太陽熱給湯(太陽熱の利用・2)


太陽熱給湯(太陽熱の利用・2)

目次

目的とポイント

・戸建て住宅に採用される給湯設備の熱源は、ガス、石油、電気および太陽熱の4つに分類されます。


このうち自然エネルギーである太陽熱を利用した給湯システムは、他のシステムと比べて多額のイニシャルコストを必要としますが、それをランニングコストの低減によってまかなうことは十分可能であるとともに、省エネルギー効果を十分に高めることができる技術です。


・一般的には、補助熱源としてガス式給湯機または石油式給湯機と組み合わせて計画します。


組み合わせ方によっては、最大で50%程度の給湯エネルギーを自然エネルギーでまかなうことができます。

 

太陽熱給湯の検討ステップ

ステップ1 太陽熱給湯採用の可否の検討


敷地周辺の状況などを確認し、日照が確保されるかどうかを確かめます。




ステップ2 太陽熱給湯の方式の検討


手法1 太陽熱温水器の採用


手法2 太陽熱給湯システムの採用




ステップ3 太陽熱給湯の計画・設計上の配慮


1.各部の計画上の配慮


2.太陽熱給湯システムの効率と安全性の両立


3.効率よい運転・制御方法の配慮

 

太陽熱給湯の手法

太陽熱給湯方式の特徴





































































方式



特徴
太陽熱温水器 太陽熱給湯システム
自然循環式 自然循環式 強制循環式
直接集熱 直接集熱 直接集熱 間接集熱
集熱パネル設置位置 屋根 屋根 屋根 屋根
貯湯タンク設置位置 屋根 屋根 地上 地上
湯の使用先

(補助熱源)
浴槽

給湯機(ポンプによる加圧が必要)
給湯機

(水圧を高めたい場合、ポンプを追加することもあり得る)
給湯機

(ポンプによる加圧が必要)
給湯機

(ポンプ不要)
凍結対策 凍結時に使用中止 凍結時、ポンプを設けていない場合は使用中止。

設けている場合は、循環によりある程度凍結を防止できる。(ただし、バイパスさせる必要あり。マニュアル切替えとなる。)
凍結時、ポンプを設けていない場合は使用中止。

設けている場合は、循環によりある程度凍結を防止できる。(ただし、バイパスさせる必要あり。マニュアル切替えとなる。)
不凍液を用い、かつポンプによる循環を行うことにより凍結防止している。

ただしそのための動力エネルギー(電力)が必要になり、省エネルギー上は短所となる。
省エネルギー効果 10%以上 30%以上 30%以上 30%以上
価格の目安 20~24万円 22~53万円 37~43万円 77~102万円
その他の特徴 浴槽では通常の給湯用と湯張り用の2つの給湯配管となる。 凍結時は水道水を直接給湯機へ送るよう三方弁の切替えが屋内でできることが望ましい。 凍結防止のためのポンプ運転用電力は決して無視できないので配慮が必要である。 循環液の循環用にポンプが必要となる。

 

手法1 太陽熱温水器の採用

一般に太陽熱を受ける集熱パネルと湯のたまる貯湯タンクが分かれており、集熱パネルと貯湯タンクの水が自然に循環し温められるため、自然循環式と呼ばれています。

直接水を温めて効率よく太陽熱エネルギーを利用します。


通常はポンプを使用せず、構造が単純なため比較的安価に導入することができます。

 

手法2 太陽熱給湯システムの採用

太陽熱の集熱部と貯湯部をガス式または石油式の給湯機と組み合わせたもので、太陽熱によって湯温が使用湯温に達しなくても給湯機によって好みの湯温を得ることができます。


太陽熱温水器に比べ、使い勝手が格段によくなります。


自然循環式は、貯湯タンクを兼ねた集熱部を屋根上に設けたもので、水道を直結させるためのポンプを必要としません。


強制循環式は、最も重量のある貯湯タンクを地上に設置し、屋根の上に集熱パネルを設置したものです。


これには、貯湯タンク内の湯を強制的に集熱パネルとの間で循環させる直接集熱方式と、循環ポンプで循環液を強制的に循環して集熱する間接集熱方式があります。


間接集熱方式の場合、循環液には不凍液を使用し、冬期の凍結を防ぐことができるようになっています。


この方式は貯湯量を多くとれる利点がありますが、間接集熱による熱交換によって湯を沸かす方式のため、効率はやや低下します。

 

太陽熱給湯の計画・設計上の配慮

各部の計画上の配慮

太陽熱集熱パネル

極力南面させるようにしてください。


また、将来的に隣接建物等の影とならない位置を選ぶことが必要です。


角度は、水平面に対し30°~60°の範囲内で、屋根の勾配を考慮に入れながら決めてください。


屋根勾配よしも急な角度に設置する場合は、パネル設置架台が必要となります。


パネル角度をより急にした場合、太陽高度の低い冬期の集熱量が増え、夏期の集熱量が経ることになります。


給湯によるエネルギー消費は冬期に大きいので、集熱パネルの角度を急にする方が一般的には太陽熱エネルギーの利用率が高くなります。

貯湯タンク

配管からの熱損失を抑えるためには、集熱パネル、貯湯タンク、給湯機の相互の距離がなるべく短いように配置する必要があります。


貯湯タンクは屋外に設置されることが一般的ですが、熱損失を抑えるためには、断熱保温がしっかりなされた製品を選び、屋内駐車場やユーティリティなど、非暖房室であっても屋内に設置することが推奨されます。

補助熱源

太陽熱でまかないきれない給湯分は、ガス給湯機等の熱源を用いることになりますので、それらの給湯機のエネルギー効率についても配慮が必要です。

熱媒循環配管・給湯配管

最短化をはかるとともに、断熱をする必要があります。


とくに熱媒などの循環配管は屋外に設置されるものであり、循環流量も多く放熱量が大きくなる可能性があるので、必ず配管断熱を行ってください。

太陽熱給湯システムの効率と安全性の両立

太陽熱給湯システムを構成する要素には、集熱パネル、貯湯タンク、配管以外の重要な部分として、一般に「供給湯温等制御部」と呼ばれるものがあります。


これは以下の機能を有しています。


1.混合栓により水道水を混合させて行う湯温調節の機能(高すぎる湯温の防止のため)

2.供給湯温に応じて、それが高いときに給湯機を止める機能

3.集熱系統が凍結したときなどに、集熱パネルをバイパスして水道水を直接供給する機能


このうち1と2は、火傷などの事故を未然に防ぐ安全対策のためのものです。


その制御は、給湯機入口温度の設定により行います。

効率のよい運転・制御方法の配慮

日射量の多い日には、太陽熱給湯を十分に活用することが省エネルギー効率を高めることになります。


給湯機入口温度が十分に高温である場合は、給湯機を用いた追い焚きの代わりに、さし湯により浴槽の湯を温めることができます。


給湯機入口温度で十分使用できる湯温が確保される場合は、給湯機を停止したままで湯を使用すると、省エネルギー効率を高めることになります。

 

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