05_10ALCパネル

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ALCパネル工事

ALCパネルを住宅などの屋根・床または帳壁として使用する工事です。

目次

材料

ALCパネル

・防錆処理を施した鉄筋で補強し、板状に成形したALC製品。

・JIS規格に適合した軽量気泡コンクリートパネル。

鉄筋および金物

・鉄筋は、防錆処理を施したもので、JIS規格に適合するもの。

・取付け金物は、ALC協会の定める「ALC取付け金物規格」によるもの。

充填用モルタル

・セメント

普通または早強ボルトランドセメント(JIS規格適合品)。

・砂

有害量のごみ、有機不純物および塩化物を含まない。

最大粒径が5m未満、適度な粒度分布のもの。

・水

有害量の不純物を含まないものとし、混和材料を使用する場合は、係員の承認を得る。

・モルタルの調合

セメント:砂の割合は1:3(容積比)を標準とする。

目地などへの充填に適した流動性を有するもの。


パネル補修材(補修用モルタル)

・材料はパネル製造業者がALC工事用として調整したもの。


シーリング材

・ALCは多孔質で吸水性が大きく表面強度が小さいです。このため、外装パネルには仕上げ塗装が施されるので、シーリング材は低モジュラスタイプで、仕上げ材との付着性や耐久性の高いものとします。

・パネルとパネルの接合部も、目地部にはJIS 規格に適合するシーリング材を使用します。

・目地材には、 変成シリコーン系、アクリルウレタン系、ポリウレタン系、アクリル系があります。一般的には、経済的で実積の多いJIS規格のアクリル系エマルションタイプを使用します。

・シーリング材充填に先立ち、被着面をプライマーで処理する必要があります。


耐火目地材

地震力、風圧力などによる建物変形時のパネルへの悪影響を避けるため、出隅、入隅の縦目地やバネル短辺相互の目地部には10~20mmのエキスパンション目地を設けます。

これらには、伸縮性のある耐火目地材を充填する必要があります。

目地材はJIS規格に適合するものです。一般にはロックウール保温板1号、密度80kg/m2程度のものを使用します。


接着材

間仕切りパネル取付けにおいて、パネルの一体化、目地部の遮音性の向上などの目的で、パネルの長辺相互の接合に接着材を用いる場合、接着材の種類はパネル製造業者の指定するものとします。


さび止め塗料

下地鋼材、取付け金物の溶接部、パネルの切断加工により露出した補強鉄筋などは、防錆処理を施す必要があります。

これらに用いるさび止め塗料は、JASS適合の合成樹脂調合ペイント塗りに用いる下塗り用塗料とし特記によります。特記のない場合は、JIS適合の一般さび止めペイント1種に適合するものとします。

 

施工

一般事項

・施工者は、工事に先立ち施工図を作成します。

・施工者は、工事に先立ち必要に応じて施工計画書を作成します。

施工計画書は、総則、一般事項、材料、工程計画、仮設、搬入計画、パネル取付け、検査、安全等について記載します。

・工事が完了した時点で係員の承認を受ける。検査報告でこれに替えることも可能です。

・工事に伴う事故防止に留意します。


仮設

パネル工事に先立ち、パネルの搬入、揚垂、敷込み、建込みなどの作業に必要な仮設を設けます。

・足場

工事開始前に設置。

搬入口、荷受け構台(荷受けステージ)が必要。

外壁面側の建地は、パネルの外面より50cm程度離した位置に設置します。

・仮設機械

パネルの搬入は、通常5~8枚を1単位(約1t)とします。

輸送トラックから直接荷揚げできるような揚重機(トラッククレーン、タワークレーンなど)を用います。

・電動工具類・電源

溶接機、鋼材カッター、ALCカッター、電動ドリル、電動ウインチなど。

電源は、三相200V、25kVA以上を確認します。

100V電源も必要。


パネルの取扱い・運搬・揚重・保管

・パネルは、工場からの運搬車による現場搬入、現場荷受けを原則とします。

・積替え、小運搬など極力少なくします。やむを得ず小運搬を行う場合は、平坦でかつ幅2m以上の通路を確保し、専用の運搬台車を用いて行います。

・パネルは傷つきやすく角欠けなど損傷を受けやすいので、パネルの積込み、荷卸し、荷揚げには専用機具を使用します。

・パネルの保管は取付け位置近くの水平で乾燥した場所を選び、直接地面に接しないように、また、反り、ねじれ、ひび割れ、損傷が生じないように、台木や木材などのまくら材を水平に置き、その上に整理して積み重ねます。

汚染や吸水のないよう、十分な養生を行います。

・積み上げ高さは、平積みで、一般1.0m以下、総高2.0m以下とします。

まくら材は、パネルの端からパネル幅の1/5~1/6内側の位置に置き、地上部で断面9cm×9cm以上、中間部で寸法0.9cm×4cm以上とします。


パネルの切断・溝堀・孔あけ

・屋根パネル、床パネル、外壁パネルは、原則としてみぞ堀り、孔あけ、切断を行ってはなりません。

やむを得ず、パネルにみぞ堀り、孔あけ、切断及び開口を設ける場合は、下記の条件によります。



みぞ堀り:外壁パネル1枚当たり、1本かつ幅30mm以内、深さ10mm以内とします。

孔あけ:屋根パネル、床パネルについては1枚当たり1か所とし、孔径は50mm以下とします。また、外壁パネルについては1枚当たり1か所とし、孔径はL/6以下とします。(L:パネル幅)

切断:間仕切りパネルの開口限度を守ります。

・穴あけ時、主筋を切断しません。

・パネルの加工により露出した鉄筋は防錆処理を行います。


溶接部の防錆処理

下地鋼材および取付け金物の溶接部には、さび止め塗料を用いた防錆処理を行います。

 

屋根・床および壁の施工

一般事項

・屋根パネル、床パネルの取付け

ALC協会の定める「ALC取付け構法基準」による取付け方を標準とします。


取付け下地

・パネルを支持する梁

施工図どおり施工されていることを確認します。

・屋根・床パネル

大梁上に取付けたかさ上げ鋼材の上に敷込まれるので、小梁は、その上面が大梁より50mm高くなるように設けます。

・屋根面全体の水勾配

屋根パネルを支持する梁を水勾配に合わせ斜めに設置します。

パネル上のモルタルの塗厚を変えないようにします。

・かさ上げ鋼材などの下地鋼材

パネルのかかり代に必要な幅のものとし、所定の位置に堅固に取付けます。

・鉄筋コンクリート道の躯体に取付ける場合

パネル長辺が梁面に接しないよう、モルタルまたは鋼材でパネル支持面をかさ上げします。パネルが両端支持の単純梁となるよう支持面を確保します。

・勾配が2.5/10を超える屋根にパネルを用いる場合

パネル5~8枚ごとにパネルの滑り止めのための受け鋼材を設置します。

・柱のまわりなどのパネル欠込み部分

有効な下地鋼材を設けます。


敷込み

・敷込みに先立ち、施工図に従い墨出しを行います。

・取付け金物は、原則として敷込む前に溶接などで支持材に固定します。

・表裏を確認し、主要支点間距離の1/75以上、かつ4cm以上のかかり代を確保します。

・長辺目地部

取付け金物を介して所定の長さの目地鉄筋をスラブプレートの穴に通します。

両側に500mmずつとなるようにし、かつ目地溝部の中央に位置するように敷設します。

・柱まわり、建物周辺部

スラブプレートまたはマルカンに長さ500 mmの長さの鉄筋を挿入します。

・外周部周辺などで、目地鉄筋による取付けができない箇所

パネルに座掘り孔を設け、ボルトと座金を用いて取付けます。

・目地部を清掃し、充填用モルタルを充填します。

モルタル充填に先立ち、水湿しの必要はありません。

 

外壁

一般事項

・高さ31m以下の閉鎖形建築物の外壁パネルの取付け方

ALC協会の定める「ALC取付け構法規準」によるのを標準とします。



取付け下地

・躯体の施工誤差

躯体の施工精度を確認します。

・定規アングルなどの下地鋼材の取付け

柱、梁などの躯体に溶接により行われます。

・縦壁パネルによるパラペット部

はね出し長さか6D以下のときは、最上階のパネルを持ち出して用いることができます。

これを超える場合は別パネルとし、これを有効に支持する下地鋼材を用います。

・横壁

パラペットの高さに関係なく下地鋼材を設けます。下り壁の場合もこれに準じます。

・窓および出入口などの開口部まわり

有効な開口補強材を設けます。開口補強材には、開口取付け金物と開口補強鋼材があります。


建込み

・施工図に従い墨出しを行います。パネルは、内外面を確認し、通りよく建て込みます。

・挿入筋による取付け方およびスライド式による取付け方の場合、パネルの建込みは下記によります。

・・挿入筋による取付け方の場合

所定の長さの目地鉄筋を縦目地空洞部に挿入し、取付け金物に固定します。

・・スライド式

パネル上端は、面内方向に可動となる取付け金物で取付けます。

パネル下端は、固定された取付け金物に目地鉄筋を溶接などにより取付けます。

・・パネル短辺接合部の横目地および出隅・入隅部の縦目地

パネル間に10~20mmのエキスパンション目地を設けます。

・・出隅、入隅部等、目地鉄筋が使用できない箇所

座掘り孔を設け、ボルトなどを用いて取付けます。

・・縦目地空洞部

パネル頂部から充填用モルタルを充填します。

 

間仕切壁

ALC協会の定める「ALC取付け構法規準」による取付け方を標準とします。

取付け方種類

パネルは、長辺を突きつけ、通りよく取付けます。

・間仕切りパネルの取付け方2種類

アンカー筋構法、フットプレート構法

・外壁パネルの取付け方4種類

挿入筋構法、スライド構法、ボルト止め構法、カバープレート構法


取付け下地

開口を設ける場合、フットプレートによるときは、補強鋼材を用います。


建込み

・地震時や支持躯体の変形などを考慮し、パネル上端のかかり代は20mm程度確保します。

・パネル上部はエキスパンション目地とし、10~20mmの間隙を設けて建て込みます。

・出隅、入隅部のパネル間、外壁や柱などとの間にも10~20mmのエキスパンション目地を設置します。

・アンカー筋による取付け方の場合、パネル下部は縦目地空洞部に所定の長さ(約500mm)の目地鉄筋を配置し、その下端は床面等に固定します。縦目地空洞部には充填用モルタルを充填します。

 

耐力壁

一般事項および基礎、がりょう

ALCパネルを耐力壁として用いる場合は、「ALC構造設計基準」の規定によります。

・階数が2以下で、用途が住宅または住宅に類する建築物に用います。 耐力壁に使用するパネルの長さは2.7m以下、厚さは平家または2階建の上階で12㎝以上、下階は15㎝以上。

また、パネルの縦目地空洞部の直径は50㎜以上とし、D10または9φ以上の鉄筋を挿入し、
モルタルを充填します。

・各階の耐力壁の中心線で囲まれる部分の面積は、平家で45m2、2階建で上下階とも36 m2以下、対隣壁の中心線間の距離は7.5m以下、壁量は、平屋または2階建の上階で20cm/ m2、下階で24cm/ m2以上とします。

・パネルの長辺接合部に挿人する鉄筋の継手および定着は、溶接する場合を除き下記によります。

鉄筋は、接合部内で継いではなりません。

基礎およびがりょうへの定着長さは、次表の数値以上とします。


敷込み・建込み

・この構法は、パネルと基礎およびがりょうが一体となることが条件なので、施工に際し十分一体化するようにします。

・パネルとコンクリートを密着させるため、一般には敷きモルタル(容積比1:3)を用いるか、場合によっては、接合用接着材を用いることもあります。

・パネルは、墨出しを行った後、パネルの内外面を確認し、基礎またはがりょうの上端にモルタルを敷き、パネルが密着するように速やかに建込みます(つなぎ材などで仮支持を行う)。

・がりょうのコンクリート打込みに先立ち、パネル頂部から縦目地空洞部に充填用モルタルを充填します。

・耐力壁とする壁頂部および開口部まわりには鉄筋を配し、充填用モルタまたはコンクリートを打ち込みます。

・パネル上部は、がりょうのコンクリートを打ち込んで固定します。


シーリング

雨がかり部分のパネル間の目地は、シーリング材を用いて充填します。

シーリング

雨がかり部分のパネル間の目地は、シーリング材を用いて充てんする。

 

用語

・取付け金物

パネルを躯体または下地鋼材に取付けるための金物。

・下地鋼材

パネルを取付けるための下地となる鋼材。

・定規アングル

壁パネルの出入りを調整するため、梁および柱などの躯体に設ける下地鋼材。

・かさ上げ鋼材

屋根パネルおよび床パネルの支持面を確保するため、大梁上などに設ける下地鋼材。

・開口補強材

窓、出入口などの開口部および開口部まわりのパネルを支持するための下地鋼材および金物。

・充填用モルタル

パネルの接合目地の溝部および空洞部などに充填するモルタル。

・補修用モルタル

パネルの欠損部分や座掘りによるパネル凹部などを補修するための専用のモルタル。

・耐火目地材

耐火性能を確保するため、パネル間などに設けた間隙(エキスパンション目地)に充填する材料。

・短辺

パネルの主筋に直角方向の辺または側面。

・長辺

パネルの主筋に平行方向の辺または側面。

・敷込み

屋根パネルまたは床パネルを所定の位置に取付けること。

・建込み

外壁パネルまたは間仕切壁パネルを所定の位置に取付けること。

・かかり代

パネルが支持材に接する部分の長辺方向の長さ。

・縦壁

パネルの長辺を垂直方向にして取付けられる壁。

・横壁

パネルの長辺を水平方向にして取付けられる壁。

・敷設筋による取付け方

パネル間の長辺目地溝部に取付け金物を介して鉄筋を敷設。

この溝部にモルタルを充填し、屋根パネルや床パネルを取付ける取付け方。

・挿入筋による取付け方

パネル間の縦目地空洞部に取付け金物を介して鉄筋を挿入。

この空洞部にモルタルを充填し、パネルを固定し取付ける縦壁パネルの取付け方。

・スライド式による取付け方

パネル間の縦目地空洞部にパネル下部は目地鉄筋を挿入。

上部は定規アングルに挟みこむ金物を取付ける。

この空洞部にモルタルを充填し、下部は固定、上部は面内方向に可動となるように取付ける縦壁パネルの取付け方。

・ボルト止めによる取付け方

パネル長辺方向の両端に設けた座掘り孔に貫通させたボルトにより、取付ける横壁パネルの取付け方。

・カバープレートによる取付け方

パネル短辺をボルトにより支持されたカバープレートで挟みこみ、取付ける横壁パネルの取付け方。

・アンカー筋による取付け方

パネル下部は縦目地空洞部に床面に固定された鉄筋とモルタルを入れて取付ける。

上部は面内方向に可動となるように取付ける間仕切縦壁パネルの取付け方。

・フットプレートによる取付け方

パネル下部は床面に固定されたフットプレートなどの取付け金物により取付ける。

上部は面内方向に可動となるように取付ける間仕切り縦壁パネルの取付け方。

 

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