05_06型枠工事

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型枠工事

型枠とは、コンクリート打ち込みのための鋳型の役割をする仮設構造物のことです。コンクリートの硬化期間中、衝撃や極端な乾燥、寒さなどから、コンクリートを保護してくれます。

型枠の設計・施工の良否は打ち上がったコンクリートの寸法・品質・精度に直接関係するので正確な施工が要求されます。

目次

型枠の材料

型枠はコンクリートに直接接する堰板と、これをささえる支保工と、これらを緊結する部材によって構成されます。

木製または金属製とし、作業荷重、コンクリート自重、側圧、衝撃、振動等に耐え、かつ、ひずみや狂いを生じない構造とします。

堰板

合板は日本農林規格コンクリート型枠用合板を使用します。

金属製型枠パネルはJISに適合するものを使用します。

製材、板類は日本農林規格2等以上のものを使用します。

・バラ板 :松、杉などで厚さ1.5~1.8cmで片面かんな削り、合いじゃくり加工した材料または合板を、設計図に合わせて現場で形を加工してつくる単板。

・木製定尺パネル:木材で、かまち、中桟を組んで定尺パネルにしたもの。サイズは61×91cm、61×182cm、30×182cmなどがあります。

・合板型枠:一般に厚さ12mm耐水合板(Ⅰ類)を使用します。パネル型枠に比べ、軽量、平滑、正確、耐久性などの点ですぐれており、保管や運搬にも有利です。

・鋼製型枠(メタルフォーム):加工変形がむずかしく、製作費が高くつくので、建築工事にはあまり使われません。水密性、耐久性、施工精度にすぐれています。

支保工

パイプサポート、単管足場、鋼管足場は仮設機材認定基準に適合するものを使用します。

鋼製仮設梁あるいは組立て鋼柱は、信頼できる試験機関が耐カ試験などにより許容荷重を指定したものを用います。

丸パイプ、角パイプ、軽量形鋼はいずれもJISに規定したものを用います。

・面木:柱、はりなどの出すみ、型枠の入りすみに取付ける小さい三角縁。堰板を除却する際に便利なように、面を取るために使います。

・桟木:堰板を支持し、荷重を腹起しに伝えます。6cm×3cm程度の平割りを30~45cm間隔に堰板に直角に配置します。

・端太角:桟木を支持し荷重を締付金物などに伝えます。100mm角程度の材を0.6~1m間隔に互に直角に二重に配置します。

・根太:スラブ下、はり下、開口部上端などに水平方向に桟木と同様に取り付けます。

・支柱:梁下やスラブ下などの型枠の支持に使用されます。パイプサポートと木製支柱(105mm内外の角材)があります。

・筋かい・方づえ:梁の開き止め、ばた受け、根太受け等に必要に応じて使われます。

・キャンバー:くさびのこと。支柱などの下に当てて、締付けや高低を加減するのに用います。

締付金具

締付金具は、耐力試験により製造業者が許容引張力を保証しているものを用います。

剥離剤は、コンクリートに有害な影響を与えないものを用います。

主な締付金具の種類は以下の通りです。

・セパレーター:型枠の間隔を正確に保つために用います。

・スペーサー:鉄筋のかぶりを正しく保つために用います。

・バーサポート: 鉄筋の保持のために用います。

・緊張器:もじりとも呼ばれるなまし鉄線を締め付ける道具。

・フォームタイ:径6mmの高強度のボルト。セパレーターと緊張器をかねています。

・なまし鉄筋:型枠を締め付ける。径4.2mm(8#)~3.4mm(10#)が使われます。

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型枠設計

以下では、JASS 5の要点を示します。

コンクリート打設時の荷重・側圧・振動・衝撃に耐えるように、また、コンクリート寸法許容差を越えるたわみや誤差を生じないように設計します。また、必要に応じて強度・剛度について構造計算を行います。

コンクリート打設時の荷重

鉛直荷重:コンクリート、型枠、鉄筋などの固定荷重、作業員、建設機械、各種資材の積載荷重に加えて、施工中に生ずる動的荷重も考慮して計算します。

水平荷重:風圧、コンクリート打込み時の偏心荷重、機械類の始動、停止、走行による動的荷重について計算します。

側圧:部位、打込み高さ、速さ、コンクリートのヘッド別の算式によります。


型枠設計用コンクリートの側圧






施工条件とコンクリートの側圧

打ち込み速さ:速度が大きいほど側圧も大きくなります。

コンシステンシー:軟らかいほど側圧も大きくなります。

コンクリート比重:大きいほど側圧も大きくなります。

コンクリートの温度・気温: 高いほど小さくなります。

堰板の平滑さ:表面が平滑なほど側圧は大きくなります。

堰板の透水性:透水性が大きいほど側圧は大きくなります。

堰板の水平断面:断面が大きいほど側圧は大きくなります。

バイブレーターの使用:使用して突固めるほど側圧は大きくなります。

打ち込み方法:高所より落下させるほど側圧は大きくなります。

セメント:早強なほど側圧は大きくなります。

型枠の剛性:大きいほど側圧は大きくなります。

鉄筋または鉄骨量:多いほど側圧は小さくなります。

コンクリート寸法許容差

・各部材の位置のずれは設計図に示された位置に対する各部材の位置と±20mmとします。

・断面寸法のずれは、柱・梁・壁及び床スラブ・屋根スラブの厚さで-5~+20とします。

・基礎の断面寸法のずれは、 -10とする。+についての規定はありません。

コンクリートの仕上がりの平坦さの標準値

仕上げ厚さ7mm以上の場合:1mにつき10mm

仕上げ厚さ7mm未満の場合:3mにつき10mm

コンクリートが見えがかりとなる場合:3mにつき7mm

設計・施工上の注意点

・型枠は有害な水漏れがなく、容易に取りはずしかでき、かつ取りはずしの際にコンクリートをいためないものとします。

・支柱は横つなぎ材・筋かい材あるいは控綱などを十分に入れることで、コンクリート施工時の水平荷重による倒壊、浮き上がり、ねじれを防ぎます。

・強度および剛性の計算は、型枠の自重、施工する人や機械、鉄筋やコンクリート、埋込金物等の施工荷重、コンクリートの側圧について行います。

・仮枠内に埋込む配管、ボックス、埋込金物等はコンクリート打込み時に移動、破損しないように取り付けます。

 

型枠の加工及び組立て

型枠の加工

型枠の加工にあたっては、はじめに設計図書にしたがってコンクリート躯体図を作成します。

次にこの躯体図に従って、柱、梁、壁などの寸法、心~心寸法、窓出入口寸法などを記入した工作図を作り、これにしたがって加工します。

□型枠計画図

縮尺はサポート配置図1/100、パネル割付図1/100、柱・梁断面詳細図1/20、支柱組立図1/20。

サポート、わく組足場を使わず仮設梁などを用いるときは1/20の詳細図を作成します。

□型枠加工図

型枠計画図により、堰板を実際に加工し組立てるのに必要な図。現寸あるいは1/2~1/5で型枠の定着、各部おさまり、締付方法などを記入します。

型枠の加工、組立てに関する注意点

・配筋、型枠の組立て、資材の運搬・集積は、これらの荷重を受けるコンクリートが有害な影響を受けない材令に達してから開始します。

・堰板は、設計図に指示されたコンクリート部材の位置、形状、寸法に一致するように加工し組立てます。

・コンクリートの側圧によるはらみ、型枠取りはずし後のたわみなどがあることも考慮して作ります。また、長大スパンでは中央に1/300程度のむくりを付けます。

・堰板は、セメントペーストまたはモルタルを継目から漏出させないように緊密に組立てます。

・締付けボルトの間隔は、コンクリートの側圧、締付金物の耐カ、桟木、締付け端太材の断面などから計算して定めます。

・堰板を再使用する場合は、コンクリ一トに接する面をよく清掃し、釘仕舞をして、破損箇所を修理のうえ、必要に応じて剥離剤を塗布してから用います。

・各種配管・ボックス・埋込み金物類は、コンクリート打込み時に移動しないよう堰板に堅固に取付けます。

・支柱は垂直に立てます。上下階の支柱は、できるだけ平面上の同一位置に立てます。

・支柱には、沈下を防ぐため、敷板などを用います。また脚部を固定して、滑動を防止します。

・鋼管支柱には高さ2mごとに2方向に水平つなぎを設けます。その際、つなぎの変位に注意します。

・木製支往と鋼製支柱を混用しないようにします。

・支保工の組立てにあたっては、安全性に十分配慮します。

各部の組立て

柱:各面の堰板を柱筋のまわりに建て、四隅その他に縦端太をあて、緊結材で締め付けます。根もとには掃除口を作ります。

壁:はじめに一方の型枠を建てて端太でつなぎ、セパレーターと設備用ボックスその他埋設物を取り付けます。壁配筋と設備用の配管が完了してから、他方の型枠を建て、端太をあて緊結します。

梁:大きいものは、施工箇所で組立てることが多く、小梁はあらかじめ箱樋状に組み立てたものをつり上げて掛け渡します。むくりは、中央で1/300~1/500程度。

スラブ:支柱・大引き・根太を引き通しよく組み、その上に堰板を置きます。むくりは、中央で1/300~1/500程度。

型枠の検査

コンクリートを打込む前に、設計寸法との相違、埋込み金物類の位置および数量、支保工の安全性について型枠を検査します。

型枠の組立て順序と配筋

柱配筋⇒柱型枠組立て⇒梁型枠・壁(内部)型枠組立て⇒壁配筋⇒壁(外部)型枠組立て⇒床型枠組立て⇒梁・床配筋

 

型枠の存置期間

型枠の存置期間の適否は、建築物主体の強度に直接影響を及ぼす重要事項です。

JASS 5に規定されています。

型枠の存置期間

・基礎・梁側・柱および壁の堰板の存置期間は、試験によりコンクリートの圧縮強度が50kgf/cm2以上に達したことが確認されるまでとします。

ただし、堰板存置期間中の平均気温が10℃以上の場合は、コンクリートの材令が下表に示す日数以上経過すれば、圧縮強度試験をすることなく取り外すことができます。

・床スラブ下・屋根スラブ下および梁下の堰板は、原則として支保工を取り外した後に取り外します。

基礎・梁側・柱及び壁の堰板の存置期間を定めるためのコンクリートの材令






支保工の存置期間

・コンクリートの圧縮強度がスラブ下・梁設計基準強度と同じ値に達したことが確認されるまで支保工を存置します。

・支保工除去後、その部材に加わる荷重が構造計算書におけるその部材の設計荷重を上回る場合には、上記の存置期間に関係なく、計算によって十分安全であることを確かめた後で支保工を取り外します。

 

型枠の取外し

・型枠を取りはずすときは、静かに取りはずします。

・コンクリートの不良箇所はできるだけ早く補修します。

・支保工を取りはずした後は、ひび割れやたわみに注意します。

・建築基準法施行令第76条も併せて参照してください。

 

用語

堰板

支保工

墨だし

根巻き

柱筋

柱建て込み

打込み速さ

コンシステンシー

側圧

スラブ

はり筋

スラブ筋

壁筋

盛替え

 

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