給湯設備計画

給湯設備計画

目次

目的とポイント

必要な場所に適時適量の湯を供給する快適な生活を、種種の最新技術を用いて最小限のエネルギーで実現することを目的としたものです。


給湯エネルギーが、住宅全体のエネルギー消費に占める割合は一般的に3分の1とたいへんに大きいため、給湯設備システムの省エネルギー設計は重要です。


給湯設備は、熱源、配管システム、給湯栓の3つで構成されます。


このうち、戸建て住宅に採用される給湯設備の熱源は、ガス、石油、電気、太陽熱の4つに分類されます。

 

給湯設備計画の検討ステップ

ステップ1 給湯設備方式の選択要件の確認・検討


給湯設備方式を選択するために、立地条件や住まい手の給湯設備の使用状況などの選択要件を確認・検討します。


(1)立地条件等の確認


(2)給湯設備の使用状況の確認




ステップ2 給湯設備方式の選択と設計・工法等の検討


ステップ1で確認した要件に適した給湯設備方式を選択し、省エネルギー設計・工法等の適用について検討します。


太陽熱給湯を採用する場合は太陽熱温水器、太陽熱給湯システムのいずれかを選択します。


採用しない場合は、手法3から行います。


手法1 太陽熱温水器の採用


手法2 太陽熱給湯システムの採用


手法3 高効率給湯機の導入


(1)潜熱回収型給湯機(熱源がガスの場合)

(2)自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機(熱源が電気の場合)

手法4 給湯設備各部の省エネルギー設計・工法等の検討


(1)給湯配管方法の検討

(2)給湯量節約器具の検討

(3)貯湯タンクの検討

 

給湯設備計画の選択要件

1.立地条件等について

(1)敷地条件等

太陽熱給湯を利用するには、日照が確保できるかどうかが重要です。


敷地周辺の状況などを確認します。

(2)エネルギー供給状況

都市ガスが供給されているかどうかなどで、採用できる熱源に制約が生じる場合があります。

(3)水道圧力

ポンプが付属していない給湯機では、浴室を2階に設置しにくいなどの制約が生じます。

(4)設置スペース

貯湯タンクを有する給湯システムの採用は、タンクの設置スペースの有無が重要な条件となります。

(5)太陽熱給湯システム利用の場合

この場合は、補助熱源となる給湯設備と組み合わせることになりますので、組み合わせる補助熱源の効率に配慮することも必要です。


高効率給湯機の1つである自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機との組み合わせについては、実用化の検討はされていますが、具体的な事例はあまりみられない状況です。

2.住まい手の特性と使用状況について

(1)世帯構成(人数)

湯の使用量が少ない場合には、ガス瞬間式給湯機が適しています。

(2)給湯設備の使用状況

給湯対象箇所が多く、かつ同時使用が多い場合は、高い能力の給湯機が必要となります。


暖房(床暖房)との兼用や追い焚き機能の必要性などを確認し、適切な能力と機能を有するものを選択する必要があります。

3.コストとの関係について

省エネルギー型の給湯設備は、イニシャルコストが高くなりますが、二酸化炭素排出量の削減効果やランニングコストの削減分を考慮して方式を選定することが望まれます。


サーモ式混合栓や止水機構付き器具などの給湯量節約機器については、イニシャルコストの増分はわずかで、節約効果も確認されていますので、採用が推奨されます。


政府機関や自治体などによる補助金制度を活用することができるシステムもあります。

 

手法1 太陽熱温水器の採用

→「太陽熱給湯」へ

 

手法2 太陽熱給湯システムの採用

→「太陽熱給湯」へ

 

手法3 高効率給湯器の導入



















熱源 高効率給湯器 省エネルギー効果(給湯エネルギー削減率)
ガス式 潜熱回収型ガス給湯機 15%程度
電気式 自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機 ~35%

(1)潜熱回収型ガス給湯機

これは、従来型のガス給湯器の熱効率が80%程度であるのに対して、90%程度の効率を実現した高効率給湯機です。


従来はそのまま捨てていた排気ガスの熱を、水道水の予熱に用いることによって実現されます。


外観、大きさ、設置場所は、従来型のガス瞬間式給湯機とほぼ同じです。

(2)自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機

ヒートポンプは元来、暖冷房に用いられてきた高効率の熱源ですが、近年、給湯機として実用化され、普及しつつあり、最新式ほど効率は向上しつつあります。


ただし、エネルギー効率は、湯の使用量やその増減(残り湯が多いと放熱のため効率は低下します)、給水温、外気温によって変化します。


自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機を構成するヒートポンプユニットや貯湯ユニットについては、大きさや形状を考慮し、設置スペースを確保する必要があります。

 

手法4 給湯設備各部の省エネルギー設計・工法等

1.給湯配管方法の検討

(1)節湯型の配管工法を行う

(2)配管経路の最短化と管径の最小化

(3)配管の保温措置

(4)浴槽・浴室の保温

入浴時の給湯エネルギー消費を削減するためには、浴槽の保温が重要です。


さらに、浴室全体の断熱性能を向上させることも大切です。


脱衣室も合わせて断熱性を高めれば、省エネルギー性の向上に加えて、浴室関連空間の快適性・健康性を向上させることができます。

2.給湯量節約機器の検討

(1)湯温調節が容易な湯水混合栓

給湯開始ごとの湯温調節、他の場所での給湯使用の影響による湯温再調節など、調整時の捨て水を削減するために、湯温調節が容易なサーモスタット式混合栓やシングルレバー混合栓の使用が推奨されます。


2バルブ混合栓の使用は避けることが必要です。


節水こまを使用して湯水量を抑制するのも1つの方法です。

(2)止水機能付きの各種器具

浴室では、手元に止水機構がある節湯型シャワーヘッドの採用が有効です。


台所や洗面所では、水栓をシャワー水栓とし、足元止水スイッチや自動水栓を採用することが推奨されます。

3.貯湯タンクの検討

貯湯タンクの設置が必要な自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯機または太陽熱給湯システム(強制循環式)を採用する場合には、省エネルギーに配慮した断熱性の高い貯湯タンクを選択する必要があります。


貯湯タンクの設置場所が適切でないことにより、配管が長くなり、省エネルギー効果を低下させたり、湯待ち時間が長くなって使い勝手が悪くなる場合があります。


貯湯タンクの設置場所は、給湯機と給湯対象箇所の位置関係から、できるだけ配管経路が短くなるように、あらかじめ配慮しておく必要があります。

 

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