05_30防水工事

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防水工事

建築物の屋根、ベランダ、地下室、浴室、便所など水をよく使用する部屋の床や壁の防水・防湿のための工事を総称して防水工事といいます。

目次

防水工事

種類

防水工事の種類としては、メンブレン防水工事、ステンレスシート防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事などがあります。

 

メンブレン防水工事

アスファルト防水、シート防水、塗膜防水のように、不透水性皮膜を形成することで防水する工事のことを総称してメンブレン防水工事といいます。


各防水層の適用場所

・アスファルト防水層:屋根、開放廊下・ベランダ、室内

・シート防水層:屋根、開放廊下・ベランダ、地下外壁、室内、水槽

・塗膜防水層:屋根、開放廊下・ベランダ、外壁、地下外壁、室内


下地の種類と適用場所

・現場打ち鉄筋コンクリート:屋根、外壁、開放廊下・ベランダ、地下外壁、室内、水槽

・プレキャストコンクリート:屋根、外壁、開放廊下・ベランダ、室内

・ALCパネル:屋根、外壁


下地の状態

下地の状態は次の条件を満たしている必要があります。

・十分に乾燥していること。

・平坦で、反りなどの欠陥がないこと。

・接着の妨げとなる汚れ、さびなどがないこと。

・屋根スラブ、室内の床などは、適応勾配になっていること。

・立上り上端部や軒先部の水切りが良好なこと。

・アスファルト防水工法の場合、入り隅は三角形か丸形の隅切り、出隅は面取りとなっていること。

・シート防水工法と塗膜防水工法の場合、入り隅は直角、出隅は面取りとなっていること。

・ドレンの排水落し口は防水層の種類に適したもので、欠損がなく、水はけが良いこと。

・貫通パイプ、衛生器具、取り付け金具が堅固に取り付けてあり、欠損のないこと。

・突出物と下地の取り合いが滑らかなこと。


材料機器類の保管・取扱い

・使用材料の搬入時に、種類・搬入量・製造業者名・製造年月日・有効期間・試験成績表を明示します。

・消防法・労働安全衛生法の規制に従って安全を確保します。

・成形された材料断熱材は雨露や直射日光のあたらない場所に保管します。運搬時には、損傷を与えないよう注意します。

・液状の材料は雨露や直射日光のあたらない場所に密封状態で保管します。

・溶剤系材料を保管する際は、十分に換気を行います。

・エマルション系材料を保管する際は、凍結しないように注意します。


施工要領書

施工者は工事概要、施工管理体制、防水層の種類、材料、工法、工程表、納まり、養生方法、安全管理などを記載した施工要領書を作成します。


工程管理・作業環境

以下の点に注意して、他の工事との関連に留意しながら工事を進めます。

・降雨、降雪時や、濡れた下地が未乾燥の場合は施工してはいけません。

・気温が著しく低い場合には施工してはいけません。

・強風および高温、高湿のときは、十分に注意して施工します。

・十分な換気・照明設備を設けます。

・壁面施工の場合には、適切な足場を設けます。なお、架払いの際には、防水層を損傷しないように注意します。

・施工用の装置、機器の整理整頓を心がけます。

・近隣や施工箇所の周辺を汚さないように、養生を行います。


下地の確認

施工に先立ち、下地の乾燥状態と表面状態を点検して、施工上支障のないことを確認します。


施工

メンブレン工事の施工は防水層の種類ごとに別項で説明します。(→アスファルト防水工事、シート防水工事、塗膜防水工事)


施工後の防水層及び保護・仕上層の検査

施工後、施工要領書の通りに施工されているかを確認します。とりわけ以下の項目について検査します。

・防水層末端部の処理

・ドレン、パイプ等突出物、衛生陶器の張り仕舞の処理

・過度の膨れピンホールの有無

・ルーフィング類の継ぎ目のはがれの有無

・防水層の損傷破裂の有無

・保護、仕上げの色むら、塗り斑の有無


損傷防止

以下のような作業を行う場合は、防水層を損傷しないように注意します。

・火花の散るおそれのある溶接、溶断やグランダー掛け作業

・コンクリート圧送管、ねこ車などの運搬車、足場脚立などを使用する作業

・設備配管、器具の取付け作業やタイル張りなどの墨出し作業

・仮設材料、資機材類の運搬、取付けや撤去作業

・防水層の保護仕上げ作業

 

アスファルト防水工事

アスファルト防水層の種類

・歩行保護用防水層

・砂利まき用防水層

・砂付ストレッチルーフィング防水層

・ALCパネル用防水層

・断熱材付防水層

・室内用防水層


アスファルト防水用材料

・アスファルトプライマー

はけで支障なく塗布できるものを使用します。

乾燥時間は8時間以内、加熱残分は35%以上、比重は1%未満とします。

・アスファルトルーフコーチング

支障なくへら塗りできるものを使用します。

容器の中では塊や沈殿がなく均質であること、塗膜の状態では穴あき、はがれがないことを確認します。加熱残分は、70%以上とします。

・アスファルト

石油アスファルトの防水工事用3種(温暖地用)または4種(寒冷地用)を使用します。

・アスファルトルーフィング類

JIS適合品のアスファルトルーフィング、網状アスファルトルーフィング、ストレッチルーフィング、穴あきアスファルトルーフィングを使用します。

・断熱材

硬質ウレタンフォーム保温材の保温板1種3号適合品(圧縮強さは1.5kg/cm2程度)を使用します。両面にアスファルトとなじみのよい面材が複合された耐久性のよい品を用います。

・絶縁用テープ

JISの1種適合品の紙粘着テープを使用します。

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アスファルト防水の施工

プライマーの塗布

下地を十分に清掃した後、プライマーをはけで均一に塗布し、乾燥させます。


アスファルトの溶融及び取扱い

・アスファルトの溶融温度は、その軟化点に170℃を加えた温度を上限とします。

・溶融したアスファルトに引火しないように十分注意します。また、あらかじめ消火器材を溶融がまの近くに用意しておきます。

・アスファルトの溶融がまは、できるだけ施工箇所の近くに設けます。

・溶融がまの熱が周辺に悪影響を及ぼさないように注意します。

・溶融したアスファルトを取扱う際には、作業員の安全を確保し、建物を汚さないように十分に配慮します。


ルーフィング類の張付け

・ルーフィングの張付けは、原則的に流し張りで行います。重ね部からはみ出す程度のアスファルトを均等に流しながらルーフィングを平坦かつ均一に押し広げて密着させます。

ルーフィングの重ね幅は、長手・幅方向とも100mm程度とします。

出隅・入り隅には、表層のアスファルトのはけ塗りの前に、幅300mm程度のストレッチルーフィングを均等に振り分けて、増し張りを行います。なお、アスファルトの使用量は1.5kg/m2とします。

・穴あきアスファルトルーフィングは、長手・幅方向とも70mm程度の重ね幅をとって敷き並べます。

穴あきアスファルトルーフィングは、スラブ面において増し張りルーフィングに100mm程度張り掛けて止めます。

・ルーフィングは水勾配に逆らわないように重ねます。その際、上下層の重ね部が同一箇所にならないようにします。

・砂付ストレッチルーフィングの重ね部からはみ出たアスファルトは、線状にはけでならします。

・立上り部や立下り部へのルーフィングの張付けは、巻上げ張りとするか、アスファルトをはけで塗りながら圧着して施工します。防水層末端の各ルーフィングの位置は、同じ高さとし、耐久性のある金物で押さえ、アスファルトルーフコーチングで処理します。

なお、防水層の立上り高さが低い場合には、金物を網状ルーフィングに置き換えることもできます。

・表層のアスファルトのはけ塗は入念に行い、均一なアスファルト皮膜をつくるようにします。


断熱材の張付け

断熱材を張付ける場合は、砂付ストレッチルーフィングのアスファルトを塗りながら、順次すき間なく張付けます。


特殊部位の納まり

・ドレンまわり

一般スラブ面のルーフィング類を張付ける前に、幅200mm程度のストレッチルーフィングをドレンのつばとスラブ面に張掛けるように張付けておきます。そのあとで一般スラブ面にルーフィングを張付け、最後に、幅200mm程度の網状アスファルトルーフィングをドレンのつばと防水層に張り掛けるように張付けます。

砂付ストレッチルーフィング仕上げの場合は、その直下のルーフィングの張付けが終わったら、網状アスファルトルーフィングを施します。

穴あきアスファルトルーフィングや断熱材は、ストレッチルーフィングの100mm程度手前でとめます。

・突出物のまわり

パイプなど突出物のまわりは、一般スラブ面のルーフィング類を張付ける前に、網状アスファルトルーフィングをパイプからスラブ面に100mm程度はわせるように張付けておきます。さらに、その上からストレッチルーフィングをパイプからスラブ面に200mm程度はわせるように張付けてから、一般スラブ面のルーフィング類をスラブ面に張り重ねていきます。

次に、ストレッチルーフィングをパイプからスラブ面の防水層に200mm程度重ねて張り付けた後、防水層の末端部に幅70mm程度の網状アスファルトルーフィングを張り付け、耐久性のある金属で締め付け、アスファルトルーフコーチングを塗布します。

ただし、砂付ストレッチルーフィング仕上げの場含は、パイプ側の砂付ストレッチルーフィングを張り付けた後で、スラブ面の砂付ストレッチルーフィングを張ります。

なお、パイプに張り付ける各層のルーフィング類は、所要の高さまで張り上げます。

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シート防水工事

シート防水層の種類

・加硫ゴムルーフィング防水層

・塩化ビニル樹脂ルーフィング防水層

・非加硫ゴムルーフィング防水層

・2枚張り防水層


シート防水用材料

・ルーフィング

JIS適合品の合成高分子ルーフィングを使用します。

・プライマー

支障なくはけ、ゴムべらで塗布することができ、接着剤やルーフィングの品質を低下させないものを使用します。

・接着剤

プライマー、ルーフィング、断熱材の品質を低下させないものを使用します。

・溶着剤

支障なくルーフィングと固定金具を溶着することができ、それらの品質を低下させないものを使用します。

・シール用材料

長期間水密性を保持し品質を低下させないものを使用します。

・定形材料

張付け作業に支障のないものを使用します。

・不定形材料

ガン、へらによる作業に支障のないものを使用します。

・固定金具

発泡ポリエチレンシートに用いる金具は、厚さ1mm以上の塩化ビニル樹脂積層鋼板を加工したものを使用します。また、防水層の品質を低下させないものとします。

ビスなどもさびにくいものを用います。

・断熱材

ゴムルーフィング類には架橋形ポリエチレンフォームを使用します。

塩化ビニル樹脂ルーフィングと押え層の間にはポリスチレンフォーム保温材B類3種適合品を用います。

・絶縁用テープ

JIS 1種適合品の紙粘着テープを使用します。

非加硫ゴム系テープは、厚さ1.5mm、幅70mm程度のものを用います。

・仕上塗料

吹付け塗布に支障がなく、接着性、耐候性、耐久性がよいものを使用します。

・発泡ポリエチレンシート

敷並べと張付けに支障がなく、防水層の品質を低下させないものを使用します。

厚さは2mm以上とします。ただし、補強材を積層したものは厚さ1mm以上とします。

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シート防水の施工

プライマーの塗布

プライマーは、はけ・ゴムべらなどで均一に塗布し、むらなく浸透させます。


ALCパネルの短辺接合部の処理

プライマーを塗布した後、絶縁用テープをALCパネルの短辺接合部に均等に振り分けて張り付けます。


ルーフィングの張付け

・まず、防水材製造業者の指定に従って接渚剤を塗布します。つづいて、適切な施工時間内に、空気のだき込みなどがないようにルーフィングを張り付けます。仕上げに、入念にローラ転圧して下地に密着させます。

塩化ビニル樹脂ルーフィングを機械的に固定する場合は、発泡ポリエチレンシートを敷き並べた後、防水材製造業者の指定に従って、下地に固定金具を用いて固定します。

・一般部のルーフィングの重合せ部は、水勾配に逆らわないように接合します。

ルーフィング相互の重ね合せ幅は、加硫ゴム系100mm、非加硫ゴム系70mm、塩化ビニル樹脂系30mmを標準とします。

・ルーフィング相互の3枚重ね部は、内部段差部と外部段差部に不定形シーリング材を用いることによって、水の浸透を防ぎます。ただし、塩化ビニル樹脂ルーフィングを使用する場合は行いません。

・2枚張り防水層の場合は、上層ルーフィングの接合部と下層ルーフィングの接合部が、同一箇所に重ならないようにします。

・立上り、立下り部の防水層の末端部は、押え金物を用いて固定します。

立上り部の防水層の末端部は、シール用材料で処理します。


断熱材の張付け

・断熱材を張り付ける場合は、断熱材用の接着剤を用いて、隙間なく空気のだき込みがないように張り付け、入念にローラ転圧して下地に接着させます。

・塩化ビニル樹脂ルーフィングを機械的に固定する際に、断熱材を組み込む場合は、隙間なく断熱材を敷き込んで、固定金具を併用して止め付けます。


特殊部位の納まり

・ドレンまわり

加硫ゴムルーフィング・非加硫ゴムのルーフィング・2枚張り防水層の場合は、一般スラブ面のルーフィングを張付ける前に、幅200mm程度の増し張りをドレンのつばとスラブ面に張り掛けます。

その後、一般スラブ面のルーフィングを無理なく張り付け、防水層末端部に不定形シーリング材を用いることによって、水の浸透を防ぎます。

塩化ビニル樹脂ルーフィングを使用する場合は、一般スラブ面のルーフィングを接着剤を用いてドレンに張り付け、さらに不定形シーリング材を充填し、防水押え金具を締め付け固定します。

・パイプまわり

加硫ゴムルーフィング・非加硫ゴムのルーフィング・2枚張り防水層の場合は、幅130mm程度のルーフィングをパイプ面に100mm程度、一般スラブ面に30mm程度張り掛け、さらにパイプの外周から100mm程度のルーフィングを増し張りします。

塩化ビニル樹脂ルーフィングを使用する場合は、テープ状材料をスラブ面から100mm程度上がった位置でパイプに張り付け、幅130mm程度のルーフィングをパイプに100mm程度、一般スラブ面に30mm程度張り掛けます。

スラブ面のルーフィングの接合部は融着し、さらにシール用材料でシールします。

防水層の立上り末端部は、耐久性のある金属類で締め付け、不定形シーリング材で水の浸透を防ぎます。

・出入り隅角まわり

出入り隅角は増し張り処理を行います。

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シート
 

塗膜防水工事

塗膜防水層の種類

・ウレタン防水層

・アクリルゴム防水層

・ゴムアスファルト防水層


塗膜防水用材料

・プライマー

はけ、吹付け、ゴムベら塗付に支障のないものを使用します。

・塗膜防水用プライマーの品質

乾燥時間は5時間以内とします。JIS規格の指触感想によって試験します。試験温度は20℃±2℃、加熱残分は20%以上とします。

・ウレタン防水材

ウレタン塗装に用いる屋根防水用塗膜材は、JIS適合品(立上り用は業者指定)とします。

全面接着用のアクリルゴム防水材、および外壁用のアクリルゴム防水材は、固形分重量70-75%のJIS適合品を使用します。

塗装用ゴムアスファルト防水材は、硬化剤として水硬性無機質材料を用いているJIS適合品とします。

・補強材、下張緩衝材、接着剤、ウレタン舗装材、化粧材ポリマーセメントモルタル等はいずれも効果のよいものを使用します。

・絶縁用テープ

紙粘着テープ1種適合品を使用します。

加硫、非加硫ゴム系のテープは、厚さ1mm以上で、幅100mm程度のものとします。

・仕上塗料

はけ又は吹付け塗布に支障がなく、また密着性、耐侯性に優れ、防水層の品質を低下させないものを使用します。

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塗膜
 

塗膜防水の施工

作業のための養生

計量および攪拌・混合を行う場所は、ビニルシートなどを用いて養生します。

塗布箇所以外を汚さないようにポリエチレンフィルムなどで覆って養生します。


防水材の調合・攪拌・混合および希釈

・ウレタン防水層およびゴムアスファルト防水層の接着に用いる反応硬化形の防水材は、主剤と硬化剤を防水材製造業者の指定する割合で計量し、電動攪拌機を使って十分に攪拌・混合します。

・アクリルゴム防水層に用いる防水材は、塗布する前にあらかじめ電動攪拌機などを使って十分に攪拌し、均一な状態にしておきます。

・防水材を希釈する必要がある場合は、防水材製造業者の指定する方法によって希釈します。

・地下外壁用のゴムアスファルト防水層に用いる防水材では、ゴムアスファルトエマルションと凝固剤の比率が防水材製造業者の指定する割合になるように、あらかじめ多頭式のスプレーガンを調整しておきます。


プライマーの塗布

プライマーは、はけ・ゴムベら・吹付け器具などを使用して、均一に塗布します。


接合部・打継ぎ部・目地部の処置

プレキャストコンクリート部材やALCパネルの接合部、および現場打ち鉄筋コンクリート下地の打継ぎ部をあらかじめ処理します。


補強材の張付け

・補強材を張付ける際は、立上り部・出隅・入り隅・ドレンまわり及び突出部まわりから着手します。

・補強材は下地によくなじませ、耳立ち・しわなどが生じないように、防水材か接着剤で張り付けます。

・補強材の重ね幅は、50mm程度とします。


下張り緩衝材の張付け

・下張り緩衝材は下地によくなじませ、耳立ち・しわなどが生じないように、防水材か接着剤で張り付けます。

・下張り緩衝材の継ぎ目は、防水材製造業者の指定する方法に従って処理します。

・下張り緩衝材と補強材との取合い部は、防水材製造業者の指定する方法で処理します。


防水材の塗布

・防水材はピンホールが生じないように、はけ・ゴムベら・吹付け器具などで均一に塗布します。

・補強材の上に塗布する場合は、隈なく浸透するように注意します。

・防水材の塗重ねは、原則として前工程の塗り方向に直交して行います。

・塗重ねをする際の時間間隔は、下記を標準とします。

また、塗継ぎについては、下記の最長時間を超えないようにします。

              春・秋       夏        冬

ウレタン防水層     10時間~3日    5時間~2日   15時間~5日

アクリルゴム防水層   12時間~7日    8時間~7日   24時間~7日

ゴムアスファルト防水層           10時間~3日



・地下外壁用のゴムアスファルト防水層の施工において、防水材の地下外壁への吹付けは、原則として下から上へと行います。

また、凝固剤によってゴムアスファルトエマルションから分離された水は、速やかに排除するようにします。

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ステンレスシート防水工事

ステンレスシート防水工事とは、ステンレスシートのすべての継ぎ目をシーム溶接によって連続溶接し、防水層を形成する防水工事です。

防水層の種別

ステンレスシート防水工事に用いる防水層には、ステンレスの種類、表面仕上げ、成型材の幅によって、M-304DW、M-304DS、M-304TS、M-316DW、M-316DS、M-316TSの6種類があります。

ここで、上記の種別における記号の意味は以下の通りです。

・ M:テンレスシート防水であることを意味しています

・ 304:ステンレスの材質がSUS304であることを意味しています

・ 316:ステンレスの材質がSUS316であることを意味しています

・ D:ステンレスシートの表面が2D仕上げであることを意味しています

・ T:ステンレスシートに表面処理が施してあることを意味しています

・ W:成形材がステンレスシートの全幅(860~960mm幅)を加工したものであることを意味しています

・ S:成形材がステンレスシートの半幅(400~460mm幅)を加工したものであることを意味しています


防水層の適用区分

それぞれの部位には、以下の防水層が適しています。

・ 屋根ベランダ露出一般:M-304DS、M-304TS、M-316DS、M-316TS

・ 屋根ベランダ露出海岸:M-304TS、M-316DS、M-316TS

・ 屋根ベランダ非露出:M-304DW、M-316DW

・ 庭園:M-316DW

・ 壁:M-304DS、M-304TS、M-316DS

・ 床:M-304DS、M-316DS

・ 開放水槽:M-304DS、M-316DS

・ プール:M-304DS、M-316DS


下地

下地の種類と、その適当な適用範部位を以下に示します。

・ 現場打ち鉄筋コンクリート:屋根、ベランダ、ひさし、壁、床、水槽類

・ プレキャスト鉄筋コンクリート:屋根、ベランダ。ひさし、壁、床、水槽類

・ 木質構造:屋根、ベランダ、ひさし、壁、床

・ 鋼構造フレーム:屋根、ベランダ、ひさし、壁、床

・ デッキプレート:屋根、ベランダ、ひさし、床

下地については、以下の点に注意します。

・ 現場打ち鉄筋コンクリートとプレキャスト鉄筋コンクリートは、平坦で目違いや突起物がなく、浮きや脆弱部等のつり子の保持耐力に影響する欠陥がないようにします。

・ 木質構造または鋼構造フレームを、屋根、ベランダ、ひさしに用いるときは、自走式シーム溶接機が走行できるような強さにし、つり子も保持力を確保します。つり子を母屋やたる木に固定する場合は、その間隔がつり子の配置に適していることを確認します。また、野地板は作業員の歩行が可能なものにします。

・ デッキプレートは、厚さ1.2~3.2mmのものを用い、目違いなく主体構造に固定します。


材料

ステンレスシート防水工事に用いる材料は、以下の点に注意します。

・ ステンレスシートは、JIS G規格に準ずるSUS 304かSUS316で、板厚は0.4㎜で、2D仕上げ(D)か表面処理(T)を施したものを用います。

・ つり子は、材質がSUS304かSUS316のものを用います。また、固定金物は材質がSUS304のものを、タッビングビス、セルフドリリングビス類は材質がSUS410のものを、それぞれ用います。

・ 下ぶきには、22kg品のアスファルトルーフィングか、4mm厚の軟質発泡ポリエチレンシートを用います。


施工法

施工者は施工要領書を作成し、係員の承認を受けてから作業します。

ただし、雨や雪で溶接が出来ないとき、強風で防水層が飛散するときなどは作業してはいけません。

施工に用いる機械工具は、以下のようなJASSの規定に従います。

・ 自走式シーム溶接機と手動式シーム溶接機の絶縁抵抗値は、稼働時において、電気技術基準に定める0.2MΩを満足しなければなりません。

・ スポット溶接機は、成型材どうしの仮付けや、成型材とつり子の仮付けに十分な性能を備えているものを用います。

・ 成型機は、ステンレスシートを所定の寸法の成型材に正確に成型できるもので、成型ロールが減耗してもあまり鉄粉が発生しないものを用います。

・ 折曲げ機は、送り曲げ成型ができるもので、ポンチやダイスが減耗してもあまり鉄粉が発生しないものを用います。

防水層の施工にあたっては、以下の点に注意します。

・ 割付け図に従ってステンレスシートを切断、成型し、隣り合う成型材の折上げ部を拝み合わせにして所定の位置に敷き込み、つり子と折上げ部をスポット溶接機で仮付けします。このとき、仮付けはシーム溶接を行なう位置よりも上部で行います。

・ スライドつり子の場合は、可動片がスライド範囲の中央にくるようにします。

・ 成型材の拝み合せ部は、防水層の伸縮に耐えられる形状にします。

・ 仮付け溶接が終わると、自走式シーム溶接機で溶接します。成型材の長手方向の端末を異なる方向の成型材と溶接する場合は、端末から約150mの折上げ部を倒し、接続する成型材と平行に折り上げて溶接します。

・ 防水層を成型材の長手方向に直交して折り曲げる場合、溶接済みの析上げ部を300mmほど倒し,半径30~50mmほどの曲面で折り曲げます。

・ 防水層の立上り出入り隅部は、一方のステンレスシートを八千代折りにし、所定の形状に切断成型した他方のシートとシーム溶接して一体化ます。

・ 貫通材のまわりは、その大きさに合わせた役物部材を作り、防水層とシーム溶接して一体化します。

・ ドレンは、防水層とシーム溶接して一体化し、そのまわりの折上げ部を倒します。

・ 防水層の端末部は、水を切り、シーリング材を用いて入念に処理します。


防水層押え

防水層を押えるには、コンクリート押え、ブロック押え、砂利押えの3つの方法があります。

・ コンクリート押えには、砂か砂利を防水層の析上げ高さまで入れ、全面にポリエチレンシートを敷いてからコンクリートを打ちつける方法と、砂と砂利の代わりに¢6mm@100mm程度の溶接金網を用い、ポリエチレンシートは敷かずにコンクリートを打ちつける方法があります。ただし、屋根やベランダには4m以内ごとに伸縮目地を設け、パラペットや塔屋の脇には立上り面から1m以内の適当な位置にも伸縮目地を設けます。伸縮目地の幅は20mm以上とし、深さは押え層の下面に達するまでとします。

・ ブロック押えは、直径5mmほどの豆砂利を防水層の折上げ高さまで入れ、その上にブロックを敷き込んで押えます。

・ 砂利押えは、砂利を80mmほど敷き詰めて押えます。施工にあたり、砂利を屋根面に集積する場合は、まくら木を設けた保護板の上に置いて荷重を分散させます。

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モルタル防水工事

モルタル防水工事は、現場打ち鉄筋コンクリートのひさしや地下といった場所に施す簡易な防水工事です。


防水層の種別

モルタル防水工事に用いる防水層には、A種、B種、C種、D種の4種があります。いずれも、標準的な厚さは15~20mmです。

・ A種は、下塗りと上塗りの2工程からなり、下塗りにポリマーセメントモルタルを、上塗りに防水モルタルを用いる防水層です。

・ B種は、下塗り、中塗り、上塗りの3工程からなり、下塗りにポリマーセメントモルタルを、中塗りと上塗りに防水モルタルを用いる防水層です。

・ C種は、下塗りと上塗りの2工程からなり、下塗りと上塗りの両方にポリマーセメントモルタルを用いる防水層です。

・ D種は、下塗り、中塗り、上塗りの3工程からなり、下塗り、中塗り、上塗りの全てにポリマーセメントモルタルを用いる防水層です。


防水層の適用区分

それぞれの部位には、以下の防水層が適しています。

・ ひさし:A種、B種、C種

・ 地価:B種、C種、D種


下地

下地については、以下の点に注意します。

・ 下地の表面は適度に粗くしておきます。

・ ワイヤーブラシを用いて、下地コンクリート面のレイダンスなどを除去します。

・ 下塗りの前に下地を水で洗い、適度な湿潤状態で下塗りを行います。


材料

モルタル防水工事に用いる主な材料は、防水材とポリマーディスバージョンです。

これらの材料は、以下の点に注意します。

・ 防水剤は、資料によって性能が裏づけされているものを用います。

・ ポリマーディスバージョンはJIS規格に順ずるものを用います。

・ 防水剤、ポリマーディスバージョンのは、品質が変化しないように保管し、安定期間内に使用します。


調合

材料は、以下の分量で調合します。

・ セメントと砂は、下塗りで1:0~1、中塗りで1:2~2.5、上塗りで1:2~3の割合でそれぞれ調合します

・ 防水モルタルを調合するときの水量は、防水材も含めてセメントの60%以下にし、できるだけ水の割合を少なくします。

・ ポリマーセメントモルタルを調合するとき、ポリマーセメントモルタルへのポリマーディスパージョンの混入割合は10%以上にし、水量はセメントの30~60%の範囲でできるだけ少なくします。

また、モルタルは、原則として機械で練り混ぜ、20℃の場合で練り混ぜてから45分以内に使用します。


施工法

防水層の施工にあたっては、以下の点に注意します。

・ ポリマーディスパージョンを混ぜたモルタルかペーストを下塗りし、下地の接着をよくします。

・ 下塗りが乾燥しないうちに、セメント防水剤かポリマーデイスノヾ-ジョンを混ぜたモルタルを10mmほどの厚さに1~2回に分けて塗ります。

・ 塗り継ぎ箇所は、各層段逃げにします。

・ ドレインや配管の周囲は、特に入念に塗付けます。


養生

塗りが終わると、材料の特性と施工箇所に応じた養生を行います。

養生にあたっては、以下の点に注意します。

・ 直射日光や風によって急激に乾燥するおそれがある場合、散水、覆い、養生剤散布などによって乾燥を防ぎます。

・ 凍害のおそれがある場合は、覆いをかけて保温します。

・ 材令の初期には、衝撃や振動を与えないようにします。

・ 資材や什器を運搬するときや、設備配管、器具取り付け、墨出しなどの作業を行うときは、防水層を損傷しないように養生します。


検査

防水層の施工終了後、ひびわれ、浮きはがれ、漏水がないか、外観を見て検査します。

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「防水工事」
防水材料
モルタル
 

シーリング工事

材料

シーリング工事に用いる主な材料は、シーリング材、プライマー、バックアップ材、ボンドブレーカ、マスキングテープ、掃除用溶剤です。

これらの材料は、以下の点に注意します。

・ シーリング材はJIS規格に準ずるものを用います。

・ プライマーはシーリング材製造業者の指定するものを用います。

・ バックアップ材、ボンドブレーカ、マスキングテープ、掃除用溶剤は、係員の承認したものを用います。


施工法

施工計画、工程管理、作業環境などは「メンブレン防水工事」の項を参照してください。

反応硬化2成分形シーリング材の施工は「被着面の確認→被着面の清掃→バックアップ材またはボンドブレーカの装てん→マスキングテープ張り→プライマー塗布→シーリング材の調製、ガンの準備→シーリング材の充てん→へら仕上げ→マスキングテープはがし→清掃」という工程をとります。

上記の各工程においては、以下の点に注意します。

・ 「被着面の確認」の工程では、被着面に欠けや汚染がないか、乾湿の状態はどうか、ということを点検、確認します。

・ 「バックアップ材またはボンドブレーカの装てん」の工程では、バックアップ材またはボンドブレーカの深さが一定になるように装てんします。ボンドブレーカは目地底に一様に張り付けます。

・ 「プライマー塗布」の工程では、プライマーをはけで均一に塗り付けます。

・ 「シーリング材の調製」の工程では、基剤と硬化剤は製造業者が指定したものを用い、気泡や異物が混入しないように注意しながら、均質になるまで機械で練り混ぜます。調整したシーリング材をガンに詰めるときは、気泡が混入しないように注意します。

・ 「シーリング材の充てん」の工程は、プライマーの指定乾燥時間が経過してから直ちに行います。原則として目地の交差部かコーナー部から打ち始め、すきま、打残し、気泡が生じないように充てんします。打継ぎをするときは、交差部とコーナー部を避け、そぎ継ぎにします。

・ 「へら仕上げ」の工程では、充てんしたシーリング材が被着面によく密着するように、へらで押さえて表面を平滑に仕上げます。

・ 「マスキングテープはがし」の工程は、へら仕上げが終わってから直ちに行ないます。

・ 「掃除」の工程は、被着体やシーリング材に影響のない方法で行ないます。

湿気硬化1成分形シーリング材、乾燥硬化1成分形シーりング材なども、上記の反応硬化2成分形シーリング材と同じ工程をとります。

また、油性コーキング材を用いる場合は、「パックアップ材またはボンドブレーカの装てん」の工程が省略されます。


養生

工事が終わると、ほこりが付着したり、傷がついたりしないように養生します。

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シーリング材
 

用語

メンブレン防水工事

・目止め

ALCパネルなどの粗面にポリマーセメントペーストなどをすり込んで、下地面を平たんにすること。

・絶縁用テープ

下地のムーブメントの影響を避けるために下地と防水層の間に使用するテープ。

・プライマー

防水層と下地とをなじみよく密着させる目的で、下地面に最初に塗布する液状の材料。

・溶着剤

防水材の表面を溶かして接着させる液状材料。塩化ビニル樹脂系ルーフィングに使用します。

・ルーフィング

防水層を形成するために用いるシート状の材料。

・流し張り

溶融アスファルトを柄杓(ひしゃく)で下地面に流しながらルーフィングを張り付けること。

・増し張り

下地の隅角(かど)、ドレンまわりなどの要所にルーフィングを張り増して補強すること。

・巻上げ張り

ルーフィングを壁面の下部から上部に向けて流し張りすること。

・目つぶし塗

網状アスファルトルーフィングの目をつぶすために、溶融アスファルトをはけで塗ること。

・補強剤  

屋根防水用塗膜材と併用して防水層を補強する材料。通常、繊維製品が用いられます。

・下張り緩衝材

屋根防水用塗膜材と併用して防水層の下地ムーブメントに対する緩衝効果や通気効果を付与する材料。通常は、繊維製品、発泡プラスチックまたは繊維と発泡プラスチックの複合製品が用いられます。

・凝固剤

ゴムアスファルト系屋根防水用塗膜材と同時にスプレーして、エマルションの凝固を促進する薬剤。

・ウレタン舗装材

ウレタン系塗膜防水層を保護し、歩行に供するよう防水層の上に塗布する材料。通常、ウレタン樹脂が用いられます。

・化粧材

外壁塗膜防水層の上に美観のために使用する材料。通常、模様付け用材料としては防水層と同様の主材が用いられ、その上の色調つや出し用材料としては塗料が用いられます。

・脱気装置

下地面の湿気を排出させる装置。

・養生

養生には、次の2種類があります。

防水施工箇所に近接する周辺、その他の仕上がり面などを汚染しないように適当な措置を講ずること。

防水施工および他業種工事の作業が防水層を損傷しないように適当な措置を講ずること。

・保護緩衝材

地下外壁の防水層表面に取り付け、埋戻し材の衝撃ならびに沈下からの影響を取り除く材料。通常、発泡プラスチックまたは厚手の繊維製品が用いられます。

・出隅

2つの面が出会ってできる凸状の連続線。

・入り隅

2つの面が出会ってできる凹状の連続線。

・出入り隅角

出隅入り隅どうしまたは相互に出会う箇所。


ステンレスシート防水工事

・ステンレスシート 

ステンレス鋼薄板で防水層を構成する主材料。表面処理を施したものもあります。

・成型材

成型機によりステンレスシートの両端を折り上げて溝形に成型した型材。

・成型機

ステンレスシートを溝形に成型加工する機械。

・拝み合せ

一対の部材を合掌する手のような形に合わせること。

・つり子  

防水層を下地に固定するステンレス鋼薄板舌片。下部はファスナーで下地に、上部はシーム溶接で防水層に固定されます。

・スライドつり子

下地に固定される部分と防水層に固定される部分の間に、防水層の温度伸縮を許容するスライド機構をもったつり子。

・シーム溶接

抵抗溶接の一種。一対の円盤状電極の間に溶接部を挿入し、電極を回転することにより行う連続した溶接。

・スポット溶接

抵抗溶接の一種。一対の棒状電極の間に溶接部を挿入して行う局部的な溶接。

・はぜ折り

成型材折上げ部のシーム溶接後、その上端をはぜ折り機または手加工で180°折り曲げること。

・ジョイントキャップ

成型材折上げ部のシーム溶接後その上にかぶせるU字形の成型品。

・Tジョイント

シーム溶接部がT形を構成するジョイント。

・八千代折り

板材にはさみを入れずに折り曲げてコーナー役物を作る方法。


シーリング工事

・1成分形シーリング材

あらかじめ施工に供する状態に調整されているシーリング材。

・2成分形シーリング材

施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材。

・基剤 

2成分形シーリング材のうち主成分を含んでいるもの。

・硬化剤

2成分形シーリング材のうち基剤と混合して硬化させるもの。

・可使時間

2成分形シーリング材を練り混ぜた後、シーリング材の充填とへら仕上げが可能な時間。

・プライマー

被着面とシーリング材との接着性を良好にするために、あらかじめ被着面に塗布する材料。

・バックアップ材

シーリング材の充填深さを所定の寸法に保持するために、目地に装填する成型材料。

・ボンドブレーカー

シーリング材を接着させないために、目地底に張り付けるテープ状材料。

・マスキングテープ

施工中、被着体の汚染防止と目地縁の線を通りよく仕上げるために使用する保護テープ。

 

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