05_21左官工事

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左官工事

左官工事とは、こてなどを用いて、建築物の内壁、外壁、床、天井等の表面に、土やセメントなどを塗る工事です。

日本壁塗り、モルタル塗り、プラスター塗りなどがあります。

目次

一般事項

設計変更等疑義

設計を変更する場合などは、係員と協議して、適切な処置をとるようにします。

天井塗りの制限

天井の工事で、コンクリートスラブにじか塗りのセメントモルタル塗り、せっこうプラスター塗り、ドロマイトプラスター塗り等を行うと、コンクリートのひび割れ、クリープ、振動等で剥落する恐れがあります。

そのような場合は、係員と協議して、工法を検討します。

また、避難通路となる廊下や階段の天井を塗るときは、厚さ5㎜程度の薄塗り仕上げます。

工事従事者の資格

左官工事の管理は、国土交通大臣が認定した建築施工管理技士が行います。

また、左官工事を実際に施工するのは、厚生労働大臣が認定した技能士か、それと同等以上の技能を持つ人です。

 

材料

左官工事に用いる材料は、JIS規格に準ずるものか、試験や資料によって品質が確認されているものでなければなりません。

左官工事には、以下のような材料を用います。

結合剤

・ セメント:ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、白色セメント等を用います。

・ せっこうプラスター:混合せっこうプラスター、ボード用せっこうプラスター等を用います。ただし、製造してから4ヶ月以上経ったものは用いてはいけません。

・ ドロマイトプラスター

・ 消石灰および貝灰:下塗りと中塗り用に使います。

・ こまい壁土:荒壁土の場合は、粒子15mmふるいを通過する程度のものを用います。中塗り土の場合は、粒子10mmふるいを通過する程度のものを用います。

・ アスファルト:日が当らない床には、ストレートアスファルトを用います。日が当って熱くなるような床には、防水工事用アスファルト2種または3種を用います。

混和材料

・ 無機質混和材:消石灰、ドロマイトプラスター、ポゾラン、浅黄土、石灰石粉、けい石粉、フライアッシュ、高炉スラグ粉末などを用います。

・ 合成樹脂系混和剤:合成樹脂エマルションおよび合成ゴムラテックスといったポリマーディスパーションや、メチルセルロースなどの水溶性樹脂を用います。

・ 減水剤

・ 防水剤

・ しっくい用のり:つのまた及びぎんなん草を用いる場合は、春か秋に採取して一年程度乾燥したもので、不溶解分が重量で25%以下のものを用います。あるいは、メチルセルロースなどの水溶性樹脂を用います。

・ こまい壁用のり:土物壁の場合は、ふのり、つのまた、ぎんなん草を用います。砂壁の場合は、ふのり、つのまた、こんにゃくのり、にかわ、合成樹脂エマルション等を用います。

・ 既調合混和材料:数種類の混和剤が既に配合してあるものです。

・ 顔料:耐アルカリ性の無機質からできていて、直射日光や100℃以下の温度で著しく変色することはなく、金物をさびさせないものを用います。

骨材

・ 砂:ごみ、土、有機不純物、塩化物などで汚染されておらず、十分な耐火性と耐久性があるものを用います。粒度(粒の大きさ)によって、床モルタル塗り用のA種からセメントモルタル圧送・吹き付け用のD種までがあります。粒の最大寸法が塗り厚の半分以下になるような粒度のものを用います。

・ パーライト、バーミキュライト

・ 膨張頁岩、焼成フライアッシュ

・ 合成樹脂の発泡骨材

・ 種石:人造石塗りでは、ふるい通過量が5mmで100%、1.7mmで0%のものを標準とします。テラゾ塗りでは、ふるい通過量が15mmで100%、2.5mm0%のものを標準とします。

・ 色砂:天然砂と、人工的に着色したものがあります。

・ アスファルトモルタル用砕石と石粉:砕石はJIS規定の7号(5~2.5mm)または6号(13~5mm)を用い、石粉は150μmふるいを100%通過し、75μmを60%以上通過するもの用います。

塩分、鉄分、いおう分、有機物などで汚染されていない清浄なものを用います。

補強材料

・ すさ:自毛すさ、紙すき、さらしすさ、わらすさなどを用います。

・ 下げお:強じんな麻、しゅろ毛などを用います。壁用では長さ70cm程度のものを、天井用では長さ55cm程度のものを2つ折りにし、長さ18mmの亜鉛めっきの釘に結びつけて使います。

・ しゅろ毛およびパーム

・ その他の繊維類

既調合材料

・ ラス下地用既調合セメントモルタル材

・ セメントモルタル簿塗り材:セメント系下地調整塗り材(セメントフィラー)と薄塗り用セメントモルタル材があります。前者は、コンクリート面の型枠による目違いや不陸、気泡穴の補修に用い、厚さ1-3mmで全面または部分に塗り付けます。後者は、タイル、吹付け、塗装、クロス張りなどの下地に用い、厚さ3~10mmで全面に塗り付けます。

・ カラーセメント

・ かき落しリシン

・ セメントスタッコ:JISの厚付け仕上塗材の厚塗材Cの規定に準ずるものを用います。

・ ローラー模様仕上塗り材:セメント系と合成樹脂系があるります。

・ 既調合せっこうプラスター

・ 既調合ドロマイトプラスター

・ 既調合しっくい

・ 繊維壁材

・ こて塗り用軽量塗り材

・ 樹脂プラスター:水を加えずに練り直して使います。

・ セルフレベリング材:せっこう系とセメント系があります。床面に流すだけで、水平な床下地をつくることができます。

補助材料

・ 目地棒:床用は真ちゅう製足付きのものを用い、床テラゾでは成15mm以上とします。

・ 合成樹脂エマルションシーラー:主に下地が吸い込まれるのを防ぐのに使います。接着性を補強するために用いる場合は、無機質充てん材などを含まず、耐アルカリ怪、造陽性、耐水性のよいものを用います。

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下地

下地の一般的条件

下地を作るときは、一般的に以下の点に注意する必要があります。

・ 通常時だけでなく、地震がおこっても左官塗りを支えるのに十分な強度と剛性を備えていなければなりません。

・ 左官塗りの種類に応じた下地表面に仕上げ、不陸、接合部の目違い、ひび割れなどが生じないようにします。

・ 左官塗りの種類に化学的に適当な材料を用いて仕上げ、さび、化学反応、吸水などが生じないようにします。

左官塗りに適した下地

外壁と内壁、それぞれの左官塗りに適した下地は、JASS 15に規定されています。

現場打ちコンクリート下地

コンクリート下地は、以下の点に注意します。

・ 接着に有害な残存物、ひび割れ、かけ、ジャンカ、過度の凹凸などがない状態に仕上げます。

・ 不陸が目立つ場合は、つけ送りをして仕上がりの厚さが均一になるようにします。

・ つけ送りの厚さが25mmより大きくなる場合は、鉄筋、溶接金網、ラスなどを用いてつけ送るか、あるいはコンクリートを増し打ちします。

プレキャストコンクリート・コンクリートブロック・れんが・ALCパネル下地

プレキャストコンクリートのジョイント部には、原則として左官塗りは施しません。

コンクリートブロックは、強度に優れたものを用い、また、ひび割れを防ぐために乾湿による変動が小さいものを用います。

ALCパネル下地では,外壁のジョイントやサッシ回りなどは、左官塗りを始める前に指定のシーリング材を充てんしておきます。

鋼製金物下地

鋼製金物下地は、以下の点に注意します。

・ 鋼製金網はJASSの規定に準ずるものを用います。

・ 防水紙はJISの規定に準ずるものを用います。

・ 力骨鉄線は径2.6mm以上の鋼線を用います。

・ ステーブル、くぎ、タッカー針は、十分な耐久性があり、下地の構造部分に安全に取り付けることができる長さのものを用います。

・ 外壁、避難上重要な場所、安全上重要な部分、3mを超える階高の内壁では鋼製金網の重量を700g/m2以上にします。

・ 雨にあたって金網が腐食する恐れのある部分では、鋼製金網、ステーブル、くぎなどは亜鉛めっきなどで防腐処理を施したものを用います。

・ 鋼製金網を取付けるときは、木造下地から2~3mm浮かせて取り付け、十分に深く埋め込みます。下地板や合板に埋め込まれた部分も、埋め込みの深さに含ねることができます。ただし、シージングボードに埋め込まれた部分は、埋め込みの深さに含めてはいけません。

・ 700g/m2以下の軽量の鋼製金網(ラス)をステーブルで取り付けるとき、リブラスを用いる場合はリブ凹部を取り付けます。その他のラスを用いる場合は柱、間柱、胴縁間隔に力骨鉄線を縫い込み、力骨部分を取り付けます。

・ 開口隅角部や壁隅角部といったひび割れしやすい部分は、重ね張りして補強します。

ラスシート下地

ラスシート下地は、以下の点に注意します。

・ ラスシートはJISで、山高、山ピッチ、質量および溶接ピッチによってLS1~LS4に区分されています。とりわけ、外壁、避難上重要な場所、安全上重要な部分、3mを超える階高の内壁にはLS2を用います。

・ 取付け金物は、ラスモルタル壁を下地構造に安全に取り付けるのに十分な強度のあるものを用います。

・ ラスシートを木造下地に取り付ける場合は、脚長28㎜以上のくぎと座金を用いて、柱、間柱、胴緑などに15cmピッチ以内で取り付けます。

・ ラスシートを鉄骨下地に取り付ける場合は、原則としてビスを用いて、15cmピッチ以下で取り付けます。

・ 木造の場合も、鉄骨造の場合も、胴緑などの支持材は,縦横45cm程度の間隔で、主体構造部にしっかりと取り付けます。

・ ラスシートの継手は,一山重ねか巻はぜ締めにします。上下の継手の鉄板部は,上部が下部の上になるようにして,50mm程度重ねます。継手部分は平ラスを用いて、ひび割れが発生しないよう二重張りにします。

せっこうラスボード下地

せっこうラスボード下地は、以下の点に注意します。

・ せっこうラスボードは、厚さ9mm以上でJISの規定に準ずるものを用います。

・ 取付け金物は、溶融亜鉛めっきかユニクロームめっきのものを用います。

・ 木造下地では、胴縁の間隔を45cm以内として、柱、間柱に欠込みくぎ打ちとします。ボードを周囲に取り付けるときは、10cm以内の間隔でボード用平頭くぎで取り付けます。周囲以外に取り付けるときは、受け木当たり15cm以内の間隔でボード用平頭くぎで取り付けます。ボードを継ぐときは、受け木上で継ぎます。

・ 木造天井下地では、野緑の間隔を30cm以内とします。ボードを周囲に取り付けるときは、10cm以内の間隔でボード用平頭くぎで取り付けます。周囲以外に取り付けるときは、受け木当たり15cm以内の間隔でボード用平頭くぎで取り付けます。ボードを継ぐときは、野縁上で継ぎます。

・ 軽量鉄骨下地の間仕切壁では,柱、間柱の間隔を45cm以内とします。ボードを周囲に取り付けるときは、柱ないし間柱当たり10cm以内の間隔でビス止めし、15cm以内の間隔で継手金物に差し込んでボードの上下を接続します。周囲以外に取り付けるときは、柱・間柱当たりは15cm以内の間隔でボード用平頭ビスで止め付けます。ボードは横使いにし、継ぐときは乱継ぎにします。

・ 軽量鉄骨天井下地では、野緑受けの間隔は90cm以内とし、野緑の間隔は30cm以内とします。ボードの取付けは木造天井下地と同じです。

木毛・木片セメント板下地

木毛、木片セメント板下地は、以下の点に注意します。

・ 木毛セメント板は厚さ15mm以上のものを用います。

・ 木片セメント板は厚さ30mm以上のものを用います。

・ 板の取付け用座板とフックボルトは亜鉛めっきのものを用います。

・ 板は周囲を15mm内外透かしとし、座板を当て、受け材当たり15cm以内の間隔でくぎ止めします。入隅では、一方は受け材にくぎ止めし、その上に受け木を当てた上に他方をくぎ止めする。

・ 鉄骨下地に取り付ける場合は、座板を当て、胴緑ならびに母屋当たり30cm以内の間隔でフックボルトで締めます。

こまい下地

こまい下地は、以下の点に注意します。

・ 間渡し竹は、3年生以上のしのだけの丸竹かまだけの割り竹を用います。

・ 丸竹は径12mm以上のものを用います。

・ 割り竹は径40~60mmのものを4~8個に割ったものを用います。

・ こまい竹は、並こまいではしのだけの割り竹を用い、本四つこまいと縦四つこまいではまだけの割り竹を用います。

木ずり下地

木ずり下地は、以下の点に注意します。

・ 木ずり用小幅板は、厚さ7m、幅40mm、心去り材で製造後1か月以上経っていて乾燥したものを用います。

・ 木ずり用小幅板は、柱、間柱、野縁などの受け材に直角にし、壁は7mm、天井は9mm内外目透しとし、受け材当たり幅方向にくぎを2本ずつ打って止めます。

・ 継手は受け材心で6mm内外目透し継ぎ、木ずり6枚以下ごとに乱継ぎにして、開口部の周囲24cm以内には継手を設けません。

 

工法一般

施工計画と現場管理

係員は工事の進行を調整するために、仕様書に基づいて施工計画書を作成します。

施工者は施工計画書に基づいて施工要領書を作成します。

施工要望書とは、適用範囲、工事概要、施工編成、工程、下地条件、仮設、養生方法、安全管理について記したものです。

施工者は、施工計画書に基づいて作業工程を進めていきます。

左官工事の一般的な作業工程は、以下に示すとおりです。

下地処理→下地清掃→墨出し→水湿し→調合・混練り→下塗→養生→調合・混練り→中塗→養生→調合・混練り→上塗→養生

安全管理

左官工事を行う際、以下の点に注意して現場の安全を管理する必要があります。

・ 作業場所は、作業を行うのに適切な採光、照明、通風を確保します。

・ 足場については、仮設工事の足場に関する規定と同じです。

・ 労働基準法と労働安全衛生法に従って、作業の安全を確保します。具体的には、安全帽と安全帯を着用し、溶液系合成樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、有機溶剤等の取り扱いに注意します。

工具及び機械器具

左官工事に用いる工具や機械は、以下の点に注意します。

・ こては、塗りつける材料、塗り層、塗り厚、仕上の種類、施工する部位に応じたものを用います。

・ 練り混ぜ用具、こて板、定木、はけ類は、整備したうえで、用途に応じて使い分けます。

・ 荷揚用小形ウインチ、滑車、ワイヤ、リフトタワー及びねこ車などは、整備したうえで、適当な能力のものを用います。

・ 圧送吹付機械は、機種、形式、最大吐出量な等を考慮して、用いる台数を決めます。

・ その他の関連器具も、整備したものを用います。

材料検査及び見本

係員が求めた場合は、材料を搬入する前に見本を提出して、係員の承認を受ける必要があります。

また、色塗り、特殊表面仕上げ、彫刻なども、見本を作って提出し、係員の承認を受けます。

規格品を用いる場合は、検査や試験を通ったものを用います。

材料の保管

材料は、以下の点に注意して保管します。

・ セメント、せっこうプラスター等は湿気に弱いので、乾燥させた状態で、30cm以上の上げ底の倉庫に保管し、60袋以上は積み重ねないようにします。

・ ポリマーディスパージョン及びエマルジョンシーラーは、高温と直射日光を避け、15~20度で保管します。とりわけ、5度以下にならないように注意します。

調合と練り混ぜ

材料の調合と練り混ぜは、以下の点に注意して行います。

・ 下地に近い塗り層ほど強く、上塗りに近いほど弱く調合します。

・ 結合材、骨材、混和材の調合は容積比で表します。

・ 混和剤、顔料、海草のり、すさなどの使用量は結合材に対する重量比で表します。

・ 結合材と砂の単位容積重量は、JASS 15に従い、以下のように調整します。

ボルトランドセメント:1.20(kg/l)

混合せっこうプラスター(上塗用):0.76(kg/l)

ボード用せっこうプラスター:0.88(kg/l)

ドロマイトプラスター(上塗用):0.71(kg/l)

ドロマイトプラスター(下塗用):0.76(kg/l)

左官用消石灰(上塗用):0.53(kg/l)

左官用消石灰(下塗用):0.54(kg/l)

京土:1.20(kg/l)

砂(表面乾燥内部飽水状態):1.20(kg/l)

・ 調合表や注意事項は見やすい位置に掲示しておきます。

・ 粉末状の材料や粒子状の材料は、から練りをしてから、水練りをします。

・ 液状の混和材料は、あらかじめ練り混ぜて、水に分散させておきます。

・ すさを水で練り混ぜる場合は、まず、所定量の一部の結合剤と水でつくったのろに分散させたものを作り、残りの材料を練り混ぜたものにこれを加え、すさが均一に分散するようにします。

・ 顔料を用いる場合は、まず、所定量の一部の結合剤と顔料をから合わせ、少量の水でペースト状によく練り合わせたものをつくり、残りの材料を練り混ぜたものにこれを加え、色むらがなくなるまで練り混ぜます。

・ 圧送吹付機械に用いる材料は機械で練り、施工軟度は小形のスランプコーンで管理します。

・ せっこうプラスターには、セメント、消石灰、ドロマイトプラスターなどを混合して用いてはいけません。

・ 既調合材料には、製造業者が指定した以外の材料を混合してはいけません。

材料の搬送

小形ウインチ、リフトタワー、ねこ車、圧送吹付機械などは、それぞれ準備と点検をしてから搬送します。

工程及び工程表

異種塗り層の組合せで、塗り層間での硬化不良や、強さや収縮の違いから浮きが生じるおそれがあるときは,塗り層の界面にシーラーを施すなど適切な措置をとるようにします。

下地点検・調整

下地の点検と調整は、以下の点に注意します。

・ 塗り付けを行う面は、前日に水洗いで掃除します。

・ コンクリートブロック下地、セメントモルタル、プラスターなどで、下地が乾燥している場合は、塗りをする前に、水で湿らせておきます。

・ コンクリート面等の表面に固化不良が見られる場合、その厚さが2mm以下であれば、ワイヤブラシなどで除去します。厚さが2mmを超える場合や広範囲にわたる場合は、係員の指示に従います。

・ ALCパネル等の吸水性が高い下地に塗り付ける場合は、塗り付け面を水で湿らせるか、塗り付け面にシーラーないしは合成樹脂系混和材入りセメントペーストを塗るかして、下地の吸水性を調整してから塗り付けます。

・ 下地が平滑すぎる場合は、合成樹脂系混和材料入りセメントペーストを塗ってから塗り付けます。

・ 下地、塗り面等の浮いている部分は直ちに補修します。

こて塗り

こて塗りについては、以下の点に注します。

・ 下塗りは、下地の剛性と付着に応じて、適切なこてを用いて、適度な圧で行います。

・ こての操作は、縦、横、斜め、各方向に均等に行います。

・ こて掛けは、ひび割れや浮きが生じないように、塗り層の可塑性がなくなる前に行います。

吹付け

吹付けについては、以下の点に注意します。

・ ノズルの口径や吹付け距離は、材料製造業者の指定に従うようにします。

・ 圧送吹付機を用いて仕上がりが20mmより厚くなるように吹き付けるときは、下吹き、中吹き、上吹きの3回に分けて吹き付けます。

・ 圧送吹付機を用いて仕上がりが20mm以下になるように吹き付けるときは、下吹き、上吹きの2回に分けて吹き付けます。

・ 圧送吹付機を用いて仕上がりが10mm程度になるように吹き付けるときは、下付けと上付けに分けて、上吹きのみを追かけ吹きで吹き付けます。

養生

養生については、以下の点に注意します。

・ 振動などにより、塗り付け後の養生に支障をきたすおそれがある場合は、作業を中止する等の適切な処置をとります。

・ 作業を始める前に、他の部材や仕上げ面に紙やポリエチレンフィルムを張ったり、シートを掛けたりして汚さないようにします。

・ 塗り面には窓ガラスをはめて通風と日照を避け、汚染と早期乾燥を防ぎます。

・ 外装の吹付け面は、吹付け前にシートを掛けて直射日光や雨風を防ぎます。特にパラペットと足場の間は覆いを掛けて雨の吹き込みを防ぎます。

・ 夏に屋外で施工する場合は、シート類やポリエチレンフィルムで覆うか、散水するかして、急激な乾燥を防ぎます。

・ 5度以下のときに施工する場合は、保温して凍結しないようにします。

・ 仕上面への粉塵の付着や、早期乾燥の恐れのある場合は、施工後にシートをかける。

ひび割れ及び剥離の防止

ひび割れと剥離の防止については、以下の点に注意します。

・ 額縁、幅木、笠木、回り縁等のちりじゃくりの周囲は、こて1枚の厚さだけ透かしておきます。

・ 開口隅やラス、木毛セメント板、石膏ラスボード類、ALCパネルの継目といったひび割れの生じやすい部位には、しっくい塗りまたはプラスター塗りの場合には布ぶせ、パーム、しゅろ毛張りといった処置を施し、セメントモルタル塗りの場合にはメタルラス張りといった処置を施します。

・ コンクリートとコンクリートブロックまたは木造下地等異種下地との接合部分は、ひび割れが生じないように適切な処置をとります。

・ 各種の仕上げにおいて、衝撃や振動を受けるおそれがある場合は、下地の全面に金網を取付けておく等の処置をとります。



続いて、いくつかの具体的な工法について説明します。

 

コンクリート下地セメントモルタル塗り(現場打)

適用範囲

現場調合のセメントモルタルを、コンクリートのような平坦な下地に塗り付けるのに適する工法です。

材料

セメント、骨材、水,混和材料

下地

下地の種類はJASS 15に従います。

つけ送りを要する下地は、下塗りモルタルで不陸を調整し、くし目を付けた後、2週間以上放置します。

下塗りをする前に、水で湿らせて下地の水の吸収を調整します。

調合

モルタル調合はJASS15の規定に従います。

ただし、ALCパネルの場合は、ひび割れが生じるので、モルタル塗りを避けます。

また、天井やひさしは剥離しやすいため、厚塗りは避け、吹付け塗装にするのが一般的です。

塗厚

塗厚はJASS 15の規定に従います。

また、仕上げ厚は、天井とひさしでは12㎜以下、その他では、12㎜以上とします。

ただし、1回の塗厚は6㎜を標準とします。



工程

・ モルタル塗りの工程はJASS15の規定に従います。

・ 下地が平坦で、仕上げ厚が20㎜以下の場合、中塗りを省略して2回塗りにすることができます。2回塗りは「シーラー塗り→セメントペースト塗り→下塗り→上塗り」という工程をとります。シーラー塗りには合成樹脂エマルジョンと水を用い、所要量は0.1~0.2㎏/m2で、1時間以上の間隔をとります。セメントペースト塗りにはポルトランドセメント、細砂、セメント混合用ポリマーディスパージョン、水溶性樹脂(MC)、水を用い、所要量は0.5~2㎏/m2で、2時間以内の間隔で0~1回塗ります。

・ 下地が平坦で、仕上げ厚が10㎜程度の場合、上塗りのみの1回塗りにすることができます。1回塗りは「シーラー塗り→セメントペースト塗り→上塗り」という工程をとります。

工法

・ セメントと砂をから練りしてから、水を加えて機械で練り合わせます。粉末状の混和剤は、から練りのときに一緒に加えます。液状の混和剤は、水に加えておきます。

・ 仕上げには、金ごて仕上げ、木ごて仕上げ、はけ引き仕上げがあります。金ごて仕上げは、表面を金ごてでよく押さえ仕上げ方です。表面が平滑になるので、そのまま仕上げとする場合にも、その上に塗装やクロスを施す場合にも適用できます。木ごて仕上げは、上塗り面を地むらなく木ごてで仕上げる仕上げ方です。表面が粗く、乾燥収縮によるひび割れが少ないのが特徴で、吹付けの下地に適しています。はけ引き仕上げは、木ごてでむらなく押さえた後、表面をはけでなでる仕上げ方です。均整で粗く仕上がり、吹付けの下地に適しています。水ばけを用いる場合は、水を含ませ過ぎないように注意します。

・ 目地は、モルタルの収縮によるひび割れを考慮し、過当な塗り面積ごとに設けます。特記のない場合、目地の種類は押し目地とします。目地棒を用いる場合は、あらかじめ目地割りをし、その位置に目地棒を伏せ込みます。壁に木製目地棒を用いる場合は,仕上がってから目地棒を外し、目地詰めします。

養生

「工法一般」の「養生」の項を参照してください。

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ラス下地セメントモルタル塗り

適用範囲

現場調合ないし既調合のセメントモルタルを、鋼製金網などの補強下地に塗り付けるのに適する工法です。

材料

セメント、骨材、水、混和材料、着色材料、既調合材料

下地

鋼製金網およびラスシートを用います。

工法は「下地」の「鋼製金物下地」と「ラスシート下地」の項を参照してください。

調合

モルタル調合はJASS15の規定に従います。

塗り厚および仕上げ厚

塗厚はJASS 15の規定に従います。

また、仕上げ厚は、天井とひさしでは12㎜以下、その他では、12㎜以上とします。

ただし、1回の塗厚は6㎜を標準とします。

下塗り(ラス付け)はラスの厚さより1mmほど厚くします。

工程

「コンクリート下地セメントモルタル塗り(現場打)」の「工程」の項を参照してください。

工法

・ 練り混ぜ、搬送、こて塗りについては、それぞれ「工法一般」の当該項目を参照してください。

・ 下塗りは、ラスを変形させない程度のこて圧で、ラスが十分にモルタルで覆われるように行います。塗付けが終わると、金ぐしなどで全面をかき荒し、寸法を安定させ、ひび割れを発生させるために、できるだけ長時間放置します。

・ むら直し、中塗り、上塗りについては「コンクリート下地セメントモルタル塗り」の「工法」の項を参照してください。

養生

「工法一般」の「養生」の項を参照してください。

 

人造石塗り及び現場塗りテラゾ現場塗り

適用範囲

セメント、種石、砂などを主材料とする人造石塗りおよびテラゾ現場塗り工事に適する工法です。

材料

セメント、砂,水、顔料、種石,目地棒など

下地

下地はセメントモルタル、コンクリート、プレキャストコンクリート部材、コンクリートブロック、木毛セメント板、木片セメント板を用います。

詳しくは、「下地」の当該項目を参照してください。

調合と塗厚

調合と塗り厚はJASS15の規定に従います。

人造石塗りの中塗、下塗の塗厚は6㎜とします。

テラゾ塗りの種石の量は、係員の承認を得て、2まで減らすことができます。

人造石塗り

・ 人造石塗りには、洗出し仕上げ、とぎ出し仕上げ、小たたき仕上げ、擬石仕上げがあります。洗出し仕上げは、上塗りの後、ブラシで2回以上ふきとり、石ならびを調整してからこてで押さえ、清水をポンプで吹き付けて洗い出す方法です。とぎ出し仕上げは、上塗りの後、荒とぎ、中とぎをして、目つぶしのろ掛けを施し、セメントが固まってから仕上げとぎを行う方法です。小たたき仕上げおよび擬石仕上げは、硬化の程度を見計らって、びしゃんなどでたたいて仕上げる方法です。

・ 洗出し仕上げは「目地割→セメントペースト塗→人造石塗→こて押え・洗出し→目地塗」という工程をとります。ただし、人造石塗りはセメントペースト塗を終えてから30分以内に行い、こて押さえは人造石塗りを終えてから1時間以内に行います。とぎ出し仕上げは「セメントペースト塗→目地割→人造石塗→荒とぎ→目つぶし→とぎ・みがき」という工程をとります。ただし、目地割はセメントペースと塗りを終えてから30分以内に行い、荒とぎは人造石塗りを終えてから夏なら1日あけて、冬なら2~3日あけて行います。また、とぎは目つぶしを終えてから3日以上あけて行います。

・ 壁の場合、中塗りまでは「コンクリート下地セメントモルタル塗り」の「工程」の項に従って塗り付けます。上塗りは、中塗り固まってから、セメントペーストか1:1モルタルを3mmほど塗りつけてから行います。

・ 床の場合、下塗りは、合成樹脂系混和剤を混入したセメントペーストをこすり塗りしてから、1:3モルタルで厚さ約15mmに塗り付けます。

・ 目地は目地割りして、目地棒をセメントペーストかモルタルで張り付けます。

・ 化粧目地塗りは、静かに目地棒を外し、セメントと砂または寒水石粉1:1のモルタルをよく押え込んで仕上げます。

テラゾ現場塗

・ テラゾ現場塗には密着工法と絶縁工法があります。密着工法は、下塗りの際に、シーラー塗りまたは水湿しをしてからセメントペーストをこすりつけ、その上に下塗りモルタルを塗りつける工法です。床は硬練りにして、力強く塗り付け、くし目を付けます。絶縁工法は、平坦な下地に、目地割りに従って目地棒を伏せこみ、乾燥した砂を5mmほどの厚さに敷き詰め、その上にアスファルトフェルトなどを敷いて絶縁する工法です。さらにその上に、下塗りモルタルを30mmの厚さに敷き、溶接金網かクリンプ金網を伏せこんでから、残りの下塗りモルタルを塗り付けます。密着工法では地下コンクリートのひび割れがそのまま仕上げ面に現れますが、絶縁工法では現れないという利点があります。

・ 密着工法は「目地棒伏込み→シーラー塗→セメントペースト塗→下塗→中塗→上塗→とぎ・目つぶし・みがき」という工程をとります。ただし、目地棒伏込みとシーラー塗の間は、シーラー塗とセメントペースト塗の間、下塗と中塗の間はそれぞれ1日以上、上ととぎの間は7日以上、間隔をおきます。

・ 絶縁工法は「目地棒伏込み→砂敷き→ルーフィング敷込み→下塗1回目→金網伏込み→下塗2回目→中塗→上塗→とぎ・目つぶし・みがき」という工程をとります。ただし、目地棒伏込みと砂敷きの間、2回目の下塗と中塗の間はそれぞれ1日以上、上塗ととぎの間は7日以上、間隔をおきます。

・ 下塗りも上塗りも、材料は硬練りにします。床の場合は、積み上げたときに流れ出さない程度の硬さに練り上げます。

・ 目地割りは1.2m2以内にし、目地の間隔は最大でも2m以下にする。

・ 床の目地棒は、黄銅(真鍮)製で足付きのものを用い、全長にわたって木ずり程度の材をはさんで、下塗りの前に、目地割りに基づいて足止めモルタルで据え付けます。

・ 床の上塗りは、硬練りのものを木づちでたたき込んで、ローラーかバイブレーターを掛けたてから、金ごてでならします。

・ 仕上げは、日つぶしのろ掛けを繰り返し、といしの目を次第に細かくしていき、最後には浄源寺といしで光沢が出るまでとぎます。その後、シュウ酸であくをとり、パフで仕上げ、ワックスを塗ります。

・ 上塗りが終わってからは、ビニールシートなどで覆い、ときどき散水します。

 

せっこうプラスター塗り

材料

せっこうプラスター、既調合せっこうプラスター、骨材(砂、パーライト、バーミキュライト等。ポゾラン、フライアッシュなどを混合してはならない)、水、混和剤、合成樹脂エマルションシーラー(水溶性樹脂、ポリマーディスパージョン)、白毛すさ、しゅろ毛、パーム、繊維類

下地

下地の種類は、JASS15の規定に従います。

下地の調整については、以下の点に注意します。

・ つけ送りについては「下地」の「現場打ちコンクリート下地」の項を参照してください。ただし、プラスターでのつけ送りは、厚さ9mm以内とします。

・ ALCパネル下地には、吸水調整のために合成樹脂エマルションなどを塗ります。

・ 平滑なコンクリート下地面には、セメントペーストに合成樹脂エマルションを混ぜたものを塗り付けて、下地の粘着性を高めます。

・ セメントモルタル面は、アルカリによる硬化不良を防ぐために、養生期間を十分置くかシーラー塗りを施すかします。

調合と塗厚

・ 下塗りは、壁の場合は下塗り用プラスターと砂を1:1.5の割合で、天井の場合は1:1の割合で、それぞれ調合します。塗り厚は、いずれも6mm程度にします。

・ むら直し、中塗りは、壁の場合は下塗り用プラスターと砂を1:2の割合で、天井の場合は1:1.5の割合で、それぞれ調合します。塗り厚はいずれも5~7mmにします。

・ 上塗りには混合せっこうプラスター上塗り用のみを用い、塗り厚は1.5mmにします。ただし、塗装や壁紙の下地となる上塗りの場合は、ボード用せっこうプラスターと寒水石粉などを1:0.5~1の割合で調合して用い、塗り厚は3~4mmにします。

工程

・ せっこうプラスター塗りは「シーラー塗り→下塗り→中塗り→上塗り」という工程をとります。ただし、下塗りとシーラー塗りの間は1時間以上あけ、上塗りは中塗りが半乾燥のときに行います。また、中塗りは下塗りの水引き具合をみて行います。

・ せっこうラスボード下地へのせっこうプラスター塗りは「下塗り→中塗り→上塗り」という工程をとります。ただし、中塗りと下塗りの間は12時間以上あけます。また、上塗りは中塗りの水引き具合をみて行います。

工法

・ 下塗り、中塗りに用いる塗り材は、砂、プラスターの順に容器に入れ、よく混ぜ合わせてから水を加え、均一になるように練り合わせて作ります。

・ 上塗りに用いる塗り材は、上塗り用せっこうプラスターに水を加え、均一になるように練り合わせて作ります。

・ 砂とプラスターをから合わせしたものは、2時間以内に使用するようにします。

・ ミキサや舟は、モルタルやドロマイトプラスターが付着したものを使ってはいけません。

・ 混合せっこうプラスターとボード用プラスターは、下塗りの場合は水を加えてから2時間以内に、上塗りの場合は水を加えてから1.5時間以内に使用します。

・ 下塗りとラス付けについては「ラス下地セメントモルタル塗り」の「工法」の項を参照してください。ただし、下塗りがセメントモルタルの場合は、2週間以上養生します。また、開口部周辺、ボードの継手といったひび割れのおそれのある箇所については、しゅろ毛、パーム、防錆処理したメタルラスなどを下塗り中に塗り込むか、下塗り面に散らして伏せ込むかします。

・ むら直しは、下塗りの水引きぐあいを見ながら、続けて行ってもかまいません。

・ 中塗りは、下塗り面に接着させながら、平坦で適当な粗さの面に木ごてでなで付けます。

・ 上塗りは、中塗り半乾燥のときに下付けと上付けの2工程に分けて金ごてで押さえ塗り付けます。その後、水引き具合を見ながら、仕上ごてでむらなく仕上げます。

・ 下地面が平坦で仕上げ厚が10mm以下の場合は、中塗りを省略することができます。これを薄塗り工法といいます。薄塗り工法では、多くの場合、工場で配合したせっこうプラスターを用います。

養生

作業の間はできるだけ風を通さず、作業後もせっこうが硬化しないように風通しを制限しながら、塗り面を徐々に乾燥させていきます。

室温が2度以下のときは工事を中止するか、5度以上になるように暖房します。

暖房をする場合は、閉め切らずに換気します。

※建材を探す → 
「左官工事」
左官材
せっこうプラスター
 

ドロマイトプラスター塗

材料

「材料」の項を参照してください。

下地

下地の種類は、JASS15の規定に従います。

下地の調整については、以下の点に注意します。

・ ALCパネル下地には、吸水調整のために合成樹脂エマルションなどを塗り付けます。

・ 平滑な下地面には、合成樹脂エマルションを塗り付けるか、混和材料入りセメントペーストをこすり付けるかして、下地の粘着性を高めます。

調合と塗厚

・ 下塗りは、下塗り用ドロマイトプラスターとセメントと砂を1:0.2:2の割合で調合し、プラスター25kgにつき白毛すさを600g加えます。塗り厚は6mmにします。ただし、ACLパネルに塗り付けるときは5mmにします。

・ むら直しと中塗りは、下塗り用ドロマイトプラスターとセメントと砂を1:0.1:2の割合で調合し、プラスター25kgにつき白毛すさを600g加えます。塗り厚は天井とひさしで5mm、壁で7.5mmにします。

・ 上塗りは、セメントと砂は用いず、上塗り用ドロマイトプラスター25kgにつきさらしすさを350g加えて調合します。塗り厚は1.5mmにします。

工程

「下塗り→中塗り→上塗り」という工程をとります。

ただし、下塗りと中塗りの間は7日以上あけ、上塗りは中塗りの水引き具合を見て行います。

工法

・ 下塗りと中塗りに用いる塗り材は、まず少量の水と、少量のドロマイトプラスターと、手でよくもみほぐした所定量のすさを混ぜ合わせ、これに残りのドロマイトプラスターと所定量のセメント、砂、水を加え均一になるまで練り合わせて作ります。ただし、セメントを混ぜてから2時間以上経過したものは用いてはいけません。

・ 上塗りに用いる塗り材は、まず少量のドロマイトプラスターと、水と、所定量のすさを混ぜ合わせ,これに上塗り用ドロマイトプラスターと水を少しずつ加えて均一になるように練り合わせて作ります。練り上げてから12時間程度おいてから用いる方がよいです。

・ 下塗り、ラス付け、むら直し,中塗りは「せっこうプラスター塗り」の「工法」の項を参照してください。

・ 仕上げに、はけで傷つかない硬さにまで表面が固まってから、清水を含ませたプラスターばけを直線に引き、表面のこて光を消します。

養生

「せっこうプラスター塗り」の「養生」の項を参照してください。

 

しっくい塗り

適用範囲

左官用消石灰、貝灰、砂、のり、すさを主材料として、下げおなどを用いて外壁、内壁、天井等に塗り付けるのに適する工法です。屋根しっくい、土佐じっくいは含みません。

材料

石灰、砂、のり、すさなど

これらの詳細については、「材料」の項目を参照してください。

下地

コンクリート、PC部材、ALCパネル、木ずり、こまい土壁、セメントモルタル塗、れんがといった下地が適しています。

調合と塗厚

・ 下地がコンクリートやれんがの場合は、消石灰と砂を1:0.1~0.7の比率で混合し、消石灰20㎏につき、つのまたかぎんなん草を500~1000g、白すさを900~700g加え、調合します。ただし、むら直しに用いる場合は、消石灰と砂の比率を1:1にして調合します。また、上塗りに用いる場合は、砂は混ぜず、つのまた(あるいはぎんなん草)の量を減らし、白すさの代わりにさらしすさを400g用いて調合します。下地がこまい土壁の場合、上塗りに用いるものは、消石灰と砂の比率を1:0.2とし、消石灰20kgにつきつのまた(あるいはぎんなん草)を500~600g、さらしすさを400~500g用いて調合します。

・ 下地がコンクリートやれんがの場合は、塗厚は壁で15㎜、天井とひさしで12㎜とします。下地がこまい土壁の場合は、塗厚は下付けで2㎜、上付けで1㎜とします。

工程・工法

・ つのまたないしはぎんなん草を用いる場合、のりは煮置きしません。1日以上おく場合は、少量の石灰を表面にまいて腐敗を防ぎ、使うときには、表面部分を捨てます。2日以上おいてはいけません。

・ 「下げお打ち→下塗り→むら直し→鹿子ずり・中塗り→上塗り」という工程をとります。下げお打ちは、木ずり下地の場合に行います。壁については、下塗り後すぐに30cm以下の間隔で、天井とひさしについては、下塗りの前に25cm以下の間隔で、それぞれ千鳥に打ち込み、下塗り、むら直しあるいは中塗り面に扇形に開いて押さえ込みます。開口部、ちり回りも15cm間隔で配置します。下塗りは、下地面に十分にすり込んで、表面を荒らします。むら直しと中塗りは、下塗りから10日以上あけて行い、表面が平坦になるように塗り付けます。ただし、仕上げ厚が12mm以下なら、むら直しは省略します。上塗りは、中塗りが半乾燥のときに、下付け、上付けの順で行います。

養生

「せっこうプラスター塗り」の項を参照してください。

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しっくい
 

こまい壁塗り

適用範囲

こまい下地の上に壁土で仕上げる土物壁、砂壁、大津壁に適しています。

材料

「材料」の項目を参照してください。

下地

「下地」の「こまい下地」の項を参照してください。

調合と塗厚

・ 荒壁と裏返しでは、荒壁土100lにつき、わらすさ0.4~0.6kgの割合で調合します。

・ むら直し、ぬき伏せ、ちり回しでは、中塗り土100gにつき、砂40~150l、もみすさ0.5~0.8kgの割合で調合します。

・ ちりしっくいでは、中塗り土100gにつき、砂30l、消石灰20kg、自毛すさ0.7kg、つのまた0.9kgの割合で調合します。

・ 中塗りでは、中塗り土100lにつき、砂60~150l、もみすさ0.5~0.8kgの割合で調合します。

・ 土物壁の場合、上塗りは、色土100lにつき、砂80~150l、みじんすさ3.2~4kg、つのまた1.5~2.5kgの割合で調合します。

・ 大津壁の場合、上塗りは、色土100lにつき、消石灰15~30kg、すさ2~4kgとの割合で調合します。

・ 砂壁の場合、上塗りは、色砂100lにつき、ふのり9kgを調合します。

・ 塗り厚は、下塗り26~30mm、むら直し8~11mm、中塗り8~11mm、上塗り2.5mmとするのが標準的です。仕上げ厚は、むら直しと中塗りの厚さによって調整します。

工程・工法

・ 荒壁土と水を荒く練り合わせたものに、わらすさを加えてよく練ります。粘性が強いときは、適量の砂を混ぜて調整します。練り上げたものは、水とよく合わせたまま、7日以上おいてから使用します。

・ 工程には上等工事(A種)と並工事(B種)があります。

・ A種工事は「下塗り(荒壁塗り、裏なで、裏返し)→むら直し(墨打ち、ぬき伏せ、ちり回り、むら直し塗り)→中塗り→上塗り」という工程をとります。

・ B種工事では裏返し、ちり回し、むら直し塗りの工程を省き「下塗り(荒壁塗り、裏なで)→むら直し(墨打ち、ぬき伏せ)→中塗り→上塗り」という工程をとります。

・ 柱にちりじゃくりのある場合、上塗り面は仕上げごての刃先の厚さだけ(1mm程)、すかせて納めるようにします。

養生

・ 荒壁塗り付けの後は、十分に風通しをよくして、塗り面を乾燥させます。

・ 梅雨期の上塗は、なるべく避けるようにします。

・ 冬は凍らないよう注意します。凍ってしまった場合は、凍った部分を落として塗り直します。

 

その他の仕上塗り

色モルタル仕上塗り

・ 材料は、白色セメント,混和材、着色材、砂(寒水石など)、セメント混和用ポリマーディスパージョン、水などを用います。白色セメントと着色剤の代わりにカラーセメントを用いることもできます。

・ 「シーラー塗り→色モルタル塗り」という工程をとります。ただし、色モルタル塗りとシーラー塗りの間は1時間以上あけます。

・ できる限り硬練りにし、塗付けてから14日以上養生します。

かき落し粗面仕上

・ 材料は、セメント類、混和材、着色剤、砂(寒水石など)、セメント混和用ポリマーディスパージョン,水などを用います。セメントと着色剤の代わりにかき落としリシン材を用いてリシン仕上げとすることもできます。

・ 「シーラー塗り→かき落し塗り→かき落し」という工程をとります。ただし、かき落し塗りとシーラー塗りの間は1時間以上、かき落しとかき落し塗りの間は3~5時間以上、それぞれ間をあけます。

・ 一回に練り合わせるのは、2時間以内で使い切れる量にします。

・ かき落し材は最低でも6mm以上の厚さに塗り付けます。

セメントスタッコ塗り

・ 「シーラー塗り→セメントスタッコ塗り→形づけ→凸部処理→仕上げ塗装」という工程をとります。ただし、セメントスタッコ塗りとシーラー塗りの間と、形づけとセメントスタッコ塗りの間はともに1時間以上、凸部処理と形づけの間は0.5~2時間程度、仕上げ塗装と凸部処理の間は48時間以上、それぞれ間をあけます。

・ セメントスタッコの所要量は5~15kg/m2とします。

・ 一回に練り合わせるのは、2時間以内で使い切れる量にします。

・ 形づけと凸部処理は、塗り付けたセメントスタッコがまだ軟らかいうちに行います。

ローラー模様仕上塗り

・ 「シーラー塗り→セメント系ローラー模様仕上げ塗り→形づけ→凸部処理→仕上げ塗装」という工程をとります。ただし、セメント系ローラー模様仕上げ塗りとシーラー塗りの間と、形づけとセメント系ローラー模様仕上げ塗りの間はともに1時間以上、凸部処理と形づけの間は0.5~2時間程度、仕上げ塗装と凸部処理の間は24時間以上、それぞれ間をあけます。

・ 合成樹脂系ローラー模様仕上では、セメント系ローラー模様仕上げ塗りのときに、合成樹脂系ローラー模様仕上塗り材を用います。

・ 一回に練り合わせるのは、2時間以内で使い切れる量にします。

繊維壁塗り

・ 「シーラー塗り→繊維壁塗り」という工程をとります。ただし、遷移壁塗りとシーラー塗りの間は1時間以上あけます。

・ 色変わりを防ぐために、繊維壁は使用量よりやや多目に練り混ぜておいて、途中で不足しないようにします。

・ こての場合も吹付けの場合も、下地が見えない程度の塗り厚にします。

・ 吹き付けは,スプレーガンのノズルを下地に対して直角に保ち、吹きむらが生じないようにします。

軽量骨材仕上げ塗り

・ 「シーラー塗り→軽量仕上げ塗り」という工程をとります。ただし、軽量仕上げ塗りとシーラー塗りの間は3時間以上あけます。

・ 既調合のこて塗り用軽量塗り材を用います。

・ 塗り付けてから24時間以上養生します。

樹脂プラスター仕上塗り

・ 「シーラー塗り→下塗り→研摩紙ずり→上塗り」という工程をとります。ただし、下塗りとシーラー塗りの間は1時間以上、研摩紙ずりと下塗りの間は24時間以上、それぞれ間をあけます。

・ 樹脂プラスターは均一に練り合わせて、金ごてや金べらなどで壁面をしごきながら塗り付けます。

・ 下塗りが乾いてから、むらがあれば研摩紙などで調整します。

・ 上塗りには樹脂プラスター薄付け用を用います。ただし、上塗りを2回するとき、下付けには樹脂プラスター厚付け用を用います。

骨材あらわし仕上げ

骨材あらわし仕上げには、以下の工法があります。

・ セメントモルタル面またはコンクリート面にポリマーディスパージョンで練った化粧用骨材を塗り付ける(または吹付ける)工法

・ セメントモルタル面またはコンクリート面に接着用モルタルを塗り付けてから、化粧用骨材を吹付ける(あるいは化粧用骨材を植え込む)工法

・ セメントモルタル面またはコンクリート面に化学処理を施し、コンクリート表面を洗出す工法

・ セメントモルタル面またはコンクリート面にサンドブラストまたはショットブラストを施し、骨材を露出させる工法

・ プレキャストコンクリート部材を製造する時に、化粧用骨材を埋め込んで表面を仕上げる工法

床モルタル塗り

・ 「シーラー塗り→下ごすり→中塗り→上塗り」という工程をとります。ただし、下ごすりとシーラー塗りの間は1時間以上あけ、上塗りと中塗りの間は3日以上あけます。また、中塗りは下ごすりが半乾燥状態のときに行ないます。

・ 下ごすりは、セメント系下地調整塗り材などを約2mmの厚さにこすり塗りします。

・ 中塗りは、上塗りの分として15mm程を残す厚さに塗り付けます。

・ 上塗りは、できるだけ硬練りのモルタルを板つちでたたき込み、水分を表面に浸出させてから、水引きぐあいを見て定木ずりをします。約15mmの厚さに塗りつけ、金ごてで押さえて仕上げます。

床コンクリートじかならし仕上げ

・ コンクリートを打ち付けてから、こてなどで表面をならして仕上げます。

・ 荒ならし、タンビング、定木ずりの順で行い、セメントペーストを表面に十分に浮き出させます。しまりぐあいを見て、金ごてで強く押さえて平らに仕上げます。

カラーセメント散布仕上げ

・ コンクリートを打ち付けてから、カーボランダム、アランダム、シリカ質硬質骨材といった硬質骨材を含むカラーセメントを散布して仕上げます。

・ 荒ならし、タンビング、定木ずりの順で行い、コンクリートが乾燥しきる前に、ふるいなどを用いてカラーセメントを均等に散布します。カラーセメントがコンクリートの水分を十分に吸収したら、まずは木ごて押さえ、最後に金ごてで押さえて仕上げます。

セルフレベリング材(SL材)塗り

・ 「シーラー塗り1回目→シーラー塗り2回目→SL材塗り→打継ぎ部の処理」という工程をとります。ただし、2回目のシーラー塗りと1回目のシーラー塗りの間は15時間以上、SL材塗りと2回目のシーラー塗りの間は1~2時間ほど、打継ぎ部の処理とSL材塗りの間は24時間以上、それぞれ間をあけます。

・ SL材は軟度を一定に練り上げたものをレベルに合わせて流し込みます。

・ SL材が固まってから、打継ぎ部や気泡跡の凸部をサンダーで削り取ります。また、凹部は、硬練りにしたSL材で補修します。

・ 塗り厚が10m以下のときは、SL材に砂は混入させません。塗り厚が10~20mのときは、業者指定の砂を30~100%混入します。

アスファルトモルタル塗り

・ アスファルトモルタル塗りは、130度以上200度以下の溶解アスファルトと、砕石、砂、石粉を、ホットローラーか重量10kgの焼ごてで加圧してならす工法です。

・ 「プライマー塗り→アスファルトモルタル塗り→ローラーがけ→塗料仕上げ」という工程をとります。ただし、アスファルトモルタル塗りとプライマー塗りの間は2~5時間、塗料仕上げとローラーがけの間は1日以上、それぞれ間をあけます。また、ローラーがけはアスファルトモルタル塗りが終わってからすぐに行ないます。2種工事の場合は、塗料仕上げの工程を省きます。

・ 塗継ぎ面は45度の傾斜にして、次に塗り重ねる際には、溶融アスファルトを塗布してアスファルトモルタルを敷きならして平らに仕上げます。

・ 工事が終わってから2~3時間は上を歩いてはいけません。

 

用語

・ 結合材:セメント、プラスター、消石灰、壁土、合成樹脂など、他の左官材料を結合硬化させる材料。

・ 混和材料:主材料以外の材料で、練り混ぜの際に必要に応じて調合される材料。混和材料には混和剤と混和材がある。

・ 混和剤:薬品的に少量用いる水溶性樹脂などの混和材料。

・ 混和材:比較的多量に用いるフライアッシュ、浅黄土などの混和材料。

・ 下地:モルタル、プラスター、しっくいなどが塗られることを前提とした構造体表面および左官塗りするためにつくられたラス、木ずり、こまいなど。

・ 下地処理:不陸(ふろく)、ひずみが著しい箇所をつけ送りして、仕上げ厚が均等になるよう調整すること。また、下地面が平滑すぎるとき、目荒らしなどを施し、塗り壁の付着が良好になるように表面を処理すること。

・ つけ送り:コンクリート、コンクリートブロック下地などで下塗りに先立ち、仕上げ厚を均等にするためモルタルなどであらかじめ不陸を調整すること。

・ ちりじゃくり:真壁の周囲や出入口枠、額縁などに壁とのすき間を目立たなくするため中塗り、上塗りを塗り込むように設けたみぞ。

・ ラス付け:鋼製金網、ラスシートなどの下地にモルタルなどを最初に塗り付けること。

・ 調合:練り混ぜた材料を構成する左官素材の混合割合。

・ 塗り厚:各塗り層ごとの、塗り付けた面積における平均の塗り厚さ。

・ 仕上げ厚:塗り層全体の塗り厚の総計。ただし、つけ送りは除く。

・ 水湿し:モルタル・プラスターなどの凝結硬化に必要な練り混ぜ水が下地または塗り付けようとする面に吸収されないようにあらかじめ散水すること。

・ シーラー塗り:下地の吸込み調整や、下地とのなじみをよくするために、合成樹脂エマルションの希釈液などを下地に塗り付けること。

・ むら直し:塗り厚または仕上げ厚が大きいとき、あるいはむらが著しいときに下塗りの上に塗り付けること。またはその塗り層。

・ 水引きぐあい:塗り付けられた塗り層が、水分を失うにつれて生ずる水の吸い方の程度、またはしまり方の程度。

・ 上・中・下塗り:塗り壁はいく層にも塗り工程を重ねることによって仕上げられる。それらの塗り層を下地に近いものから下塗り、中塗りおよび上塗りという。各塗り層は一般に調合が異なり、塗り層間には適当な間隔時間をおく。

・ 上・下付け:同一塗り層を2工程で塗る場合の、はじめの工程で塗り付けるものを下付け、後の工程で塗り付けるものを上付けという。

・ 追かけ塗り:2つの塗り層あるいは同一塗り層を2工程で塗る場合に、水引きぐあいを見て塗り重ねていく塗り方。

・ 定規ずり:平坦な塗り面をつくるために定木ですりならしたり、あらかじめ塗っておいた定木のあたり(定木塗り)に沿ってなでつけ、不陸のない塗り面を形成させる作業。

・ 目つぶし:人造石塗りとぎ出しおよびテラゾ現場塗りの1工程で、とぎ工程において作業面の種石が欠落した部分および気ほうを埋めるため、その調合から種石を除いたもので作ったのろを作業面に塗り込むこと。

・ 間隔時間:材料を塗り付けてから次の工程または使用可能になるまでの時間。間隔時間には工程内間隔時間、工程間間隔時間、最終養生時間の3種がある。

・ 工程内間隔時間:同一工程内で同一材料を塗り重ねる場合に必要な時間。

・ 工程間間隔時間:次の工程に移るまでの必要な時間。

・ 最終養生時間 :最終工程が終了し、仕上がり面が使用に耐える状態になるまでの時間。

 

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