水と生ゴミの処理と効率的利用

水と生ゴミの処理と効率的利用

目次

目的とポイント

便所、浴室、台所、洗面所等において、節水型機器を利用することで、使用水量の削減を実現するだけでなく、水をつくるエネルギーや給湯エネルギーの削減が可能となります。


雨水や排水再利用水を植栽への散水やトイレ洗浄水に使用することで、使用水量の削減が可能となります。


特に植栽への散水に利用すると、蒸発冷却効果によって周囲の温度を下げ、涼感を得たり冷房エネルギーを減少させることにつながります。


雨水浸透枡等の採用で、敷地内の植栽の生育環境を改善させるだけでなく、集中豪雨が発生した際には下水道への排水の負荷集中を軽減し、内水氾濫の抑制に役立ちます。


下水道未整備地域においては、高度処理型合併処理浄化槽による排水の高度処理によって、水域環境への負荷低減が期待でき、処理水の地下浸透が可能になります。


コンポスト、家庭用生ゴミ処理機、ディスポーザ排水処理システムなどの採用は、生ゴミの減量化を通じて、ゴミの回収・運搬、焼却にかかるエネルギーの削減に効果があります。


こうした家庭から出る生ゴミの削減は、ゴミ回収場所周辺の衛生や廃棄物問題に対しても効果があります。

 

水の処理と効率的利用技術の検討ステップ

ステップ1 地域・生活等の条件の確認および検討

(1)節水型機器の設置位置の検討(使い勝手とその効果)

(2)貯留水の凍結の可能性とタンク設置位置の検討

(3)下水道地域か下水道未整備地域かを確認

(4)下水道未整備地域の場合、水源地域、閉鎖系水域等、水質保全上窒素やリンの除去が求められるか、排水の地下浸透が必要か確認


(5)取得雨水量を屋根面積から算定

(6)敷地内散水、トイレ洗浄水の必要量を算定

(7)雨水浸透枡についての必要性と設置可能性(条例等)を検討

ステップ2 採用システムの決定

(1)採用する節水型機器の決定

(2)貯留タンク容量、設置位置の決定

(3)再利用水用水栓の位置等を決定

(4)雨水浸透枡の仕様と位置を決定

(5)下水道未整備地域においては、浄化槽の処理性能、処理水の用途を決定

 

生ゴミの処理と効率的利用技術の検討ステップ

ステップ1 地域・生活等の条件の確認および検討

(1)下水道地域か下水道未整備地域かを確認 (特に下水道地域の場合、ディスポーザ排水処理システムの設置が認められているか確認)

(2)庭の広さおよび利用条件の確認 (コンポスト採用の可能性の確認)

(3)堆肥の利用の有無を検討 (コンポストの採用の可能性の確認)



ステップ2 採用システムの決定

(1)ステップ1の条件をもとに仮決定

(2)採用後の消費電力等の検討(生ゴミ処理機の採用条件)

(3)使い勝手、自治体の助成金の有無等を確認

(4)住まい手または発注者の意図(使い勝手)を確認

(5)採用システムの決定

 

手法1 節水型機器の利用

節水型機器は、それを利用するだけで効果が得られますので、たいへん採用しやすいものです。


ただし、その効果は機器によって大きな差がありますので、選択する際に注意が必要です。

a.大便器

節水という観点からみれば、洗浄水量が少ないものが優れていると評価できます。


ただし、洗浄水量が少なすぎて便ぱちからの排出ができなくならないこと、トイレットペーパーや汚物が円滑に搬送でいるように設計することが大切です。

b.給水・給湯水栓金具

2バルブ混合栓に比べ、サーモスタット式混合栓の方が温度設定を一定にでき、温度調節のための捨て水が少なくなる傾向があり、その結果、省エネルギー効果が高くなります。


自動水栓はセンサーにより手を感知し給水・止水を行うため、水の出し放しによる無駄が削減できます。


また、水栓に手を触れる必要がないので、衛生面でも優れています。

c.シャワーヘッド

手元で止水が容易にできる止水機構付きシャワーヘッド(止水型)も市販され、節水効果が高いことが確認されています。


また、止水型は、季節に関係なく節水効果が期待できます。

d.洗濯機

洗濯機の節水機能としては、風呂の残り湯の使用と洗濯時の節水の2種類があります。


前者については、ほぼ全てのメーカーで対応しています。


ただし、汚れの多い残り湯は使用しないように注意する必要があります。


使用後は浴槽内はいつも清潔に保ちましょう。


洗濯時の節水技術には「高濃度洗剤循環方式」や「節水ビート洗浄」などがあり、メーカーによって様々な工夫がされています。

 

手法2 雨水・排水再利用システムの採用

雨水・排水再利用のためには、貯留のためのタンクが必要であり、また、水質の面から利用できる範囲が限られているため、その効果は敷地の条件によっても大きく左右されます。


したがって、敷地条件に合った方式を選択することが重要です。


雨水・排水再利用システムには、雨水用の簡易タンクを設置して植栽への水やりを行う程度のものから、高度処理型合併処理浄化槽を設置し処理水をトイレ洗浄水に利用するものまで、いくつかのパターンがあります。

a.雨とい+雨水貯留タンク

給水に用いる動力が不要、維持管理が容易、コストが安価です。

b.雨とい+雨水貯留タンク+揚水ポンプ

揚水ポンプを必要とします。


雨水不足が頻繁に生じることが予想され、その場合にはタンクに上水を入れることで対応します。

c.雨とい+雨水貯留タンク+揚水ポンプ+高度処理型合併処理浄化槽

揚水ポンプを必要とします。


雨水と生活排水を合わせた有効利用です。


ディスポーザ排水システムとの組み合わせが可能です。


用水の不足はほとんど生じないため、あまった排水再利用は放流することとなりますが、高度処理されているため地下に浸透させることも可能です。

注意点

通常、塩素減菌によって衛生上支障がない状態となっていますが、管理が不十分な場合に水質が悪化することがあるので、子供が誤って飲んだり、水浴びなどに用いて飛まつが呼吸器に入ったりしないように注意が必要です。


雨水貯留タンク内に水を貯留する場合には、塩素などによる殺菌を行ってください(消毒剤の投入)。


必要に応じて水質チェックを行う必要があります。


雨水貯留タンク内では、揚水ポンプの吸込み口に沈殿物が詰まらないようにメンテナンスをしてください。


スクリーンをこまめに清掃することが必要です。

 

手法3 雨水浸透枡等の採用

敷地に降った雨は、雨水浸透舗装や植栽土壌を通じてしみ込ませることで、集中豪雨等による下水道の過負荷が軽減できます。


また、屋根面に降った雨は、雨水浸透枡や浸透トレンチを通してしみ込ませることで、より高い効果が期待できます。


雨水の地下への浸透量を増やすことで、街路樹や緑空間への補水や植物の育成による地盤の流出の防止、都市の生態系の自然回復といった住環境の向上があげられます。


また、地下水の確保、湧水の復活、地下水の塩水化の緩和、地盤沈下の防止等にも効果が期待でき、都市環境に潤いを与えることができます。


初期コストはかかりますが、自治体によっては補助金等を支給していますので、問い合わせの上、採用を検討することが望まれます。


ただし、地下水位の高い地域や寒冷地には適さず、地盤の状況によっては条例で禁止されている地域もありますので、採用にあたっては各自治体の情報を確認する必要があります。


また、土壌の浸透特性によりその能力に大きな差が生じますので、効果的な浸透枡を設置するためには、地盤調査の際に確認することを心がけてください。

 

手法4 排水の高度処理技術の採用

下水道未整備地域においては、浄化槽が水域環境の保全という重要な役割を担っており、単独処理浄化槽の設置は禁止され、合併処理浄化槽の設置が義務づけられています。


とくに水源地域や閉鎖系水域では、有機系の汚濁だけでなく、窒素やリンの除去が要求されるため、窒素やリンの高度な除去性能を有する高度処理型合併処理浄化槽の設置が求められています。


また、浄化槽の処理水の放流先がないときなど、処理水を地下浸透させる場合は、地下水の汚染を防止するため、処理水に含まれる窒素を十分に除去しておく必要がありますので、高度処理型合併処理浄化槽の設置が必要となります。

 

手法5 生ゴミの効率的処理技術の採用

家庭用生ゴミのリサイクル技術については、ライフスタイル、立地条件(とくに下水道整備状況)、発生堆肥の利用頻度が大きな採用の条件となります。


それらを確認した上で、利便性や設備機器のイニシャル・ランニングコストを加味して採用を検討する必要があります。

a.コンポスト

最終的に生産される堆肥の利用が行われる立地や環境およびライフスタイルであることが必要となります。


最も安価です。


コンポスト容器を設置する場合には、堆肥化には時間と手間がかかるので、2~3個設置できる十分に広いスペース(土壌)を確保することが望まれます。

また、コンポスト容器内で発酵が進むと周期や衛生害虫等が発生するため、設置場所周辺の環境(近隣住戸など)を十分に配慮する必要があります。


設置場所が屋外となるため、生ゴミを廃棄するときの不自由さを認識した上で、安全な通路の確保などを考えて設置することが望まれます。


ゴミ削減対策として補助金を支給する自治体もあります。

b.家庭用生ゴミ処理機

最終的に発生するものが廃棄物である乾燥方式と、堆肥であるバイオ方式があり、電力消費をともないます。


乾燥方式は、温風やヒーターによって生ゴミの水分を蒸発・乾燥させ、減量化し腐敗を防止します。


バイオ方式に比べ消費電力は大きいですが、短時間での処理が可能で、おがくずや微生物を添加する必要がありません。


バイオ方式は、微生物の浄化機能を利用して生ゴミに含まれる有機成分を分解することで減量化し腐敗を防止します。


定期的に微生物を添加したり、微生物の保持を促進するおがくずなどのチップを入れる必要があります。


同じ方式でも、製品によって消費電力が異なるため、採用にあたっては慎重に検討する必要があります。


採用する場合には、台所からの動線や生ゴミ処理機の大きさ、電源コンセントの位置、屋内・屋外仕様の区別などを検討した上で、臭気による悪影響が生じない設置場所を決める必要があります。


脱臭機能が施されている場合であっても、換気には配慮する必要があります。


方式によりメンテナンス方法が異なりますので、手間なども考えた上で検討する必要があります。


コンポスト容器と同様、ゴミ削減対策として補助金を支給する自治体があります。

c.ディスポーザ排水処理システム

生ゴミを破砕するディスポーザ、破砕した厨芥を搬送する配管システム、搬送された破砕厨芥を含む排水を処理する処理装置によって構成されています。


設置する際には、以下の点に配慮することが必要です。

1.下水道の整備状況

下水道の完備している地域であれば、専用の排水処理装置を設置し、下水道に放流する前に処理します。


下水道未整備地域においてディスポーザ排水システムを採用する場合、ディスポーザ対応型浄化槽を設け、すべての排水を併せて処理するか、専用の排水処理装置+高度処理型合併処理浄化槽を設け、専用の排水処理装置で処理したディスポーザ排水を高度処理型浄化槽によってさらに処理するかのいずれかとします。

2.浄化槽等の設置場所

ディスポーザ対応型浄化槽や専用排水処理装置の設置できるスペースの有無を確認する必要があります。


埋設工事が必要な場合は、堀削の作業性も考慮して設置場所を決定する必要があります。

3.配管等

ディスポーザからディスポーザ対応型合併浄化槽、専用の排水処理装置までの排水用配管勾配を確実に確保しなければなりません。

4.処理装置の採用上の注意点

機械式の固液分離装置によって厨芥を分離し、それを処理する装置を用いる場合、装置からの排気による悪影響が生じない構造とする必要があります。


装置からの排気を排水管に圧入すると、トラップの破封、悪臭の室内空間への逆流、下水管内の悪臭拡散による周辺への迷惑等が生じ、衛生上たいへん大きな問題が生じます。


装置からの排気は悪臭による被害を生じさせることのないよう、直接外気に開放する必要があります。

 

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