付けます。なお、幅木のない場合は最下部石が同様の施工となります。

・板石の取付け

石の大きさに応じ2~4本の引金物を横目地に入れ、下地とのつなぎを取ります。

さらに、石裏で横合端の上下にわたり幅約10cmのモルタルを充たし固定します。

縦合端は、だぼ、引金物などを用いて留付けます。

・雨がかり部分のだぼの固定には石膏を用いないようにします。

・石裏のかためは、外部回りは全とろ、内部回りはからとろで行うのが普通です。

・セメントモルタルにじかに接する部分にはアスファルトを塗り養生します。

・大板の場合は、圧力や衝撃で破損しないように、床上1.8m程度まで石裏のところどころに、当てとろを塗付けます。

・目地はねむり目地とします。

・取付完了部分はそのつど、上質模造紙か淡色のハトロン紙をのりで袋張りして養生します。その後さらに、木枠で壁面の破損を防止します。

・清掃の際は、なるべく水を使用せずに、乾いた布片でふきとって、ワックスでたんぽ仕上げをします。

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テラゾー

大理石の種石を混入してつくられる人工大理石です。

仕上げ、加工工程とも大理石と同様です。

テラゾーの製法

・セメント:粗砂=1:3(容積比)の堅練りモルタルを使用します。

所定の大きさの型枠内に下地厚さ(20~25mm)の1/2に塗り込み叩き締めます。

3.4mm鉄線を縦横約200mm間隔に敷き込みます。

さらに1/2のモルタルを塗り叩き締めて下地を作ります。

このとき引金物をあらかじめ取付けておきます。

・すぐさま下地上に厚さ10~15mmに、白セメントと顔料と12mm以下の大理石粒を容積比で1:2.5~2.7で混ぜ合わせたものを堅練りにして塗ります。

石粒が密着するよう叩き締め表面を平坦にならします。

・上塗の練合わせは機械練りとします。

・練り置きと新規の上塗材を混用しないようにします。

・成型後は、急激な表面乾燥を防ぎます。

硬化後、型枠をはずし、さらに5日間以上水中で養生します。

養生終了後、日光の直射を避け、十分乾燥させてから仕上げをします。

・仕上げは大理石と同様です。

テラゾーの取付け工法

・テラゾーの取付けは大理石に準じます。

合端の欠き取りは行いません。

・裏込めモルタルは、高さ2mまで数回に分けて詰め込みます。

ただし、雨がかりの部分では、高さに関係なく全面について裏込めします。

・目地、養生などは大理石と同様です。

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擬石

大理石以外の種石を用いて、テラゾーに準じて製作したもの。

下地の厚さはテラゾーより厚めの約35mm。


擬石の取付け工法

・石厚は45mmを標準とします。

・下地面を清掃し、湿潤を計ってから大理石の取付け工法および養生に準じて施工します。


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その他の一般張り石

仕上げの種類と加工工程は組積工事および花こう岩の場合と同様です。


一般張り石の取付け工法

・石厚は100~120mmを標準とします。

下地に取付ける金物の寸法および使用数量は石の大きさ、重量に応じて決めます。

・縦だぼ

すえ付け前に石材下面にモルタルで植え込んでおきます。

緊結工法は大理石の取付け工法と同様です。

・下地

清掃し、湿潤にします。

・根石

水平、鉛直に位置正しくすえつけます。

所定の留め金物と引金物で構造主体か下地鉄筋へ緊結します。

・据付

相互に目地厚のくさびを飼い、だぼ、かすがいで留め目地引通しよく順次取付けます。

・目地

布片を飼い石高の1/3内外まで、つぎとろし硬化の程度を見計らい順次取除きます。

・つぎとろ

敷とろの硬化後、石の大きさに応じ2~3回に分けて行います。

・壁石の張付け

根石のつぎとろが硬化してから、根石の上端に養生用の木片を敷込み、仮飼いをします。

その上に静かに石をすえ、鉛の飼物を目地厚より少し大きめに打ち固めさし込みます。

仮飼いの板をはずし、石上端に厚手の木片を当てて、つちで打ちながら所定の目地厚とします。

張付けの際には、根石を動かさないよう注意します。

・つなぎ金物の取付けは、組積工事、張り石工事と同様です。

・なお、鉄兵石、特殊加工、その他の張り石の工法も一般張り石に準じて行います。

 

その他の工事(敷石、階段石、間知石、玉石)

材料

図面によります。


仕上げの種類と加工工程

石の種類に応じ、組積工事、張り石工事に準じます。


金物およびモルタル

金物は石の種類に従い、組積工事、張り石工事と同様です。

モルタルは容積比で、敷とろはセメント:砂=1:3、目地とろはセメント:砂=1:2とします。

・モルタルの調合(容積比)

大理石

敷とろ……セメント:砂=1:3

目地とろ……なし

テラゾー

敷とろ……セメント:砂=1:3

目地とろ……なし

擬石

敷とろ……セメント:砂=1:3

目地とろ……セメント:砂=1:2

堅石

敷とろ……セメント:砂=1:3

目地とろ……セメント:砂=1:2

軟石

敷とろ……セメント:砂=1:3

目地とろ……セメント:砂=1:2


工法

・敷石、階段石のすえ付け

堅練りモルタルで不陸や目違いがないように目地引通しよくすえ付けます。

目地から十分につぎとろをします。

・注意点

大理石では、セメントは白セメントを用いるか、セメントに接する石の部分にアスファルトを塗るなどの、あく止め処理をします。

・間知石、玉石その他の工法

間知石を積む場合は必ず水抜き穴を設けます。

水抜き穴は出来るだけ下部に多く設けます。

 

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