一級設計製図課題(平成20年)

一級設計製図課題(平成20年)

「ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設」

設計製図知識

課題分析

敷地条件とアプローチ及び建蔽率

敷地
「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」及び「複合施設」から想定して、商業系の用途地域で、敷地は比較的狭い。
道路条件は、2方向道路と考える。

アプローチ
「ビジネスホテル」へのアプローチは主道路
「フィットネスクラブ」へのアプローチは主道路
「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」の動線の分離と区画
「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」の利用者の接続としての「ロビー」、「レストラン」等の設置が考えられる。

駐車場
「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」及び「レストラン」等へのサービスアプローチ及びサービス車のアプローチは、明確にする。
「人と車」の分離、動線を交錯させない。

一般利用者のための駐車場は、近接してあるかもしれないが、敷地内駐車の要求は、「ある」と考える。高齢者及び身障者への配慮。

自転車置場
要求あり

建蔽率
敷地が狭いと思われるので、建蔽率違反とならないように注意すること。

課題について
「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」の利用者の動線を交錯させない。
また、異種用途と成るため、用途区画が必要となると考える。
「フィットネスクラブ」を持つ、「ビジネスホテル」という課題であれば、「ビジネスホテル」が出題課題であるが、今回の出題は、「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」である。どちらも対等の課題である。

建築物と設備

構造とスパン
「ビジネスホテル」部分は、高層の基準階となる公算が大きいと考える。
適切なスパン割と階段位置、2方向避難、避難通路の確保及び敷地内避難通路の確保
「フィットネスクラブ」部分は、大スパンの要求があると考える。
柱の飛ばしに注意すること。
上階や「ビジネスホテル」部分の関係において、構造違反とならないようにすること。

ハートビル法
ハートビル法に抵触しないように計画すること。

PS
「ビジネスホテル」部分の給水方式、受水層、高架タンク等の設置が必要かどうか。

EV
「ビジネスホテル」部分には、1基は最低必要である。中高層になれば、2基必要となる。
「フィットネスクラブ」部分にも、要求があれば、「ビジネスホテル」部分と共有しないこと。
防犯面から考えれば、「ビジネスホテル」部分と「フィットネスクラブ」部分を分離して、各部分に設置すること。
EV機械室とEVの位置に注意すること。

空調方式
「ビジネスホテル」部分と「フィットネスクラブ」部分を分けて考えること。
省エネ時代です。「ビジネスホテル」部分と「フィットネスクラブ」部分の空調方式の考え方を記述させられるかもしれませんよ。

DS
空調配管ダクトスペース
大きさ、位置、天井裏スペースの確保等

ゾーニングと所要室

ゾーン単位

「ビジネスホテル」部分と「フィットネスクラブ」部分の独立性
入口は独立専用とする。
各部分の2方向避難の確保

防火区画
面積区画・異種用途区画・竪穴区画及び高層区画が必要となるかも知れません。
最低3つの防火区画が必要です。

運営、営業時間の違い
運用時間の違いによるゾーニング及び防犯への配慮が必要となると考えます。
各部分の運営管理が、明確になるように、ゾーニングすることが大切である。

第3番目のゾーニング
「レストラン」の位置付け、外部利用者の有無。

「ビジネスホテル」

部屋の計画
A・Bタイプ等の要求があると考える。
面積は、20m2前後、個数の指定あり。

「フィットネスクラブ」

プールの有無
最大の問題は、「プール」があるか否かということである。
併設される施設が、「ビジネスホテル」ということであるので、「プール」を持たない「フィットネスクラブ」であると考える。また、過去の出題においては、「プール」を持つ等の記述がなされていた。

地階の有無
もう1つの問題は、「フィットネスクラブ」部分の設置が地階にならないかということである。
地階に「フィットネスクラブ」を設置すれば、明確なゾーニングが可能となる。

課題について
いずれにしても、「ビジネスホテル」部分の宿泊部門と階段の位置の計画を確実にすること。
「フィットネスクラブ」部分の計画については、課題をよく読み、要求諸室の中で、大スパンとしなければならない、部屋の位置に最大の注意を払うことが大切であると考える。

設計製図の評価について

総合評価

設計主旨のポイント

1. 設計条件をいかに図面に反映するか
アプローチ・配置等外部計画を設計条件に合せることが大切である。

要求諸室の配置計画
今回の課題であれば、「ビジネスホテル」部分の宿泊部門の計画の考え方は、方位や景観・眺望を要求することは、「ない」と考える。それよりも、2方向避難を考えて、基本プランを作成しておくことが大切であると考えます。

2. 設計条件に合った建築物の利用方法
敷地全体を条件に合せて、適確に利用する。
主出入口の位置、従(サービス)出入口の位置、駐車場、サービス車の駐車場の位置等
段差の処理、過去商業施設の敷地は、段差が設けられていた。
設計条件にいかに忠実に計画するかが大切である。
3. 図面印象
設計製図の採点は、人がします。
うまい図面ではなく、わかりやすい、正確で見やすい図面を書きましょう。
線の強弱
読みやすい文字
柱壁等の大きさの一定性
備品や家具、衛生機器等の大きさ等
一生懸命、時間いっぱい作図したという印象を与える十分な書き込みをしましょう。

配置計画

外部動線計画

大きい道路は、主道路と考える。人通りが多い、賑わいのあるメイン道路である。ここから、建築物へのメインアプローチを取ること。
「ビジネスホテル」へ、「フィットネスクラブ」へのメインアプローチを設ける。

条件による建物利用者のアプローチ
外部駐車場から従(小さい道路)の出入口の設置、公園等からのサブアプローチ

管理サービスアプローチ
2方向道路の場合は、小さい道路に設ける。

他部門への利用者のアプローチ
外部利用者がある「レストラン・喫茶・ショップ」等へのアプローチ

外部施設

テラス・駐車場・自転車置場等
面積規定がある場合は±10%とする。
条件による適切な位置と形状

駐車場・自転車置場
一般駐車場:2500×5000
駐車場の出入口は、交差点、横断歩道から、5m以上離すこと。
車いす使用者駐車場:3500×5000
主出入口に近い位置に設ける。
自転車駐輪場:500×2000
地下駐車場の傾斜路
勾配は17%以上、梁下高さは、2.3m以上確保すること。

ごみ置場
要求があれば、サービス車のアプローチを考え、従の道路側に設ける。

平面計画

ゾーニング計画

一般動線と管理・サービス動線が交錯しないこと。
今回の課題は、「ビジネスホテル」です。
宿泊客が、フロント及び宿泊室・ホテル内施設以外に入り込む動線がないように計画すること。

階段・廊下の位置及び有効巾
利用者使用と管理者利用の区別
EVの位置と利用者
今回の場合は、「ビジネスホテル」と「フィットネスクラブ」、両部分の利用者と管理者の動線が発生します。
明確な区分が必要となります。

各部分をまとまりと連絡箇所の処理が重要です。
どこで、連絡を取るか、条件をよく読み適確な位置で、適確な方法で行うこと。
各部分の管理上の区画、運営時間の差違等の処理

各部計画

使用面の指定の有無
宿泊室を南面に設ける、眺望を採り入れる、西日を避ける等の条件があるかないか。
周辺環境を採り入れる条件が設定されているか否か。
プライバシーの配慮が必要かどうか。宿泊者、フィットネスクラブ利用者のプライバシーへの配慮が必要である。

所要室の機能と役割の関連性
関係部分をひとまとめにする。

大空間の計画
柱の抜いた大スパン、大空間の部屋の上部に、部屋を計画しないこと。
同一フロアーで、天井高さの高低差が起こる場合の処理。
柱を飛ばす間隔は、一般的に2スパンが妥当である。

細部計画

EVの台数、大きさ、ロープ式、油圧式
適切な位置と面積
機械室の位置と大きさ

便所の計画
「ビジネスホテル」
宿泊部門は、室内に設ける。
共用部門、ホール、ロビーに設ける。管理部門に設ける。
身障者便所の設置
位置と大きさ
「フィットネスクラブ」
受付、ロビーに設ける。管理部門に設ける。
身障者便所の設置
位置と大きさ

スロープ
屋外:1/12
屋内:1/15

法規

避難規定
階段
構造的に安全か、上下の位置関係は適切か
2方向避難
重複距離は、問題ないか。25m、無窓居室の場合は、15m
緩和措置は考えないこと。
階段室の扉の開閉方向

階段寸法
巾:1500、踏面:300、蹴上:160
階高と段数

廊下巾:1800以上
利用者:ハートビル法
管理・サービス:建築基準法

敷地内避難通路:1.5m

防火区画
面積区画:1500m2を超えない。
異種用途区画:今回の課題においては、必要である。
竪穴区画:3層以上必要である。

高さ制限

採光・換気・排煙

非常用の進入口
3階以上

構造計画

スパン割・柱割及び断面計画
指定構造、階数
RC造の適正グリッド
50m2程度
SRC造の適正グリッド
60~70m2程度

大スパンの処理
面積的には、100m2程度とする。

設備計画

PSの計画
PSの大きさ(面積)と位置

空調方式
DS:単一ダクト方式
DSの大きさと機械室との位置
PS:個別ヒートポンプ方式

EPS
電気配線スペース

所要室

所要室の形状は、1:2
要求面積が、大きいほど重要室・主要室である。
要求条件を満たすこと。
受付カウンターを設ける。隣接して設ける等の条件を満たすこと。
要求面積は、±10%とすること。

以上のような点が評価の基準と成ると考えます。

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