設計ガイドライン


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目次

自立循環型住宅とは

自立循環型住宅の定義

自立循環型住宅とは、気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や選択に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量(二酸化炭素排出量)を2000年頃の標準的な住宅と比較して50%にまで削減可能な、2010年時点までに十分実用化できる住宅のことです。

本来は完結型のエネルギー受容・消費のシステムが確立した住宅を理想としますが、まずは京都議定書に採択された2010年前後の期限までに、住宅分野から二酸化炭素排出抑制に寄与しうつ技術の開発・普及を目指しています。

日本における二酸化炭素排出量の推移

 民生部門(業務用および家庭用のエネルギー消費に起因する部分)における二酸化炭素排出量の増加が著しく、1990年度から2002年度までの間に家庭用エネルギー消費部門からの二酸化炭素排出量は28.8%の増加となっています。これは、地球温暖化対策推進大綱での民生部門についての2010年までの目標である2%の削減には、さらなる努力が不可欠であることを示しています。

 

自立循環型住宅の設計プロセスと要素技術の概要

自立循環型住宅の設計フロー

自立循環型住宅が目標としている「居住時のエネルギー消費の削減」と「心地よい室内環境の形成」を実現するためには、自然エネルギー活用や建物外皮の熱遮断による「建築的手法」と、高効率の設備機器導入による「設備的手法」を組み合わせることが必要になります。

  手順1:自立循環型住宅の設計要件の把握
(1.与条件・要求条件の把握 )


  手順2:自立循環型住宅の設計目標像の設定(2.設計目標・方針の設定)


  手順3:自立循環型住宅の設計にかかる基本的事項への配慮(3.設計モデル化―1)

  
手順4:要素技術の適用検討(3.設計モデル化―2)

    要素技術


































熱環境分野

空気環境分野

光環境分野

その他

自然エネルギー活用技術

日射熱の利用(太陽熱の利用・1)

太陽熱給湯(太陽熱の利用・2)


自然風の利用

昼光利用(太陽光の利用・1)

太陽光発電(太陽光の利用・2)


建物外皮の熱遮断技術

断熱外皮計画



日射遮蔽手法


省エネルギー設備技術

暖冷房設備計画

給湯設備計画


換気設備計画

照明設備計画

高効率家電機器の導入

水と生ゴミの処理と効率的利用




  手順5:フィージビリティスタディ(4.設計モデルの分析・効果の検証)

1.与条件・要求条件の把握

Ⅰ.自立循環型住宅の設計要求の把握


 
1.敷地の自然エネルギー利用の可能性の把握

    ・自然風の利用可能性


    ・太陽光の利用可能性


     ・太陽熱の利用可能性


 
2.ライフスタイルの指向の把握

    ・住まいにおける自然へのこだわり度


    ・安定した室内環境へのこだわり度




2.設計目標・方針の設定

Ⅱ.自立循環型住宅の設計目標像の設定


  目標に応じた住宅タイプの設定


    ・要素技術の適用の優先度




3.設計モデル化


Ⅲ.自立循環型住宅の設計にかかる基本的事項への配慮


Ⅳ.要素技術の適用検討


 
1.自然エネルギー活用技術の検討

    ・自然風の利用


    ・昼光利用(太陽光の利用・1)


    ・太陽光発電(太陽光利用・2)


    ・日射熱の利用(太陽熱の利用・1)


    ・太陽熱給湯(太陽熱の利用・2)


 
2.建物外皮の熱遮断技術の検討

    ・断熱外皮計画


    ・日射遮蔽手法


 
3.省エネルギー設備技術の検討

    ・暖冷房設備計画


    ・換気設備計画


    ・給湯設備計画


    ・照明設備計画


    ・高効率家電機器の導入


    ・水と生ゴミの処理と効率的利用



4.設計モデルの分析・効果の検証

Ⅴ.フィージビリティスタディ


 
1.省エネルギー性、環境性の検証

    ・エネルギー消費量


    ・二酸化炭素排出量


 
2.コストの検証

    ・イニシャルコスト


    ・ランニングコスト

自立循環型住宅の設計にかかる基本的配慮事項  チェックリスト














































































































































計画段階 要素技術の分類 配慮事項 関連要素技術
敷地利用・配置計画 自然エネルギー活用技術に関連するもの 卓越風向を調べ、風上側に庭を確保

風下側にも適度の空地を確保

主風向と直交する両方向に適度の空地を確保

流入空気湿度の上昇を抑える流入開口風上側への植栽などの配置
風を呼び込むフェンス、袖壁などの設置を配慮した配置
自然風の利用
良好な光環境を担保しうる建物後退距離の確保

近隣建物による採光上の障害に配慮した配置関係
昼光利用
日射の取得に有効な南面を主体とした建物・開口部の向き 日射熱の利用
建物外皮の熱遮断技術に関連するもの 日射遮蔽装置の設置を配慮した配置

落葉樹などの庭木の適切な配置
日射遮蔽手法
省エネルギー設備技術に関連するもの 屋外設備スペースの適切な配置(風・日射) 共通
貯湯タンクスペースの適切な大きさと配置 給湯設備計画
浄化槽スペースの適切な大きさと配置 水とごみの効率的利用
平面計画 自然エネルギー活用技術に関連するもの 通風を確保したい居室を卓越風向を考えて風上側に計画

風の流入口を風上側以外に1ヶ所以上設置

流入口と流出口を抵抗の少ない通風経路で連結

風のよどみの少ない開放的な平面計画

外部騒音に配慮した開口部の配置および形式
自然風の利用
昼光を有効に利用しうる窓配置と窓面積の設定

無採光室を回避する平面計画 
昼光利用
日射を十分に取得できる窓面積の確保 日射熱の利用
プライバシーに配慮した開口部の配置 自然風・昼光・日射熱
建物外皮の熱遮断技術に関連するもの 外壁長の最小化、整形な建物形状の検討 断熱外皮計画
開口部への日射遮蔽装置の装備の検討 日射遮蔽手法
省エネルギー設備技術に関連するもの 設備の適切な設置位置、設置スペースの確保 共通
配管経路の短縮化に有効な水まわり・給湯器の配置 給湯設備計画
雨水再利用が可能な雨水処理系統の検討 水とゴミの効率的利用
断面計画・立面計画 自然エネルギー活用技術に関連するもの 天窓、頂側窓等の設置に適した屋根まわりの計画

居住域内の開放的な吹き抜け空間の計画
自然風・昼光
2階リビングなど主要居室の2階配置の検討 自然風・日射熱
直射の少ない北面向き屋根面を利用した採光窓の確保 昼光利用
南向きの屋根面の確保 太陽熱給湯・太陽光発電
建物外皮の熱遮断技術に関連するもの 断熱層、通気層の連続性の確保 断熱外皮・日射遮蔽
バリアフリーに配慮した床断熱納まりの検討 断熱外皮計画
庇等の設置方法、長さなどの検討 日射遮蔽手法
省エネルギー設備技術に関連するもの ダクト、機器等の設置に支障ない天井ふところの確保

清掃・交換などが容易な位置への機器設置
共通
細部計画 自然エネルギー活用技術に関連するもの 外部騒音に配慮した開口部形式の採用

防犯上の安全性の高い開口部の構成・納まりの検討

風下側流出口の開放面積に配慮した開口部の採用

風であおられにくい引戸形式の内部建具の採用
自然風の利用
土塗壁など熱容量の高い材料による躯体工法の採用 日射熱の利用
建物外皮の熱遮断技術に関連するもの 断熱措置に支障のない屋根、天井、外壁、床まわりの構成検討 断熱外皮計画
屋根、外壁の通気層の構成検討 断熱外皮・日射遮蔽
省エネルギー設備技術に関連するもの 設備機器のメンテナンスが可能な機器配置、納まりの検討 共通

 

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