地球温暖化会議(COP10)

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気候変動枠組条約第10回締約国会議(COP10)

目次

気候変動枠組条約第10回締約国会議(COP10)



日  程

平成16年12月6日-17日



場  所



ブエノスアイレス




全体の概要

主な成果

今次COP10は、気候変動枠組条約の発効10周年という節目に当たるとともに、来年2月の京都議定書発効を目前に控えた重要な会議となった。

締約国は、条約発効後10年の地球温暖化に関する国際的な取り組みに実質的な進展が見られていることを高く評価しつつ、地球温暖化対策の緊要性につき認識を共有した。

そして、今後とも条約および京都議定書の下でより実効的な取り組み実現に向け、全ての国が協力しながら更なる前進をはかっていくことが極めて重要であるとの認識をあらためて確認した。





1.京都議定書の発効を歓迎し、各締約国が排出削減約束の確実な達成を確認

(1)各締約国は、来年2月の議定書発効を、グローバルな地球温暖化対策の推進における重要な第一歩として歓迎。

それぞれの排出削減約束を確実に達成すべく、更なる努力を継続するとの各国の意思が互いに確認された。

また議定書実施に向けた体制や制度を整備すべく、「京都メカニズム」運用細則(省エネ等のCDM(クリーン開発メカニズム)の促進、排出量クレジット取引の登録簿の様式、吸収源(森林)関連の手法等)などにつき合意され、これはわが国の約束達成にあたり有意義なものとなった。




(2)我が国としても▲6%排出削減約束(1990年比)の達成は容易ではないものの、経済と環境を両立しつつ、着実にこれを実現していくとの強い決意を表明した。

また、京都議定書の発効を記念し今後の取り組みの機運を盛り上げていくために、発効日の来年2月16日に京都で記念行事を開催することを発表し、条約事務局との協力の下、主要国の関連イベントと連携していくこととなった。




2.将来の行動に向けて、情報交換を通じた取組の開始を決定

(1)ポスト京都議定書(2013年~)を視野に入れた次期約束の検討が2005年末までに始まることを踏まえ、全ての国の参加の下に、中・長期的な将来の行動に向けて、情報交換を通じた取組を開始することを決定した。

来年5月に締約国間で「政府専門家セミナー」が開始され、効果的で適切な対策を展開していくための行動につき情報交換が行われ、その成果がCOP締約国にフィードバックされることとなった。




(2)我が国は、本件セミナー開催の考えを早くから歓迎し、全ての国が参加してともに前進する重要性を強調しつつ今次決定の合意形成を促すとともに、来年のセミナーの場でも積極的にわが国の立場を説明し議論の活性化に貢献していきたい旨、表明した。



(3)なお二国間会談においても我が国より、米国に対しては、京都議定書参加の重要性をあらためて訴えつつ次なるステップに向けて米国の指導力発揮を求めた。

また中国との間では、環境と経済の統合により地球温暖化対策を推進すべく、二国間、多国間等さまざまな機会を通じてさらに日中が協力していくことを確認した。

さらに、英国(来年のG8議長国)とは、来年のG8サミットの主要テーマである気候変動問題に関し日英間で緊密に協力していくことを確認した。                  




3.気候変動枠組条約の着実な実施のための協力を推進

(1)条約発効10周年を契機として条約の着実な実施状況(途上国支援、国別報告・目録、研究・観測等)が確認されるとともに、さらなる協力推進の方途について議論が深められた。

特に今後は先進国・途上国間の信頼醸成を通じて途上国側の一層の関与を得ることがますます重要となる中で、途上国の関心が高い「適応」策(洪水、干ばつなど気候変動の悪影響への対策)については、途上国への資金支援や人材育成支援に加え、「5カ年行動計画」の策定について決議された(これを「適応策と対応措置に関するブエノスアイレス作業計画」と呼ぶことになった)。




(2)我が方としては、条約の各種方法論等の技術的議論に積極的に貢献する一方で、途上国支援については、ODAを中心とした温暖化対策支援「京都イニシアティブ」(1997年~)の着実な実施振りや、アジア太平洋地域における普及啓発セミナー実施、資料「日本の適応支援策:能力と自立の育成」などを紹介しつつ、引き続き支援を展開していく旨表明し、評価を得た。

 

個別問題の討議の結果

1.適応措置等

適応(気候変動による影響への対応)については、途上国への資金支援・人材育成支援や、地球温暖化に対する脆弱性の評価や持続可能な開発との統合などを内容とする「5カ年行動計画」の策定について決議された(これを「適応策と対応措置に関するブエノスアイレス作業計画」と呼ぶ)。

また、緩和(温室効果ガス削減)については、次回のSBSTAでもワークショップを開催し、緩和技術の開発普及に影響を与える要素や費用対効果につき取り上げることで合意された。


2.発展途上国支援

発展途上国に関する各議題(キャパシティ・ビルディング、技術移転、資金メカニズム等)に関しては、更なる支援を求める途上国と既存の取り組みの効率化を求める先進国との意見の対立も見られたが、支援の態様、対象などにつき一定の合意が得られた。


3.普及啓発

条約6条に基づいて普及啓発のために地域別に行うことがCOP8で決定されているワークショップについて、アジア太平洋地域のワークショップを、わが国の提案に基づき「地球温暖化アジア太平洋セミナー(APセミナー)」と併せて日本で開催することが合意され、各国から歓迎された。


4.京都メカニズム

CDM(クリーン開発メカニズム)に関して、省エネや交通などの方法論をCDM理事会が優先的に検討することが要請される等、CDMの更なる発展に向けた議論が進展した。

またCDM理事会の理事代理として藤冨正晴氏(アジア太平洋エネルギー研究センター所長)が選出された。



5.国別報告書

気候変動枠組条約に基づき締約国が提出する国別報告書に関しては、交渉に前進が見られたものの途上国の第二次及び第三次国別報告書の提出期限について合意に至らず、協議を継続することになった。

一方、中国とブラジルがCOP10に併せて最初の国別報告書を提出し、各国から歓迎された。


6.研究及び組織的観測

COP9の決定に基づき、本年10月に策定された気候変動枠組条約に資するための「全球気候観測システム(GCOS)実施計画」の着実な実施に向け、発展途上国の参加拡大、地域行動計画の実施、必須の気候要素の観測及び気候関連データ・プロダクツの開発に関する協力拡大に向けた努力や、実施計画ニーズに対応する際の関連宇宙機関間の調整の必要性について合意された。


7.国際航空・海運からの排出

国際航空・海運からの温室効果ガス排出量の算定に関する国際民間航空機関(ICAO)及び国際海事機構(IMO)の取り組み、及び気候変動枠組条約、ICAO及びIMO各事務局間で進められている協力、ICAO及びIMOのIPCCへの貢献などについて評価することで合意した。

また、次回補助機関会合に向けて、温室効果ガス排出量算定手法に関する最新の情報を提供するよう事務局に要請することとなった。


8.吸収源関連

先進国の温室効果ガス吸収源の算定方法に関して、2003年にIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が採択した手法(IPCC良好手法指針)を採用することで合意した。

また、伐採木材製品の取り扱いについて、各国のデータに基づいた検討を行うこととなった。

さらに、小規模植林CDMに関し、6月の補助機関会合で持ち越しとなっていたバンドリング(CDMの一括申請)の取り扱い、小規模の閾値(年平均8キロトンCO2)の定義、低所得者層のプロジェクト参加の証明方法、事業の促進方法等について議論が行われ、ルールの簡素化及びホスト国の能力向上支援等を内容とする決定が採択された。

 

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