地盤の特性
![]() | 目 次 | ![]() |
地盤について
知っておきたい事前調査の重要性でも述べたように、地盤の事前調査は大変重要です。
多くの欠陥住宅で見られる基礎のひび割れも、地盤に起因するものが実は多いのです。
敷地の地耐力がどれだけあるのかをしっかりと把握しておくことが、後々のトラブルを回避してくれることになります。
では、事前調査といっても何を調べれば良いのでしょうか?
実際、地盤については地中に隠れているため、“調査をしてみるまで正確なことは分からない”というのが実情ですが、「ここをみればだいたいの予想がつく」というようなポイントはいくつかあるものなのです。
地盤については、その造成種類や経過年数などからある程度地耐力を判断することが可能です。
但し、それによって完全に地盤の状況がわかるというものではありません。
施工に影響すると思われる範囲内の地盤の性質や地下水位等及び地盤構成、基礎に対する耐力、地耐力・支持力・沈下に関する正確な情報を得るためには、ボーリング、標準菅入試験、土質土壌試験等を行うことが必要です。
地耐力・N値の目安は以下の通りです。
土質 | N値 | 土質 | N値 | |
岩盤 | 100 | 砂質地盤 | 5 | |
固結した砂 | 50 | 堅い粘土質 | 10 | |
土丹盤 | 30 | 粘土質 | 2 | |
蜜実な礫層 | 30 | 堅いローム層 | 10 | |
蜜実な砂質地盤 | 20 | ローム層 | 5 |
※地耐力は大人が飛び上がって、地面に足型が付けばおおよそ2トンある。
調査深度の目安は建物長さの2~3倍、もしくは、必要地耐力を得てから地耐力が3~5m得られる深さまでとされています。
また、調査位置は、事前調査から推定される地盤状況と建物の種類に応じて行いますが(敷地の中心近くとし、建物の中に入る位置とする)、敷地が大きく、又は、細長い場合や変形している場合は、調査箇所を増やすことになります。
調査結果は各地層の深さ、層厚、層名、水位、N値等を記入した柱状図として、報告書にまとめられることになります。
報告書例はこちら。
地盤の性質や地層の状態は、直接見ることが出来ないので、ボーリングや探査かん、試験掘、標準貫入試権等によって調査しなければならないのです。
上記でも述べたように、地盤調査の重要性の認識が建設業者や一般の人にようやく理解されてきました。
又、行政に於いても、地盤、地耐力が審査の対象となって来ており、土地所有者は自己財産管理の上からも知っておくことが大切なのです。
切土と盛土
宅地造成が行われた土地の場合、切土なのか盛土なのかが問題になります。
切土とは
その名の通り、もともとあった地盤を切って平坦にしたものです。
元の地盤を切り取っているので、現在の地盤も元々あった地盤(既に締め固まっている)ということになり、一般的に地耐力があると言われています。
盛土とは
もともとあった地盤に土を盛ることで平坦にしたものです。
したがって、盛土の工事がされて間もない場合は、地盤がこれから締め固まっていくことが考えられます。
もちろん、盛土であってもある程度の年月を経るなどして、地盤が安定している場合もありますが、一般的に地耐力が小さい可能性が高いのです。
そしてもう一つ、ここで注意すべきは、敷地が切土と盛土にまたがっている場合です。
このような場合、将来的に建築物を建てたときに、建築物自体の重量で、地耐力が小さいほうに建築物が傾いていく危険性があります。
こうなると基礎にひび割れが発生し、ひどい場合は建物自体が傾き始めることになります。
このような敷地ではベタ基礎にするなどの適切な施工方法を行うようにしてください。