05_24ガラス工事

建築の基礎知識 > 施工知識 > 各種工事 > ガラス工事

ガラス工事

ガラス工事とは、開口部、天井、壁、間仕切り等にガラスを取り付ける工事です。

はめ込み構法、張付け構法などがあります。

目次

ガラスの性能

耐風圧性

・耐風圧性は、風荷重を受けたときのガラスの破壊強さで表示します。

ガラスの破壊強さは破壊時点でガラスが受ける風圧力(=ガラスの両面に作用する全圧
の差)Pにガラスの面積Aを掛けた荷重値Wで表します。

・完成品で四辺支持のはめ込みガラスの耐風圧性能は次の式によります。

Wa=30α(t+t2/4)

ただし、Wa(kgf)はガラスの呼び厚さt (mm)に対する許容荷重値を表します。αはガラスの種類による係数です。倍強度ガラスではα=2.0、網入板ガラスではα=0.5です。


ガラスまわりの止水排水性

・ガラスとはめ込み溝の間のクリアランスの止水性は、ガラス面に形成された流下水膜に対する止水排水特性が損なわれる風圧力の数値で表します。

・はめ込みガラスの性能値は、設計者が指定する止水排水特性を保持することができる風圧力の上限値で表示します。

・完工品の止水排水性は、次の3種類に区分されます。

A種:はめ込み溝内への漏水を許容しないもの(不定形シーリング材構法)

B種:溝内に水が滞留するのを許容しないもの(不定形シーリング材構法・グレイジングガスケット構法)

C種:溝内に水が滞留するのを許容するもの(グレイジングガスケット構法・構造ガスケット構法)


耐震性

・耐震性能は、面内変形を受けたときの破壊に対する抵抗性を、ガラス上辺の枠材と下辺の枠材の水平方向の変位の差の数値で表します。

・ガラスの破壊に対する抵抗性は、主にガラスのエッジとはめ込み溝の底の間のクリアランスによって定まります。

・破片の脱落に対する抵抗性は、主にガラスの種類で定まります。

・はめ込み材の破壊に対する抵抗性は、主にはめ込み溝の側面とガラス面の間のクリアランスによって定まります。

・完工品では、これらの破壊に対するはめ込みガラスの抵抗性をA種~D種に区分して定めています。


耐衝撃性

・耐衝撃性は人体に対するガラスの安全性で示します。

・ガラスの安全性は、45kgのショットバッグを落としてもガラスが割れない、もしくは、割れても重大な傷害を生じない落下高さHの数値で表します。なお、ショットバッグ試験はJISの規定によって行います。


防火性・耐火性

・防火性は屋外の火災からの類焼を防止するための性能を示し、耐火性は屋内における火災の延焼を防止するための性能を示します。

・性能値は、防止特性が満たされなくなるまでの加熱時間で表します。

・防火戸の防火性としては、甲種防火戸で60分、乙種防火戸で20分の加熱に耐えられることが必要です。

・防火戸の試験方法は建築基準法第110条に定められています。


遮音性

遮音性は、ガラス面に入射する騒音がガラスを透過するときの音圧レベルの減少の割合を、JISに規定する試験による「音響透過損失」の数値で示します。


熱割れ防止性

・割れ防止性は、日射熱によるガラスの破壊に対する防止性で示します。

・特性値は、ガラスエッジに発生する熱応力とそれに対する破壊強さの数値で表します。

はめ込み用の実寸法のガラスの供給者は、ガラスエッジの破壊に対する許容応力の値を示すことになっています。

・完工品では、厚さ3~15mmのフロート板ガラスで180kgf/cm2、厚さ15mm、19mmの熱線吸収板ガラスで150kgf/cm2、厚さ6.8mm、10mmの網入、線入板ガラスで100kgf/cm2とします。


断熱性

・断熱性は、ガラスの抵抗性の値に熱伝達抵抗の値を加えて得られる熱貫流抵抗の数値で示します。

・熱伝達抵抗の値はJISの「板ガラスの透過率・反射率・日射熱取得率試験」に示されている室内・室外表面熱伝達係数によって求めます。


日射熱遮蔽性

日射熱遮蔽性は、日射熱除去率の数値で示します。

完工品では、厚さ3~12mmのフロート板ガラスで0.10以上とします。

 

ガラス取付け構法の種別

はめ込み構法

はめ込みガラスは、開口部、天井、壁(ガラスパネル)、間仕切り等に使用します。

ガラス取合い部の材料は、コンクリート、金属、木、プラスチック等です。

構法の種類としては、不定形シーリング材構法、グレイジングガスケット構法、構造ガスケット構法などがあります。


張付け構法

張付けガラスは、壁、柱、天井等に使用します。

ガラス取合い部の材料は、軽鉄下地、ボード下地、木下地、モルタル下地です。

構法の種類としては、ねじ止め構法、金物止め構法、接着構法、金物・接着併用構法があります。


その他

その他の構法としては、ガラススクリーン構法、強化ガラススクリーン構法、強化ガラスドア構法、ガラスフェンス構法、ガラス防煙垂れ壁構法、曲げ板ガラスの構法、ストラクチュラルシーラントグレイジング構法があります。

 

材料・部材・部品

板ガラス材料

・板ガラスの材料はソーダ石炭けい酸ガラスとします。

なお、板ガラスは、普通は定寸品として流通していますが、注文に応じて実寸品も供給されます。

・その他のガラスとしては、鉛ガラス、ほうけい酸ガラス、アルミノけい酸ガラスなどがあります。


支持部材・部品

・はめ込み溝は、押縁止め溝、U字形溝とします。

・取付け用支持材には、ガラススクリーン用金物、強化ガラススクリーン用金物、強化ガラスドア用金物・建具、サッシ用のガラス止付け金物、鏡取付け用金物などがあります。


はめ込み材・取付け材

不定型シーリング材、ガラスパテ、グレイジングガスケット、構造ガスケットなど、規格品を用います。


緩衝固定材・詰め物

はめ込み溝底とガラスの端面の間のエッジクリアランスに入れるセッティングブロックや位置決めブロックにはクロロプレンゴムか塩化ビニール樹脂製を使用します。


完工品の納まり寸法

不定型シーリング材構法における納まり寸法は以下の通り。

・面クリアランスは、板厚10mm以下では5mm、板厚12mm以上では6mmを下限値として算出します。

・エッジクリアランスは、板厚以上とします。底部については排水性を考慮し、7mmとします。

・かかり代は10mm以上、板厚の1.2倍とします。ただし、熱線吸収板ガラス・熱線吸収熱線反射板ガラスでは、1.0倍とします。

※建材を探す → 
「内装工事」
ガラス建材
 

部品の製作

切断

切断精度はJISによります。

長さおよび幅の許容差は、厚さ6mmで辺の長さ3m以下では、±2mmとします。

厚さ12mmで辺の長さ3~5mでは、許容差±4mmとします。


小口の形状

平小口・かまぼこ小口・斜め小口などの形状があります。研磨程度は、なし・粗摺・つや消し・つや出しがあります。斜め小口は、面取りとします。


穴あけ

外部に使用するガラスは、強化ガラス以外は穴あけしません。

内部に使用するガラスは、穴あけすることができます。


切欠き

外部に使用するガラスは、強化ガラス以外は切欠きしません。

切欠きの入隅部形状は、曲率半径が2.5mm以上になるようにします。


曲げ加工

曲率半径は、ガラスの内面か外面かのいずれかを指定します。

曲げ加工をすると、両端部にはねなどが生じるので、これを考慮して納まり寸法を決めます。


表面加工

研磨材を吹き付けることによって、ガラス表面を傷つけ、曇らせる加工をサンドブラスト加工といいます。加工深さは、ガラスの厚さの1/12未満とします。また、加工箇所は、できる限り均等に配置し、応力集中が生じないようにします。

サンドブラスト加工を施したものに、フッ酸によるエッチング処理を施す加工をタペストリー加工(フロスト加工)といいます。加工深さは、ガラスの厚さの1/10未満とします。


強化加工

強化ガラスの寸法精度は、JISによります。

厚さ15mmのフロート板ガラスで±4mm、厚さ19mmのフロート板ガラスで±5mmとします。

平面強化ガラスの反りは、弓型の場合は0.5%を超えないように、波型の場合は0.3%を超えないようにします。


合わせ加工

合わせガラスの中間膜としては、厚さ0.38mm~1.5mmのポリビニルブチラールが標準的です。

寸法精度は、厚さ11~17mm、辺長1200mm以下で、長さおよび幅の許容差は+3mm、-1mmとします。辺長1200mm~2400mmでは、長さおよび幅の許容差は+4mm、-2mmとします。


複層加工

寸法精度は、辺長1m未満で、±2mm、辺長1m以上2m未満で+2mm、-3mm、

辺長2m以上で、±3mmとします。

複層加工後は切断、小口処理、穴あけ、切欠きなどの加工は行いません。

 

運搬・保管

・出荷・積み降ろし、運搬、受入検査などは適切な方法で行います。

・保管場所は、室内のできるだけ乾燥した場所とします。

・ガラスは立てかけて保管します。その際、傷が付かないようにガラスとガラスの間に紙などを挟んで保管します。

 

取付け施工(1)――はめ込み構法

不定形シーリング材構法

・作業順序は以下の通りです。

建具の押縁の取外し・寸法チェック

→溝の掃除

→セッティングブロック・エッジスペーサーセット

→先付けバックアップ材のセット

→ガラスはめ込み、押縁位置調整

→押縁側バックアップ材セット・ガラス固定

→シーリング材破被着面の掃除

→マスキングテープはり・プライマー処理

→シーリング材の充填・へら仕上げ

→マスキングテープ除去

→ガラス・建具の清掃

・セッティングブロックは、左右両端より辺長の1/4のところに置きます。

エッジスペーサーは、可動方式に応じた設置をします。

・熱線反射ガラスは、膜面のシーリング充填部以外にプライマーが付着したら、乾燥する前に清掃します。

・複層ガラス、合わせガラス、網入板ガラスのシーリング材には酢酸系シリコーンシーリング材は使用しません。


グレイジングガスケット構法

・作業順序は以下の通りです。

障子の枠の寸法チェック

→枠の2辺のピアスを外しL字形にする

→溝の掃除

→ガラスにグレイジングチャンネルを取付ける

→L字形の枠にガラスを押し込む

→残りの枠をガラスに取付ける

→枠のコーナーをビスで止める

→グレイジングチャンネルの調整

→ガラス・建具の清掃

・網入板ガラスをグレイジングチャンネルで施工する場合は、網入板ガラスのエッジに防錆処理をします。

・複層ガラスの施工にはグレイジングチャンネルは使用しません。

・厚さ8mm以上の単板ガラス・合わせガラスにはグレイジングチャンネルやグレイジングビードは使用しません。

・グレイジングビートが肉やせによって垂れ下がらないように気をつけます。

・複層ガラス、合わせガラス、網入板ガラスの施工の場合には、先付けガスケットを取付ける前にガラス溝内に排水機構があることを確認しておきます。

・後付けガスケットが肉やせによって垂れ下がらないように気をつけます。

 

取付け施工(2)――張付け構法

ねじ止め構法

・作業順序は以下の通りです。

下地チェック

→ガラスの寸法や穴あけ加工精度の確認

→下地への穴あけ位置の確認

→クッション材のセット

→ガラスのセット

→ねじ止め

→化粧ボタンの取付

→ガラスの清掃

・ガラスの面積は、1枚当たり1m2以内とします。また、板厚は5mmとします。

・ねじ止めの際は、締め過ぎによりガラスに異常な力がかからないように気をつけます。


金物止め構法の施工

・作業順序は以下の通りです。

下地チェック

→ガラスの寸法や金物の種類の確認

→金物の位置の確認

→金物の取付

→クッション材のセット

→ガラスのセット

→ガラスの清掃

・ガラスの面積は、1枚当たり2m2以内とします。また、板厚は5mm以上とします。

・金物の取付けは、ガラスエッジに集中力がかからないように気をつけます。


接着構法

・作業順序は以下の通りです。

施工箇所の適否の確認

→下地チェック

→ガラスの寸法の確認

→墨出し

→ガラスの採寸や穴あけ加工精度の確認

→下地面への墨出し

→接着剤の塗布

→ガラスのセット

→ガラスの清掃

・天井面や結露の発生しやすい箇所への施工は避けます。

・下地は十分乾燥させます。合板下地では、厚さを6mm以上とします。

・壁紙・クロスなどは接着前に必ずはがします。

・不陸は、±5mm以内とします。

・ガラスの面積は、1枚当たり1m2以内、板厚は5mm以上とします。

・ガラスを連装段積でセットする際には、ガラス間の目地は3mm以上とし、この部分に無酢酸系シリコーンシーリング材を充填します。

 

取付け施工(3)――その他の構法

ガラススクリーン構法

・作業順序は以下の通りです。

支持構造や支持部材のチェック

→スクリーンガラスのはめ込み

→方立ガラスはめ込み

→ガラスの位置調整と固定

→方立ガラス端部の固定

→シーリング材の充填

→ガラスの清掃

・支持枠の寸法許容差は、±2~3mmです。

・ガラス接合部の小口は、120番以上の研磨仕上げされている必要があります。

・ガラスの寸法許容差は、幅方向で±2~3mm、高さ方向±2.5~5mmとします。

・セッティングブロックは、左右両端より辺長の1/4のところに置きます。

・ガラスと支持枠の面クリアランスは8mm、エッジクリアランスは20mmまたは厚さの1.5倍、かかり代は20mmとします。

・ガラス相互のクリアランスは、4~6mmとします。


強化ガラススクリーン構法

・作業順序は以下の通りです。

支持構造部分のチェック

→強化ガラスの取付

→シーリング材の充填

→ガラスの清掃

・支持構造部の寸法許容差は、±2.0mm、連結金物は±1.0mmとします。

・強化ガラスの寸法許容差は、ガラススクリーン構法に準じます。

・強化ガラス支持枠とのクリアランスは5mm、エッジクリアランスは6mm、かかり代は1mmとします。

・強化ガラス間のクリアランスは、3mmを標準とします。

・強化ガラスドアの下端と床仕上げ面とのクリアランスは、10mmを標準とします。

・シーリング材は、強化ガラスと支持枠との取り合い部に5mm以上の深さまで充填します。


強化ガラスドア構法

・作業順序は以下の通りです。

ドア枠のチェック

→フロアヒンジの埋め込み

→ドア吊り込み

→附属部品の取付・調整

→ガラスの清掃

 

養生・引渡し

・ガラスを取付けた後は、注意紙などを張付けておきます。

・工事終了後、仕様と実施内容を照合して、相違がないことを確認します。

・引渡し後の保守管理について、係員を通じて施主に伝達します。

 

用語

・高遮蔽性能熱線反射ガラス

再寸した板ガラスの片側表面を熱線反射膜でコートすることで、日射熱の遮蔽性能を高めたガラス。

・倍強度ガラス

200~600kgf/cm2の圧縮応力をもつ加工ガラス。フロート板ガラスと同様の加工で約700℃まで加熱した後、両表面から空気を吹き付け冷却して作られます。同じ厚さのフロート板ガラスの2倍以上の耐風圧、熱割れ強度をもっていますが、製品の切断はできません。

・構造ガスケット

ガラスの保持機能と水密機能をもつガスケット。クロロプレンゴムなどの押出し成形により作られます。ジッパーガスケットとも呼ばれます。

・はめ込み溝

板ガラスを保持するための窓枠に設けられた溝のことです。ガラス板厚・耐震性能・熱割れ防止などに関係します。

・ガラスエッジ

板ガラスを切断したときの切り口の総称です。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました