05_05鉄筋工事

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鉄筋工事

鉄筋コンクリート工事では、鉄筋コンクリ一ト造の主体構造部を作成します。この作業は鉄筋・型わく・コンクリートに関するそれぞれの工事が一体となって進められます。

現場施工での鉄筋コンクリート工事の良否は、建築物に大きな影響を及ぼすので、慎重な施工計画と適切な管理のもとに実施される必要があります。

工事に関する詳細は、日本建築学会建築工事標準仕様書(JASS 5)で規定されています。

以下では、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造、プレストレストコンクリート造に使われている材料とその加工、組立ての規定について述べます。

目次

鉄筋の材料

・鉄筋の径が丸鋼では32mm以下、異形鉄筋ではD38以下の場合に適用します。

・施工者は設計図書に基づいて施工図を作成します。

・強度段階としては、異形鉄筋ではSD390(SD40)以下、丸鋼ではSR295(SR30)以下を対象とします。

鉄筋の径による呼び方の区分

細径(D16、16φ以下)・中径(D19~D25、19φ~25φ)・太径(D29~D38)・極太径(D41以上)に区分されます。

品質証明書の作成

□鉄筋の種類

・異形鉄筋及び丸鋼

使用する鉄筋の種類・径等は設計図書の中に特記されています。

基本的にJISマーク表示品を使用するようにします。

・溶接金網

使用する溶接金網の網目の形状、寸法及び鉄線の径は設計図書に特記されています。

JISマーク表示品を使用します。

・鉄筋格子

JISマーク表示品で、SD30及びSD35の規格に適合するものを使用します。

網目の形状、寸法及び鉄筋の径は設計図書に特記されています。

材料試験

JISマーク表示品は原則として試験を行いません。

□鉄筋試験の内容

降伏点、引張強さ、伸びについて行います。

□試験方法

JISの規定に従います。

□試験回数

径の異なる鉄筋ごとに、重量20tごとに1回行います。

1回の試験に使用するテストピースは3個です。

鉄筋施工図

施工者は設計図を元に施工図を描きます。

・RC造配筋指針に示されている施工性の検討事項として、組立て順序、納まり、鉄筋接合、定着、コンクリートの充填性があげられています。これらの項目に関して、この段階で十分検討しておかないと施工時に様々な障害が生じるおそれがあります。

・一般に柱、梁接合部の納まりなどは1/5~1/10の詳細図を描き十分に検討します。

・基礎、柱、はり、スラブ、壁、階段などに分けて、各鉄筋の加工、組立ての状態と数を明確にし、これによって品種別、径別、定尺別に集計して鉄筋を発注します。

取り扱い・保管

鉄筋は地上に直接置いてはいけません。

種類別に整理整頓して、シート等で覆います。

・入荷した鉄筋は種別ごとに、土に接さないように敷角上に整理、集積し、検査します。不適格品は場外に搬出します。

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鉄筋の加工

加工作業は、施工図から部材加工図を作成し、これに従って鉄筋切断機や鉄筋曲げ機を使って現場で行います。

加工上の留意点は次の通りです。

・湾曲や損傷のある鉄筋は使用しません。

・コイル状の鉄筋は、直線器にかけてから用います。この際、鉄筋に損傷を与えないように気をつけます。

・鉄筋は施工図に従い、所定の寸法に切断します。切断には、シャーカッターか電動のこぎりを使います。

・鉄筋の加工は、設計図書と施工図に従って行います。

鉄筋の末端部・フック

鉄筋末端部の形状・寸法

 

鉄筋の組立て

加工した鉄筋は、墨出しされた位置に従って、移動や歪みの起こらないように鉄筋の交点や重ね部分をなまし鉄線で堅固に結束して組立てます。このとき、次の事項に留意します。

・組立てる前に、浮き錆、油類、ごみ、土など、コンクリートとの付着を妨げるおそれのあるものを除去します。

・組立てからコンクリート打ちまで長期間経過した場合は、再検査、清掃をしてからコンクリートを打ちます。

・コンクリート打ち完了まで正しく配筋し、移動しないよう十分堅固に組立てます。

・鉄筋は、互いになまし鉄線で堅固に緊結します。なまし鉄線は0.8~0.85mm程度のものを用います。太い鉄筋には2本束ねて用いるか、2~3mmの太さのなまし鉄線を用います。

・鉄筋相互のあきは、粗骨材の最大寸法の1.25倍以上かつ25mm以上とします。

丸鋼では、径の1.5倍以上、異形鉄筋では呼び名の数値の1.5倍以上とします。

・平行して並ぶ鉄筋の表面間の最短距離を、あきといいます。

異形鉄筋の場合の相互のあき寸法はリブの最外端でとります。

 

定着および継手

鉄筋の定着長さや継手長さは耐力上重要な意味をもつので規定の長さに不足しないよう特に注意します。

D16(16φ)以下では重ね継手が、D19(19φ)以上ではガス圧接継手が、閉鎖形の帯筋・あばら筋ではフレアグルーブアーク溶接が、それぞれよく用いられます。

また、太径では種々の特殊継手が用いられます。

いずれの継手も、できるだけ応力の小さい位置に設け、一箇所に集中しないように注意します。


・定着および継手の長さの許答差は、所定の長さの10%以内とします。

ガス圧接継手

・ガス圧接は以下に示す事項と、(杜)日本庄接協会「鉄筋のガス庄接工事標準仕様書」に従います。

・圧接は、技量試験に合格した圧接技量資格者によって施工します。

・鉄筋の加工は、圧接後、所定の形状・寸法となるよう正しく切断して加工します。

・鉄筋の圧接面の処理にあたっては、圧接作業の当日に有害な付着物を完全に研削除去し、庄接面をできるだけ平らに仕上げます。

・圧接部は下記の形状を満たすように正しく加熱して加圧します。

・ふくらみの直径は原則として鉄筋径の1.4倍以上

・ふくらみの長さは、鉄筋径の1.2倍以上で、なだらかで垂れ下がりがない

・鉄筋中心軸の偏心量は、鉄筋径の1/5以下

・ふくらみの頂部との庄接面のずれは、鉄筋径の1/4以下

・強風時や降雨時には、原則として作業を行いません。

ただし、風よけ・覆いなどの設備がある場合は、作業を行うことができます。

・圧接完了後、検査を行います。

・不良圧接の補正は、下記の要領に従って行います。

・鉄筋中心軸の偏心量が規定値を超えた場合には、圧接部を切り取って再圧接します。

・ふくらみの直径または長さが規定値に満たない場合は再加熱し、圧力を加えて所定のふくらみとします。

・形状が著しく不良な場合、または庄接部に有害な欠陥が生じた場合は、圧接部を切り取って再圧接します。

・曲がりが著しい場合は、再加熱して修正します。

・圧接面のずれが規定値を超えた場合は、圧接部を切り取って再圧接します。

 

配筋検査

検査は、下記の項目について、記載時に、記載方法にて行います。

鉄筋の種類・径:ミルシート、納入書などによる確認、目視、径の測定

鉄筋搬入時:設討図書に規定されたものであること

加工寸法:スケールなどによる測定

加工鉄筋搬入時または現場加工後、加工種別ごとに抜取り検査:加工寸法・許容差の規定に適合すること

数量:スケールなどによる測定・目視

組立中組立後随時:設討図書に規定されたものであること

組立精度:スケールなどによる測定・目視

組立中組立後随時:設討図書に規定されたものであること

位置の検査:スケールなどによる測定・目視

組立中組立後随時:設討図書に規定されたものであること

長さ位置:スケールなどによる測定・目視

組立後随時:設討図書に規定されたものであること

鉄筋のあき:目視

組立中組立後随時:加工寸法・許容差の規定に適合すること

スペーサ・バーサポート配置数量:目視

組立後随時:加工寸法・許容差の規定に適合すること

鉄筋の固定度:目視

組立中組立後随時:コンクリート打込み時に変形移動しないこと

・配筋完了後上記に示す品質管理項目について確認します。

◇建築基準法施行令第73条で、鉄筋の継手及び定着について規定がなされているので参照してください。

 

鉄筋のかぶり厚さ

鉄筋表面とこれを覆うコンクリートの表面までの最短距離を、鉄筋のかぶり厚さといいます。

火災やコンクリートの中性化の影響が鉄筋に及ばないように、また応力伝達上有効なように、コンクリートの鉄筋に対するかぶり厚さは充分にとる必要があります。

鉄筋のかぶり厚さの最小値は、JASS 5では、次のように規定しています。

・かぶり厚さは、鉄筋コンクリートの所要の耐火性・耐久性・構造耐力が得られるように、部材の種類別に、仕上げの有無、環境条件、施工精度を考慮して定めます。

・施工においては、設計図に示されたかぶり厚さが確保されるように、鉄筋の加工・組立ておよび配筋の作業を行います。

・かぶり厚さは、設計図に従います。

設計図に示されていない場合は、以下に示す値以上とします。

JASS 5による鉄筋のかぶり厚さ

・土に接しない部分

屋根スラブ・床スタブ・非耐力壁:30mm(屋内)・40mm(屋外)

柱・梁・耐力壁:40mm(屋内)・50mm(屋外)

擁壁:50mm

・土に接する部分

柱・梁・床スタブ・耐力壁:50mm

基礎擁壁:70mm



・施工者は、工事に先立ち、設計図および鉄筋工事の施工図を検討し、所定のかぶり厚さが確保できることを確認します。

・最小かぶり厚さは、所定のかぶり厚さから10mm引いた値以上でなければいけません。

かぶり厚さの最小値について

火災時に鉄筋の温度が600℃をこえると、その強さが1/2以下に低下してしまいます。

ふつう鉄筋の安全率は”2”となっているので降伏点が1/2以下にならないように、構造上主要な柱、梁および耐力壁では、2時間耐火を考えて3cm、スラブおよび耐力壁以外の壁では1時間耐火を考えて2cmとされています。

また土に接する部分では、水分に含まれる塩類の作用や補修の困難さなどを考えて、これより大きくなっています。

鉄筋のかぶり厚さ

鉄筋のかぶり厚さについて建築基準法では以下のような規定があります。

建築基準法による鉄筋のかぶり厚さ

・土に接しない部分

耐力壁以外の壁・床:2cm以上

耐力壁・柱・梁:3cm以上

・土に接する部分

壁・柱・床・梁・布基礎の立ち上がり部分:4cm以上

基礎(布基礎の立上り部分を除く):6cm以上(捨てコン部分除く)

 

用語

・主体構造部(躯体)

・あばら筋

・帯筋、スパイラル筋

・折り曲げ内のり直径

・丸鋼

・異形鉄筋

・補強筋

・出隅部

・内法寸法

・スラブ

・基礎ばり

・はり貫通孔

・スペーサー

・バーサポート

・捨コンクリート

・フープ

・つなぎばり主筋

・さし筋

・土間コンクリート打ち

・台直し

・根巻き

・重ね継手

・ガス圧接継手

・閉鎖形

・フレアグルーブアーク

・太径

・ふくらみの直径

・ふくらみの長さ

・偏心量

・フック

・鉄筋工事

設計図書で示された鉄筋材料を正しく加工し、所定の方法で配筋、組立てる工事。

 

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