昼光利用(太陽光の利用・1)

 

昼光利用(太陽光の利用・1)

 

目次

目的とポイント

・昼光の利用は、昼間の明るさを室内に取り入れることで人工照明による無駄な点灯を少なくし、人工照明エネルギー消費を削減することを主な目的とした技術です。
・昼光は刻々と変化することに配慮しなければなりません。

・これによる光環境は、視覚的な快適性の高いものとなります。

・昼光の利用技術には、開口部からの光を取り入れる採光手法と、窓まわりや室内の反射などを利用した導光手法があります。

昼光利用技術の検討ステップ

ステップ1 敷地条件と日照条件の確認

(1)
敷地条件・日照条件を季節ごとに平面的に捉え、将来にわたり日照が確保できる位置を検討します。

(2)
敷地条件・日照条件を季節ごとに平面的に捉え、将来にわたり日照が確保できる階数など立体的な建物形状の大枠を検討します。

ステップ2 直接的な昼光利用(採光手法)の検討(手法1)

(1)
採光可能な開口部の位置・形状を検討する。
自然風の利用や断熱性との関係も十分に考慮する。

(2)
開口部まわりの日照調整方式を検討する。
日射遮蔽との関係も十分に考慮する。

ステップ3 間接的な昼光利用(導光手法)の検討(手法2)

(1)
空間構成および採光手法に合わせて、導光手法を検討する。

(2)
空間のつながり、間仕切りの有無と種類を十分に検討し、可能なかぎり空間全体に導光できる計画とする。

ステップ4 昼光の不足部分の把握と照明設備への反映

(1)
昼間に光量が足りない部分を把握し、照明設備計画に反映する。

手法1 直接的な昼光利用手法(採光手法)

開口部の位置・形状の計画

側窓の計画

窓の位置は高い方が、室の奥まで光が届き、室内照度の均一性は向上し、また、プライバシーの確保も容易になり、カーテン等の開放率も向上する傾向があります。
同一面積の窓であれば、縦長の形状が室内の照度の均一性はわずかですが向上します。

縦長窓の場合、周辺の障害物の影響を受けにくい傾向があり、カーテン等の開放率も向上する傾向があります。

頂側窓・天窓の計画

採光可能性が非常に低い場合や、北に面した居室などに有効です。

高い位置にあるので、室の奥まで効率的な採光が可能となり照度の均一性は高くなり、また、換気性能等も上がります。

また、メンテナンスに注意する必要があります。

清掃・点検だけでなく、南向きの場合は夏期の日射遮蔽が必要です。

日照調整装置の計画

とくに夏期には、直接光によるまぶしさをコントロールすると同時に、日射を遮蔽する必要があります。

日照調整装置は、屋外に設置する場合と屋内に設置する場合があります。

水平ブラインドやスクリーンなど、屋外と屋内で同じ形状となる日照調整装置の場合は、光環境にほとんど差は生じませんが、日射遮蔽効果は屋外に設置した方が大きくなります。

逆に、光環境の調節のしやすさやメンテナンスという点では、屋内設置の方が適しています。

日射遮蔽と日照調節の違い

一般に、直射日光を遮蔽する装置を「日射遮蔽装置」と呼びますが、光環境という観点では、「日照調整装置」と呼ぶことができます。

つまり、熱については「日射遮蔽」を考え、光については直射日光をうまく取り入れてまぶしい所だけ遮蔽する「日照調整」を考え、さらにそれらを同時に実現する装置と使い方を考えることで、光と熱のバランスをとることができます。

手法2 間接的な昼光利用手法(導光手法)

空間構成による導光

吹き抜け

吹き抜けの高所に開口部を設けることで、より室の奥まで光を導くことができます。

基本的には、採光手法における高窓などと同じ考え方で計画しますが、天井高が大きくなるので、照明設備計画や暖房計画にも配慮が必要です。

欄干

間仕切り壁の上部に欄干を設けることにより、採光条件の悪い隣室にも光を導くことができます。

欄干より下側は壁面により視線が遮られるので、空間としての独立性は保てます。

欄干による導光は、外面する開口部の検討が後手になりがちな非居室への対応としても有効です。

間仕切り壁等にガラスブロックやガラススクリーンなどをうまく利用して、空間全体に導光することでも、同じような効果が得られます。

光井戸(ライトウェル)・光庭(ライトコート)

側窓での採光がほとんど期待できない場合でも、最上階は天窓などを設けることで採光が可能になります。

さらに、光井戸や光庭を計画し、住宅内を上下階に貫く光の通り道をつくることで、下層階にも光を導入することが可能になります。

仕上げ面の反射による導光―――屋外床面・軒裏・室内表面の反射

地面で反射した光をさらに軒裏で反射させたり、縁側等で反射した光を天井で反射させて奥に導くことなどにより、光の経路を計画します。

光の経路を考えながら、室内の天井・床などの仕上げ面の色を明るくすることも効果があります。

ただし、夏期の照り返しや取り込む自然風の温度上昇などを生じることがありますので、テラスや庭などの計画にあたっては、季節ごとの効果を検証して床面の仕上げや植栽を工夫する必要があります。

装置による導光―――水平面反射型装置(ライトシェルフ等)

窓上部に設置した中庇の上面や、窓に装着する装置で光を反射させる手法で、さらに天井面の反射を利用することにより、光を室の奥まで導くことができます。

採光経路が確保できない場所に、チューブ形状の光ファイバーや太陽追尾式のミラー・レンズなどを組み合わせて光を導く方法もあります。

前述した様々な方法を検討した結果、どうしても昼光を利用できない場合などに採用します。

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