05_17塗装工事

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塗装工事

塗装工事とは、建築物の表面に塗膜を形成させる工事を指します。

これによって、建築物の美観を整え、腐食・色あせ・風化・さび・磨耗の防止をはかります。同時に、建物内部においては、照明の効率化及び防湿・防水の効果を高めることも目的としています。

塗装の対象としては、木質系素地・金属系素地・セメント系素地・プラスチック系素地となります。

目次

塗装工事の一般事項

工法・工程の承認

塗装材料・機材によって工程、工法が異なります。

工程や工法、重要な作業機材については承認を受けます。

塗装計画

施工者は仕様書に基づき、施工計画書を作成し承認を受けます。

そして、承認に基づき施工要領書を作成します。

施工要領書に基づき、資材の手配及び作業を進めます。

施工者は、適正な工期を確保するための、工事管理を行います。

塗見本

塗装見本は施工者が作製し、承認を受けます。

見本は工事完了まで保管します。

塗装材料(塗料)の品質

JISに規格に準じたもの、日本建築学会規格の規定に適合したもの、または同等品以上のものを使います。

材料の取り扱いと保管

塗装材料は密封したまま現場に搬入します。

JISマーク、規格名称、劇毒物の表示の有無、製造年月日、数量を確認します。

可燃性材料を保管する際には、専用の置き場を設けます。

専用の置き場

・独立した平屋建てで、周辺建物から1.5m以上離します。建物内の一部を置き場に使用する場合は、耐火構造または防火構造の場所を選びます。

・塗料材料は、使いかけのものも含めて、承認した置き場に納め、戸締りし、施錠します。

・塗装材料置場は、火気厳禁の表示をし、置場内およびその周辺での火気の使用を禁止します。

・使いかけの塗装材料は密封し、濡れたりこぼれたりしないように安全に置きます。

こぼれた材料は速やかにふき取ります。

・塗装材料の付着した布片や自然発火を起こす恐れのあるものは、置き場の中に置いてはいけません。

塗料材料置場の構造および条件

・屋根は軽量な不燃材料で葺き、天井は設けません。

・床には塗料が浸透しない耐火材料を敷きます。

・油類を多量に保管する場合は、消防法、危険物取扱条令を守り、かつ油類の消火に有効な消火器、消火砂等を備えます。このとき、塗料が少量であっても消火砂を備えます。

・十分な換気をはかります。

・室内に日光が直射しないようにします。

・ちり、埃を避けます。

塗装材料の調整

・上塗り用塗装材料は、製造工場にて調合します。

・二成分、三成分形塗装材料の調合、混合には機械を用います。

塗料は使用直前に良くかき混ぜ、必要に応じてこしわけを行います。

塗装用具

・用具は、はけ、水性ばけ、平ばけ、筋かいばけ、ローラーブラシ、吹付け用器具、電動回転式研磨機、圧縮空気式研磨機を用います。

・用具は、所定のシンナーを用いて清浄し、使いやすい状態にしておきます。

工法

・塗料は、使用直前に良くかき混ぜ、必要に応じてこしわけを行います。

・はけ塗りは、色境い、出隅、入隅に注意し、たまり、流れ、泡が生じないように一様に塗ります。

・ローラーブラシ塗りは、塗装材料の飛散や模様崩れのないように均一に塗り、隅、ちり回りなどは、小ばけまたは専用ローラーブラシを用います。

・吹きつけ塗りは、ガンノズルを素地面に対し直角に保ち、均一な膜厚や模様が得られるように一様に塗ります。このとき、吹き残し、吹きむら、流れ、たまり、泡など生じないようにします。

・各工法の研磨紙ずりは、塗膜が乾燥した後に行ないます。

気侯及び作業環境

以下のような場合は、塗装作業をしてはなりません。

・塗装場所の気温が低い、もしくは湿度が高く、換気が十分でないため塗装材料の塗膜形成に不適当な場合。

・降雨、降雪、過度の通風、塗装場所の不整備による水滴、浮遊じん、砂じんが塗膜に付着するおそれのある場合。

・周囲の他の作業で塗装作業が不適当な場合。

・周囲の他の作業で塗膜が損傷するおそれのある場合。


養生

・未乾燥の塗膜は、風雨、直射日光などで乾燥不良を生じないよう、必要に応じてシートで養生します。

また、人為的に汚損されないよう「作業中」等の表示をします。

・吹付け塗装作業などによって、塗装しない部分を汚損しないよう養生します。


安全管理

・塗装材料の取り扱いは、消防法、危険物の規制に関する政令などに準拠して行います。

・塗装作業における安全衛生は、労働安全衛生法・施工令・規制に基づいて行います。

・塗装が終了した後に発生する廃棄物は、「廃棄物の処理および清掃に関する法律」に基づいて処理します。


検査

施工者は、施工中の検査、素地調整検査、塗り回数・塗付け量検査、および完成検査、色・模様・膜厚を検査します。

完成検査は、係員に申し出て、係員の検査を受けます。

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塗料
建築仕上塗材
 

金属系素地面塗装

素地の種類はJASSの規定によります。

・鉄面は、1種A・B、2種の種別があります。

1種A:化成被膜処理をする場合

1種B:ブラストをする場合

2種:動力工具を主体とし手工具を併用したさび落しをする場合

・亜鉛メッキ面は、1種A・B、2種の種別があります。

1種A:化成被膜処理をする場合

1種B:エッチングプライマーを塗る場合

2種:清掃と脱脂をする場合

・アルミニウム面

A:化成被膜処理をする場合


素地調整材料

素地調整に用いる材料です。エッチングプライマーはJIS規格に準じます。


素地調整工程

鉄面、亜鉛メッキ面、アルミニウム面それぞれの場合の工程は、以下の通りです。。



・鉄面素地調整工程

1、汚れ・付着物の除去

2、油類除去

3、さび落し

4、化成被膜処理



・亜鉛メッキ面素地調整工程

1、汚れ・付着物の除去

2、油類除去

3、化成被膜処理

4、エッチングプライマー塗り



・アルミニウム面素地調整工程

1、汚れ・付着物の除去

2、油類除去

3、化成被膜処理



・1種A

汚れ・付着物の除去:汚れ・付着物をスクレーパー・ワイヤーブラシで取り除きます。

油類除去:アルカリ性脱脂剤で加熱処理後、湯洗い、または溶剤清掃します。

さび落し:酸洗いによる、さび、黒皮を取り除きます。

化成被膜処理:りん酸塩化成皮膜処理した後、水洗いし乾燥します。

・1種B

汚れ・付着物の除去:汚れ・付着物をスクレーパー・ワイヤーブラシで取り除きます。

油類除去:溶剤ぶきをします。

さび落し:プラストにより、さび、黒皮を取り除きます。

・2種

汚れ・付着物の除去:汚れ・付着物をスクレーパー・ワイヤーブラシで取り除きます。

油類除去:溶剤ぶきをします。

さび落し:ディスクサンダー、ワイヤーホイルといった動力工具と、スクレーパー、ワイヤーブラシ、研磨布といった手工具を使い、さびを落とします。



以上が、塗装仕上げ施工前に行なう金属素地面調整です。このような塗装下地面の調整を行なった後で、仕上げ塗装を行います。

 

仕上げ塗装の種類と適用の範囲

・合成樹脂調合ペイント塗り:

鉄・亜鉛メッキ面の一般部、構造用鉄部、建具、設備

・アルミニウムペイント塗り:

熱線の反射や銀色塗装を要する一般鉄部、貯水槽の外面、ダクト、配管

・フタル酸樹脂エナメル塗り:

ドア、サッシ、シャッターの鉄面、亜鉛メッキ面の美装仕上げ

・ラッカーエナメル塗り:

鉄製のドア、サッシ、シャッターの美装仕上げ

・塩化ビニル樹脂エナメル塗り:

耐水性、軽微な耐薬品性を必要とする鉄・亜鉛メッキ面

・アクリル樹脂エナメル塗り:

鉄・亜鉛メッキ、アルミニウム製の建具、外装材

・塩化ゴム系エナメル塗り:

海岸地域や工業地域などの強い腐食環境にある鉄面や亜鉛メッキ面

・エポキシエステル樹脂エナメル塗り:

軽度の酸・アルカリ雰囲気にさらされる鉄面

・2液形エポキシ樹脂エナメル塗り:

耐酸・耐アルカリ・耐水性を必要とする箇所

・2液形厚膜エポキシ樹脂エナメル塗り:

耐酸・耐アルカリ・耐水性を必要とする箇所

・2液形タールエポキシ樹脂塗料塗り:

耐酸・耐アルカリ・耐水を目的として鉄面の日射を受けない部分

・2液形ポリウレタンエナメル塗り:

腐食雰囲気での長時間の耐候性および美装性を必要とする箇所

・常温乾燥形フッ素樹脂エナメル塗り:

腐食雰囲気での比較的長時間の耐候性および美装性を必要とする箇所

・多彩模様塗料塗り:

屋内の鋼製・亜鉛メッキ製ドア、建具、その他設備機器

・シリコーン樹脂耐熱塗料塗り:

鉄製の煙突、ダクト、配管、暖房設備など耐熱性を必要とする箇所。



金属下地・素面に用いられる、仕上げ塗装について記述します。

 

合成樹脂調合ペイント塗り

鉄、亜鉛メッキ面に、防錆、美装を目的として用いられる塗装です。

素地の種類

鉄面、亜鉛メッキ面の塗装に用いられます。

・鉄面は、A・B種があります。

・亜鉛メッキ面は、A・B種があります。

・種別によって、下塗、パテかい、中塗、上塗の回数が異なります。

それぞれ、JASSの規定によります。

施工作業順序

・鉄面に合成樹脂調合ペイント塗りをする場合の工程は以下の通りです。

1、素地調整

2、下塗り1回目

3、下地調整

4、補修塗り

5、下地塗り2回目

6、パテかい

7、研磨

8、中塗り

9、研磨

10、上塗り1回目

11、研磨

12、上塗り2回目



・下地調整と補修塗りは工場で行ないます。

下地塗り2回目から上塗り2回目までの工程は、現場における塗装になります。

パテかいの後の研磨及および中塗り後の研磨は、省略する場合があります。

・塗装後の放置時間は、

下塗り1回目: 1~2日以上

下地塗り2回目1~2日以上

パテかい:1日以上

中塗り: 2時間以上

上塗り1回目:1日以上

上塗り2回目:2日以上

このとき、下塗り1回目・下地塗り2回目は作業高さ6m以下にし、中塗りと上塗り1回目は作業高さ1m以下にします。

・標準膜厚および塗付け量

下塗り:30~35μm、0.09~0.17㎏/m2

中塗り:25μm、0.08㎏/m2

上塗り:25μm、0.08㎏/m2

・素地調整は2種で行う場合が多いです。ただし、この場合は下塗り1回目のさび止めペイントを1種で行います。

1種で行うと乾燥は遅くなりますが、素地調整がやや不十分でもさび止め効果は優れます。

2種で行う場合、合成樹脂ワニスを使用しているため乾燥性が優れています。

・中塗り用・上塗り用塗料ともに1種と2種があり、建築用には1種を用います。

2種は中塗りと上塗りとの塗装間隔が長い場合に使います。

・亜鉛メッキ面に塗装する場合は、上塗りは1回のみ行います。

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塗料
合成樹脂塗料
 

アルミニウムペイント塗り、その他

工程は合成樹脂調合ペイント塗りと基本的には同じです。しかし、パテかい、研磨の工程が除かれます。また、膜厚、塗付け量とも上塗りで15μm、0.05kg/m2と、合成樹脂調合ペイントに比べ小さくなります。

・シリコーン樹脂耐熱塗料塗りでは、耐熱温度によって以下のように類別されます。

A種:300~600℃

B種:100~300℃、および長期の防錆性を必要とするとき

C種:100℃~300℃

 

木質系素地面塗装

素地の種類

造作材、積層・集成材、合板、木質繊維板パーティクルボードの塗装に用いられます。

素地調整

・各素地を塗装する時の含水率は18%以下にします。

・割れ、欠け、腐れ、著しい目違い、やにの浸出がないようにし、特に透明塗装では変色がないようにします。

・かんな削り仕上げの程度はJASSの規定によりますが、一般的にはB種程度になります。

・釘や木ねじ類はさびの出ないものを使います。この時、釘頭の突出がないようにします。

・との粉塗り、プラスチック加工、防虫処理といった塗装に好ましくない状態の時は、係員と協議します。

素地調整の種別

・種別は1種、2種があります。

1種:透明塗装

2種:不透明塗装

素地調整材料

・材料にはセラックニス、ポリエステル樹脂パテが用いられます。

素地調整工程

1、汚れ・付着物の除去

2、研磨

3、節止め

4、パテかい

5、研磨



・汚れ・付着物の除去:汚れ・付着物を取り除き、清掃します。油類は溶剤を用いて取り除きます。

・研磨:研磨紙#240を使い、かんな目、さか目、けばを研磨紙ずりして、素地面を平滑にします。

・節止め:セラックニスを用いて、節どめおよびその周辺に1~2回塗ります。2時間以上の放置時間をとります。

・パテかい:ポリエステル樹脂パテを用いて穴を埋めます。4時間以上の放置時間をとります。

・研磨(2回目):研磨紙#180を用いて、穴埋めをしたパテを研磨紙ずりして、素地面を平滑にします。


素地に適用する塗装の種類

JASSの規定によります。

スパーワニス塗り:造作材、積層・集成材、合板

フタル酸樹脂ワニス塗り:造作材、積層・集成材、合板

1液形油変性ポリウレタンワニス塗り:造作材、積層・集成材、合板

2液形ポリウレタンワニス塗り:造作材、積層・集成材、合板

クリヤラッカー塗り:造作材、積層・集成材、合板

2液形ポリウレタンクリヤラッカー塗り:造作材、積層・集成材、合板

アクリルラッカーつやなしクリヤ塗り:造作材

ステイン塗り:造作材、積層・集成材、合板

油性調合ペイント塗り:造作材、積層・集成材、合板、木質繊維パーティクルボード

含成樹脂調合ペイント塗り:造作材、積層・集成材、合板、木質繊維パーティクルボード

フタル酸樹脂エナメル塗り:造作材、積層・集成材、合板、木質繊維パーティクルボード

ラッカーエナメル塗り:造作材、積層・集成材、合板

合成樹脂エマルションペイント塗り:合板、木質繊維パーティクルボード

多彩模様塗料塗り:合板、木質繊維板パーティクルボード

内装薄付け仕上げ塗装塗り:合板、木質繊維パーティクルボード



木質系下地・素面に用いられる仕上げ塗装について、以下で記述します。

 

スパーワニス塗り

スパーワニス塗りは、エステル樹脂と桐油などを加熱融合して溶剤により適切な粘度に調整したものによる塗装です。

目止めには油性ウッドフィラーが用いられます。

建物内部の木質系部材を、透明もしくは着色透明で平滑に仕上げます。

素地の種類

造作材、積層・集成材、合板の塗装に用いられます。

施工作業順序

1、素地調整

2、目止め

3、着色

4、下塗り

5、研磨

6、中塗り

7、上塗り



・塗装種別は塗り回数によってA種・B種・C種の3種があります。

・B種は、着色、中塗りが省かれます。

・C種は、目止め、中塗りが省かれます。

・塗装後の放置時間は、

目止め:1日以上

着色:1日以上

下塗り:1日以上

中塗り:1日以上

上塗り:2日以上

となります。

・塗付け量は下塗り、中塗り、上塗りとも各0.05㎏/m2とします。

・吸込みむらや色むらの発生を防止するため、目止めと着色に用いる材料は十分に撹拌します。

・目止めは塗付けた後、手早く木目に添ってすり込みます。そして、乾わかないうちに余分な目止め剤をウエスで拭きとります。

・着色の際は、色むらが生じないよう、余分な着色剤を拭きとります。

・下塗り、中塗り、上塗りは、はけ塗りまたは吹付塗りとします。

・中塗り、上塗りは、前工程の塗膜が十分乾燥していることを確認してから行います。

 

ステイン塗り

オイルステイン塗り

オイルステイン(油性染料着色剤)塗りは、油溶性染料をトルエンやミネラルターベンなどに溶かし、少量の油ワニスなどを添付したものによる塗装です。建物内部に適用されます。

ピグメントステイン(油性顔料着色剤)塗りは、顔料をボイル油、合成樹脂などで練り合わせ溶剤をくわえたものによる塗装です。屋内、屋外に適用されます。

工程

1、素地調整

2、下塗り

3、着色

4、着色むら直し

5、色押さえ

6、中塗り

7、ふきとり

8、上塗り

9、ふきとり

10、ワックスふき



・放置時間

下塗り:2時間

着色:1日以上

着色むら直し:1日以上

色押さえ:10時間以上

ふきとり:1日以上

ふきとり:1日以上


工法

・塗付け量は

下塗り:0.03kg/m2

色押え:0.05 kg/m2

中塗り:0.03 kg/m2

上塗り:0.03 kg/m2

となります。

いずれも塗付け量が少ない薄塗りです。表面に被膜を残すことで、含浸させることがこの工法の特徴です。

・塗付けは、はけ塗りまたは吹付塗りとします。このとき、塗付け後材料が乾ききらないうちに、余分な着色剤を拭取ります。

・ワックスふきはB種の場合にのみ適用さます。このときワックスは、はけ塗り、吹付け塗りまたはローラーブラシ塗りとします。

塗付け後20分以上放置してから、ウエス、ポリシャーなどで、塗り面を軽く一様に
拭き上げます。

中塗り、上塗り、前工程の塗膜が十分乾燥していることを確認してから行います。

 

油性調合ペイント塗り

あまに油などに顔料を加えた油性調合ペイントは、肉持ち感がよく、厚膜が得られ、はけ作業性と素地へのなじみも良くなります。しかし、乾燥が遅く、はけ目が出やすく、光沢が低いため、屋外ではチョーキング(白亜化)を起こしやすくなります。

主として、建物の内部、外部の不透明塗装仕上げに用いられます。

素地の種類

造作材、積層・集成材、合板の塗装に用いられます。


工程

1、素地調整

2、下塗り

3、目止め

4、パテかい

5、研磨

6、中塗り1回目

7、パテかい

8、研磨

9、中塗り2回目

10、研磨

11、上塗り



・放置時間

下塗り:2日以上

目止め:5時間以上

パテかい:2日以上

中塗り1回目:2日以上

パテかい(2回目):2日以上

中塗り2回目:2日以上

上塗り:4日以上


工法

・塗装種別はA種とB種があります。

A種:精度のよい仕上げ

B種:標準的仕上げ



・目止め、パテかいには合成樹脂エマルションパテ、カシュー樹脂パテ、オイルパテ
が使われます。

・目止めは、はけで塗り付けた後、木べらまたは金べらで木目に十分充てんするか、ウエスで木目によくすり込み、乾かないうちに余分を拭きとります。

・パテかいのとき、一度に厚付けしてはいけません。

・下塗り、中塗り、上塗りは、はけ塗りまたはローラーブラシ塗りとします。

・塗付け量は

下塗り:0.10kg/m2

中塗り:0.09 kg/m2

上塗り:0.09 kg/m2

となります。

・中塗り、上塗りは前工程の塗膜が十分乾燥してから行います。

・研磨のときは、下塗り、中塗りの乾燥を確認してから、研磨紙#280で平滑になるよう空とぎします。

 

セメント・せっこう系素地面塗装

素地の種類

以下の素地の塗装に用いられます。

コンクリート、セメントモルタル、プレキャストコンクリート、ALCパネル、せっこうプラスター、石綿スレート、せっこうボード、パルプセメント板、石綿セメントけい酸カルシュウム板

塗面を傷つけないように、汚れ、付着物を取り除きます。

素地調整

素地調整を行う前に以下のことを確認します。

・十分に乾燥していること。

・粉じん、油脂分、さび、エフロレッセンス、はく離剤、泥が取り除かれていること。

・浮き、硬化不良、その他のぜい弱部分が補修されていること。

素地調整の種別

素地の種類と仕上がりの程度に対応し、1種、2種、3種に種別しています。


素地調整材料

使用する材料の組合せにより1種および2種を、
それぞれ記号EE、SE、SS、RE、RS、RR、ECの7区分に分け、
選択するようにしています。


吸込み止めの材料            パテかい、パテ付けの材料

EE:合成樹脂エマルションクリヤー      合成樹脂エマルションパテ

SE:合成樹脂ワニス              合成樹脂エマルションパテ

SS:合成樹脂ワニス              合成樹脂パテ

RE:反応形合成樹脂ワニス          合成樹脂エマルションパテ

RS:反応形合成樹脂ワニス          合成樹脂パテ

RR:反応形合成樹脂ワニス          反応形合成樹脂パテ

EC:合成樹脂エマルションクリヤー      セメント系下地調整塗材



E:水性合成樹脂エマルション系

S:溶剤形合成樹脂系

R:溶剤形2液反応硬化形合成樹脂系

C:ポリマーセメント系


素地調整工程

1、汚れ・付着物・突起物除去

2、吸込み止め

3、パテかい

4、パテ付け

5、研磨


工法

・素地表面が十分乾燥していることを確認し、けれん工具、研磨紙、ブラシを使い、汚れ、付渚物、突起物を取り除きます。

・吸込み止めはシーラー塗り、素地押えには素地押え材料を均一に塗ります。素地押え材料としては以下のものが使われます。

合成樹脂エマルションクリアー、

合成樹脂ワニス(石綿セメントけい酸カルシウム板には不適)、

反応形合成樹脂ワニス(ALCパネル、せっこうプラスターには不適)

・素地調整1種EC、2種ECのとき、セメント系下地調整塗材をパテかい、パテ付けとして使うのであれば、素地の状態によって吸込み止めを省略できます。

・パテかい、パテ付けは、目違いを除去、清掃した面に行います。

パテかい、パテ付けには、同一の材料を使います。

屋外、屋内水がかり部には、合成樹脂パテ、反応形合成樹脂バテ、セメント系下地調整塗材を使います。

屋内の乾燥した水のかからない面には、合成樹脂エマルションパテを使うことができます。記号区分は、EE、SE、REです。

・研磨のときは、素地をきず付けないように研磨紙#180で行い、清掃します。

粗いとぎあとを出さない場合は#180より細かい番手を使います。


素地に適用する塗装の種類

JASSの規定によります。

・素地下地

コンクリート:CN

セメントモルタル:SM

プレキャストコンクリート:PC

ALCパネル:AL

せっこうプラスター:SP

石綿スレート:SS

せっこうボード:SB

パルプセメント板:PS

石綿セメントけい酸カルシュウム板:SC



アクリル樹脂ワニ又塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

2液形ポリウレタンワニス塗リ:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

塩化ビニル樹脂エナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

アクリル樹脂エナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

2液形ポリウレタンエナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

常温乾燥形フッ素樹脂エナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

2液形エポキシ樹脂エナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

2液形厚膜エポキシ樹脂エナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

2液形タールエポキシ樹脂エナメル塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

合成樹脂エマルションペイント塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

つや有合成樹脂エマルションペイント塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

多彩模様塗料塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・外装セメント系薄付け仕上塗材

(外装薄塗材C)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・外装けい酸質系薄付け仕上塗材

(外装薄塗材Si)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材E-1

(外装薄塗材E-1)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材E-2

(外装薄材塗E-2)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材E-2

(外装薄材塗E-2)ローラー塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・可とう形外装合成樹脂エマルション系付け仕上塗材

(可とう形外装薄塗材E)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・外装合成樹脂溶液系薄付け仕上塗材

(外装薄竣材S)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材E-1

(内装薄塗材E-1)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・内装合成樹脂エマルション系簿付け仕上塗材E-3

(内装薄塗材E-3)ローラー塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・ポリマーセメント系複層仕上塗材

(複層塗材CE)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・ポリマーセメント系複層仕上塗材

(複層塗材CE)ローラー塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・けい酸質系複層仕上塗材

(複層塗材Si)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・合成樹脂エマルション系複層仕上塗材

(複層塗材E)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・含成樹脂エマルション系複層仕上塗材

(複層塗材E)ローラー塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・反応硬化形含成樹脂エマルション系複層仕上塗材

(複層塗材RE)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・合成樹月旨溶液系複層仕上塗材

(複層塗材RS)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材E-1

(防水形塗材E-!)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

・防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材E-2

(防水形塗材E-2)塗り:CN、SM、PC、AL、SP、SS、SB、PS、SC

 

アクリル樹脂ワニス塗り

打放しコンクリート、セメントモルタル、プレキャストコンクリート部材、石綿スレートの各素地の肌を生かした透明仕上げと着色透明仕上げの塗装です。

主に外部壁面に用いられます。

塗装種別

塗装種別は塗り回数によって、A種、B種に分類される。

A種:下塗り1、中塗り2、上塗り1、

B種:下塗り1、中塗り1、上塗り1、

工程

1、素地調整

2、下塗り

3、中塗り1回目

4、中塗り2回目

5、上塗り

工法

・材料には、アクリル樹脂ワニスとシンナーを使います。

着色透明仕上げを目的とする場合は、中塗りおよび上塗りに着色アクリル樹脂ワニスを使います。

・塗付け量は各塗り工程ごとに、0.08㎏/m2とします。

・塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り、吹付け塗りとし、着色アクリル樹脂ワニスを使うときは吹付け塗りとします。

・夏季に、シンナー等、乾燥の早過ぎる材料を使用すると肌あれを生じ、エフロレッセンス発生の原因となります。

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塗料
合成樹脂塗料
 

合成樹脂エマルションペイント塗り

建物の内部、外部壁面、天井などの保護と美装を目的とした塗装です。

塗装種別

塗装種別はA種およびB種となります。

工程

1、素地調整

2、パテ付け

3、研磨

4、下塗

5、中塗り

6、研磨

7、上塗り

工法

・材料は、

下塗り用シーラー:合成樹脂エマルションクリヤー

パテ:合成樹脂エマルションパテ

中塗り・上塗り:合成樹脂エマルジョンペイント中塗・上塗用

を使います。

・塗料容器の開缶は、その日の必要量のみにします。残量は密閉し、常温下で保管します。

・塗装方法は、はけ塗り、吹付け塗り、ローラーブラシ塗りとします。

パテ付け、バテかいは、屋内塗装の場合に行います。

ただし、水がかり部分には行いません。

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プラスチック系素地面塗装工事

素地の種類

硬質塩化ビニル樹脂、繊維強化プラスチックの塗装に用いられます。

素地調整

適用する素地が以下のような状態であることに注意します。

・割れ、欠けおよび表面にきず、むら、ひずみ、がなく、接渚剤、離型剤、シーリング剤が付着していないこと。

・取付けなどに用いる釘、木ねじ、押縁などは、十分防食処理されており、それらの塗装材料はプラスチック素地を侵さないものであること。



プラスチック材の表面に特殊加工が施されている場合は、係員と協議します。

素地調整の種別

A種、B種の区分はなく、特に規定された調整用材料もありません。

素地調整工程・工法

1、汚れ・付着物の除去

2、研磨

・研磨:研磨紙#320を使い、研磨紙ずりして素地全面を平滑にします。

素地に適用する塗装の種類

JASSの規定によります。

塩化ビニル樹脂エナメル塗り:硬質塩化ビニル樹脂

2液形ポリウレタンエナメル塗り:繊維強化プラスチック

 

塩化ビニル樹脂エナメル塗り

建物内外部、雨樋、廃刊類などの不透明塗装仕上げに用いられる塗装です。

工程

1、素地調整

2、下塗り

3、上塗り

工法

・うすめの液のシンナーには、製造業者の指定する専用シンナーを使用します。

・下塗り、上塗りは、はけ塗り、吹付塗りまたはローラーブラシ塗りとします。

・塗付け量は下塗り、上塗りとも0.09㎏/m2とします。

・塩化ビニル樹脂エナメルは速乾性です。しかし、うすめ液で調整すればはけ塗りも可能です。

・吹付塗りで流れが生じるのはうすめ過ぎたときで、糸を引くのはうすめ方が不十分なときです。

 

用語

・素地

塗装工程による行為が、一切、行われていない面

・素地調整

素地に対して塗装に適するように行う処理

・下地

素地に対してなんらかの塗装工程による行為が行われて、次の工程の行為が行われようとしている面

・下地調整

下地に対して塗装に適するように行う処理

・希釈割合

塗装材料を塗装作業に適する粘稠度に薄めるシンナーや水などの塗装材料に対する重量比

・塗付量

被塗面単位面積当たりの塗装材料(原液)の付着重量

・所要量

被塗面単位面積当たりの塗装材料(原液)の使用重量

・下塗り

素地調整または下地調整を行った後に塗る作業、またはその作業によってできた塗面

・中塗り

下塗りと上塗りとの中間層として塗る作業、またはその作業によってできた塗面 

・上塗り

仕上げとして塗る作業、またはその作業によってできた塗面

・吸込み止め

素地への塗料の吸込みを少なくするための作業

・パテかい

下地面のくぼみ、すき間、目違いにパテを付けて平らにする作業

・パテ付け

パテなどを下地全面に塗り付け、表面の過剰なパテをしごきとるかまたは下地全面に塗り付け平らにする作業

・研磨

素地、下地面を研磨材料でとぐ作業

・放置時間

塗装してから次の工程に移るまでの時間。最終工程の放置時間はその工程が終了した後に、実際に使えるようになるまでの時間

・修理塗

塗膜の損傷を部分的に回復するための塗装

・膜厚

乾燥硬化した塗膜の厚さ

・焼付け温度

塗料を加熱して硬化させる場合の被塗物の表面温度

・ウェットオンウェット

塗料を塗り重ねるときに、初めの塗膜が未硬化のうちに続けて次の塗装をすること

・セッテング

塗膜を加熱硬化させるときに、塗装してから加熱するまでの間を常温で放置すること

・目止め

木部素地の導管などを埋める作業

・追い目止め

最初の目止めが未乾燥のうちに目止めを繰り返し行う作業

・着色

素地を各種着色剤で着色する作業

・節止め

木材の節や赤味部分や、やにが出やすい部分を専用ワニスで塗装する作業

・色押え

着色または着色目止めを行った後、色がにじみ出ないようにシーラーなどで処理する作業

・基層塗

複層塗り材の主材を模様を形成しないように平たんに塗りつける操作

・増し塗

基層塗り前に出隅、入隅などの基層塗り層の塗り厚が小さくなると予想される部分に主材を塗り付け、塗り厚を確保する操作

・模様塗

基層塗りの上に模様付けを主な目的とする主材を塗り付ける操作

・可使時間

2液型塗料の主剤と硬化剤を混合してから使用できなくなるまでの時間

・熟成時間

2液型塗料の主剤と硬化剤を混合後、塗装までに安定させる時間

・化成被覆処理

金属素地表面を化学薬品で処理する操作

 

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